0の0乗
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この記事には独自研究が含まれているおそれがあります。問題箇所を検証出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2016年2月)

0 の 0 乗(れいのれいじょう)は、累乗あるいは指数関数において、底を 0、指数を 0 としたものである。その値は、代数学組合せ論などの文脈では通常 1 と定義される[注 1]一方で、解析学の文脈では二変数関数 xy が原点 (x, y) = (0, 0) において連続とならないため定義されない場合もある。
背景

実数 x の正整数 n 乗は、素朴には、n 個の x を掛け合わせたものである。厳密には、次のように再帰的に定められる。 ( ∗ ) x 1 := x , ( ∗ ∗ ) x n + 1 := x n × x ( n ≥ 1 ) . {\displaystyle {\begin{aligned}&(*)&x^{1}&:=x,\\&(**)&x^{n+1}&:=x^{n}\times x\quad (n\geq 1).\end{aligned}}}

x0 を定義する場合には、関係式 ( ∗ ∗ ) {\displaystyle (**)} が n = 0 でも成立するように定義を拡張するのが自然である。

そこで、 ( ∗ ∗ ) {\displaystyle (**)} に無理やり n = 0 を代入すれば、x0 + 1 = x0 × x すなわち x = x0 × x となり、x が 0 でなければ両辺を x で割って x0 = 1 を得る。すなわち、x ≠ 0 の場合は、x0 ? 1 と定めることで、関係式 ( ∗ ∗ ) {\displaystyle (**)} が n ≥ 0 {\displaystyle n\geq 0} に対して成り立つように定義を拡張できる[注 2]。さらに負の整数 −n に対しても x−n ? 1/xn と定義すれば ( ∗ ∗ ) {\displaystyle (**)} が満たされ、 x ≠ 0 の整数乗がうまく定義されて、指数法則 xn + m = xn xm や xnm = (xn)m が任意の整数 n, m に対して成立する。

次に、指数が実数の場合を考えよう。底が x ≠ 0 の場合は、上述のように整数乗が定まるのであった。詳細は省略するが、底を x > 0 の場合に制限すれば、指数法則が成り立ったまま指数を有理数、さらには実数へと拡張し、連続な二変数関数を得ることができる。また、x = 0 の場合に対する正の実数乗も、同様に連続性を理由として 0 と定義することができる。

すなわち実数の実数乗 xy は、底が x ≠ 0 で指数 y が整数であるか、底が x > 0 であるか、あるいは底が x = 0 で指数が y > 0 であればうまく定義でき、これら全ての点 (x, y) で二変数関数として連続となる。しかし、xy は底が x= 0 のとき、指数が負の実数であればうまく定義できず、どのように 00 を定義しても点 (0, 0) で二変数関数として連続にはならない。言い換えれば、00 を xy が連続となるように定めることはできないのである。
1と定義される場合

非負整数の指数のみを扱っている場合には、0の0乗は 1 と定義されることが多い。その理由としては、以下のようなものが挙げられる。

実数 x を数直線上の線型変換とみなす場合、非負整数 n に対する実数 x の n 乗は x に対応する線型変換を n 回繰り返し作用させる線型変換に対応するから、0 の 0 乗には、自明な線型変換を 0 回作用させる線型変換である恒等変換(実数 1 に対応する)が対応すると考えたい。

上述のように、x ≠ 0 のとき x0 = 1 であるから、関数 x0 の連続性を担保する為に、x = 0 のときにも同じ式の成立を要請する(
空積も参照)。

00 = 1 と定義しておくと、種々の公式や証明で記述が煩雑になったり余計な場合分けをすることを防ぐことができる。

例えば、計算機科学者のドナルド・クヌースは、00 は 1 でなければならないと強く主張している[1]。彼によると「0x という関数は数学的意義に乏しいのに対し、x0 は様々な公式に頻繁に現れるため、こちらを基準に取る方が形式的に便利な局面が多い」という[2]。例えば、二項定理の公式 ( 1 + x ) n = ∑ k = 0 n ( n k ) x k {\displaystyle (1+x)^{n}=\sum _{k=0}^{n}{\binom {n}{k}}x^{k}}

は、(第 0 項について和の記法に例外を設けない限り)00 = 1 としたときのみ x = 0 に対して適用可能になる。同様の例として、指数関数の定義式 e x = ∑ n = 0 ∞ x n n ! {\displaystyle e^{x}=\sum _{n=0}^{\infty }{\frac {x^{n}}{n!}}}

が x = 0 でも妥当であるためには 00 = 1 である必要がある。00 を定義しない文脈においては e x = 1 + ∑ n = 1 ∞ x n n ! {\displaystyle e^{x}=1+\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {x^{n}}{n!}}}

と定義しなければならない。一般に多項式 Σn
k = 0  ak xk や冪級数 Σ∞
k = 0  ak xk に x = 0 を代入する場合にも、0の0乗は 1 とされる。

また他にも、微分の公式 (d/dx)xn = nxn−1 を n = 1 に対しても適用するには、00 = 1 としなければならない。
モノイド論における扱い

半群 S の元 a の冪、すなわち n を正の整数としたときの an は n 個の a の積として定義される[注 3]。さらに S がモノイドのとき(すなわち単位元 1 をもつとき)、a0 = 1 と定義される[3][注 4]。とくに S が零元 0 ももつならば 00 = 1 である[注 5]
集合論における扱い

00 における 0 を2つとも基数、あるいは2つとも順序数と考えた場合、00 = 1 は基数あるいは順序数の冪の定義から示すことのできる定理である。

以下基数の場合について解説する。一般に基数 κ, λ に対して、冪乗 λκ は、濃度 が κ, λ の任意の集合をそれぞれ X, Y としたとき、X から Y への写像の個数(濃度)で定義される: λ κ := # Y X . {\displaystyle \lambda ^{\kappa }:=\#Y^{X}.}

ここで、YX は X から Y への写像全体の集合であり、# は集合の濃度を表す。(この定義は X と Y の取り方に依らないことに注意。)しかるに、00 は X = Y = ∅ の場合に相当するから、 0 0 = # ∅ ∅ {\displaystyle 0^{0}=\#\emptyset ^{\emptyset }} である。ここで、∅ から ∅ への写像は唯一つ存在するから(空写像)、 # ∅ ∅ = 1 {\displaystyle \#\emptyset ^{\emptyset }=1} である。したがって 00 = 1 である[4][5]
定義されない場合

x ≠ 0 のとき x0 = 1 であるという理由で、0の0乗 "00" を 1 と定めることが自然(連続な拡張)だと考えるのであれば、y が正の実数のとき 0y = 0 であるという理由で、0の0乗 "00" を 0 と定めることも自然(連続な拡張)だと考えて良いだろう。このように連続性を指針とする場合には、こちらを立てればあちらが立たず、という状況であり、全てに都合の良い定め方は存在しない。さらにもし複素関数を考えるのであれば、そもそも解析性を担保する定義は存在せず、値を別途定める他はない。
実解析における扱い関数 z = xy をプロットしたもの。x と y が様々な関係を保って原点に接近するとき(赤や緑の曲線)、z は任意の極限値をとり得る。緑の曲線は、そのうちで z の極限が 1 となるものである。

冪を自然数ではなく実数の範囲で考え、00 を二変数関数 xy の x = y = 0 における値だと考えると、次のようになる。


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