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『0戦はやと』(ゼロせんはやと)は、週刊少年キングで連載されていた辻なおきの漫画作品。また、それを原作としたテレビアニメ。 漫画版は「週刊少年キング」創刊号(1963年7月8日)から昭和39年(1964年)第52号まで掲載された。 昭和17年(1942年)、大日本帝国海軍は各戦線から腕利きの撃墜王35人を集め、宮本大尉の下に爆風隊を結成、ニューギニア戦線で64機撃墜の実績を誇る東隼人もその一員に選ばれた。モロタイ基地に派遣された爆風隊は、隼人が考え出した数々の奇策もあって何度も大きな戦果を上げるが、隼人の父である黄桜隊司令官東大佐は、敵のエース・パイロット、スカイキング中尉(後にキングサタン中佐と名前が変わる)に撃墜されてしまう。隼人はキングサタンに一騎討ちを挑むがかなわず、その後特訓を繰り返し、最後にキングサタンを倒したところで物語が終わる。隼人のその後については明らかにされていないが、1966年に「週刊少年キング」に連載された『0戦仮面』では、ある日仲間5機と一緒に出撃して結局帰って来なかったため戦死とされている。 『0戦仮面』は『0戦隼人』や、「少年画報」に連載されていた同じ作者の『0戦太郎』の続編的な内容であり、仮面で顔を隠した、その名も仮面少尉を主人公とし、宮本大尉や、隼人の同僚である石川上飛曹も登場するが未完に終わった。
漫画
登場人物等
大日本帝国海軍
モロタイ基地
爆風隊
どんなに強力な敵の空軍にも負けない戦闘隊を作るため、宮本大尉が南方戦線の優秀なエースパイロット35名を集めて編成した、「世界一強い日本航空隊」[注釈 1]。編成後の猛訓練を経てモロタイ基地に進出し大活躍する。全員が零戦に落下増槽タンクを付けたままで空戦を行うことができるほどの技量を有する。使用する機体はその形状と、武装が20ミリと7.7ミリを各2門搭載していることから52型または52型甲である。
東隼人(あずまはやと)
一等飛行兵曹。元ニューギニヤ戦線・電光隊所属(マノクワリ基地)。爆風隊入隊までの撃墜数は64機。操縦する愛機に黒鷲のマークを入れている。マノクワリ基地で一番多くの敵機を墜としていた。どんなに苦しいときも笑顔を忘れない、隊一番の人気者。父は日本の撃墜王と呼ばれる、黄桜隊隊長・東大佐。一色によれば、伊賀忍者・東三太夫の子孫らしい。
一色強吾(いっしききょうご)
一等飛行兵曹。元マレー戦線・黒雲隊。爆風隊入隊までの撃墜数64機。マレー戦線の少年撃墜王として有名だった。愛機に四方手裏剣のマークを入れている。眠ったような細い目の中に鋭い光をやどし、どんな厳しい訓練にも汗ひとつかかない。甲賀忍者の子孫で、隼人をライバル視しており、2人の実力は拮抗している。妹のユカリが、後に看護婦としてモロタイ基地に着任する。
石川八衛門(いしかわはちえもん[注釈 2])
上等飛行兵曹。元ボルネオ戦線・旋風隊。爆風隊入隊までの撃墜数47機。鍾軌髭の厳つい風貌で気が短いが、ひょうきんなところもある。自称、石川五右衛門(作中の表記は「五衛門」)の子孫。九州の方言で話す。機体のマークは「お釜」。髭は先祖代々由緒あるものなので、剃り落とすわけにはいかないとのこと。
大山
一等飛行兵曹。元ギルバート基地のエース。隼人の親友となる。少々太めで、食いしん坊。機体のマークは「串団子」。なお、宮本大尉に自分の名前と撃墜数を報告する場面で、「セレベス戦線・朝風隊・撃墜数36機」と申告している者も大山一飛曹を名乗っているが、描かれた顔は別人。
細川
一等飛行兵曹。大山と同じく、元ギルバート基地のエース。隼人の親友となる。機体のマークは「金槌」。大山と対照的に、細身。
小川
一等飛行兵曹。爆風隊入隊までの撃墜数33機。宮本大尉に自分の名前と撃墜数を報告する場面のみ登場。
中野、大久保、代々木、四谷
一等飛行兵曹。モロタイ基地に潜入した特殊工作隊が呼び寄せた爆撃機隊を迎撃する際、哨戒飛行を命ぜられる。姿が描かれたのは大久保のみ。
江原、太田、原田
一等飛行兵曹。上記の戦闘後、撃墜数を申告する。
太田康助(おおたこうすけ)
輸送船団を攻撃する銀嶺爆撃隊の護衛をした際に負傷、自爆しようとするが宮本大尉に叱責される。なお上記の太田一飛曹は後ろ姿のみなので、同一人物かどうか確認できない。
平川
輸送船団を攻撃する銀嶺爆撃隊の護衛をした際に負傷。
その他
宮本大尉のセリフ中で、八木・西本・品川・田端・大崎・吉田・九里・笹川・望月・小城が出てくる他、セリフと姿の両方または一方が描かれたものの、名前が示されなかった者が多数いる。
宮本大尉
海軍大尉。爆風隊を編成し、その隊長に就任する。口髭を蓄えており、その厳しい指導ぶりから鬼大尉と呼ばれている。昔は優しい隊長だったが、自分の本当の気持ちを殺し隊員たちを厳しく教育することで、世界一強い日本航空隊を作り、戦争に勝つという全国民の期待に応えようとする。訓練終了後は、隊長としてだけでなく隼人たちの兄貴分のような描写も増えた。爆風隊編成時の撃墜数は240機。戦闘機乗りとしての技術も一流だが、訓練用のペイント弾を考案するなどの才もある。非常に部下思いで無謀な作戦は拒否することもあり、特に爆風隊による特攻作戦は2度拒否している。機体のマークは「刀の鍔」。
紫雲隊
爆風隊配備以前からモロタイ基地を根拠とする戦闘機隊。隊長は団中佐。元は100機以上の戦闘機を有していたが、ある作戦で特攻を実施。結果、団中佐を含めて7機まで減ってしまった。後の戦闘でさらに大野ともう一人を失い5機となったが、さらに後、予科錬を出たばかりの35名の二等飛行兵曹を加え40機に回復した。しかしその35名は、飛行時間がわずか150時間に過ぎず……。
団中佐
海軍中佐の紫雲隊々長。指揮する隊が勢力を失い、新参の爆風隊が華々しい活躍をするため嫉妬している部分があり、爆風隊に辛く当たる。かつて、偵察機の操縦員だった息子の団少尉を失っている。
モロタイ基地司令部