.303ブリティッシュ弾
[Wikipedia|▼Menu]

このページ名「.303ブリティッシュ弾」は暫定的なものです。
議論は
ノートを参照してください。(2010年6月)

.303ブリティッシュ弾(7.7×56mmR)
.303ブリティッシュ実包(Mk.7)Colonial Ammunition Company 製造 1945年製
種類小銃
原開発国イギリス
特徴
薬莢形状リムド、ボトルネック
弾丸径0.311 in (7.9 mm)
首径0.338 in (8.6 mm)
肩径0.401 in (10.2 mm)
底面径0.460 in (11.7 mm)
リム径0.540 in (13.7 mm)
リム厚.064 in (1.6 mm)
薬莢長2.222 in (56.4 mm)
全長3.075 in (78.1 mm)
薬莢容量55.7 gr H2O (3.61 cm3)
ライフリング1-10インチ (250 mm)
雷管のタイプLarge rifle
最大圧49,000
最大CUP45,000 CUP
弾丸性能

弾頭重量/種類初速エネルギー
150 gr (10 g) SP844 m/s (2,770 ft/s)3,463 J (2,554 ft・lbf)
174 gr (11 g) HPBT761 m/s (2,500 ft/s)3,265 J (2,408 ft・lbf)
180 gr (12 g) SP783 m/s (2,570 ft/s)3,574 J (2,636 ft・lbf)

算出時の銃砲身の長さ: 24
出典: Accurate Powder
.303ブリティッシュ実包の寸法

.303ブリティッシュ弾(303ブリティッシュだん)または7.7×56mmRないし7.7x56Rmmは、最初は1888年にリー・メトフォード小銃用の黒色火薬を使用する実包として、次にリー・エンフィールド小銃用の無煙火薬を使用する実包として、イギリスで開発された、.311インチ口径のライフルカービン機関銃用の実包である。

1889年から、7.62×51mm NATO弾と置き換えられた1950年代まで、イギリスとイギリス連邦の標準軍用実包であった。
目次

1 概要

2 Mark 1/2

3 Mark 3/4/5/6

4 Mark 7

5 Mark 8

6 徹甲弾/曳光弾/焼夷弾

7 日本の7.7mm弾薬

8 軍放出弾薬

9 商業用弾薬

10 .303ブリティッシュ弾を使用する兵器

概要

.303インチ(7.7mm)は、より古い黒色火薬時代の用語体系に従った、ライフリングの山の頂点間で測定された口径の公称寸法である。ライフリングの谷の間で測定された公称寸法は.311インチ(7.9mm)である。多くの.303インチ軍放出ライフルでは、口径がしばしば.309インチ(7.8mm)から.318インチ(8.1mm)までに及ぶのが見られる。標準の.303実包のために推奨されている弾丸直径は.312インチ(7.92mm)である。

この実包は軍放出ライフルと共に、特にオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、またある程度はアメリカ合衆国と南アフリカでも、狩猟用途に多用された。カナダでは、それが大型熊を除いてどんな猟獣にも適切であることがわかった。オーストラリアでは、軍から放出されたライフルの銃身を.303/22口径や.303/25口径に改修するのが、一般的だった。

南アフリカでは、ボーア戦争の間にボーア人によって鹵獲されたイギリスのリー・エンフィールド小銃が、狩猟銃化されて、比較的小型のインパラから、大型のオオカモシカとシマカモシカまで、何にでも適切であると見なされて、多くのハンターに人気になった。
Mark 1/2

最初に採用されたMk.1は質量215グレイン(13.9g)の円頭形状で、鉛の弾芯を銅・ニッケル合金の被甲で覆ったフルメタルジャケット弾であった。装薬は圧縮黒色火薬である。Mk.1のジャケットは無煙火薬で用いるには薄過ぎたため、Mk.2ではジャケットの厚みが増やされた。
Mark 3/4/5/6

上記の円頭弾が実戦で使用されると、特に1897-98年のインド北西辺境のチトラルとチラー遠征の間に限られた数が支給されたダムダム弾と比較した時、威力不足であることがわかった。この戦訓はMk.2弾丸のジャケットを削って弾頭部を露出させた、制式名S.A.Ball .303インチ コルダイト Mk.3の導入に繋がった。

同様のホローポイント弾はMk.4とMk.5の最初の生産型でも採用された。これらのソフトノーズのホローポイント弾は人体に対して恐るべき威力を発揮したが、非人道的であるとして批判され、1899年のハーグ陸戦条約によって禁止された。こうした弾頭が拡張する弾丸は用途廃止となり、製造済みの在庫品(4500万発以上)は射撃練習に使用された。それらを置き換えるために、Mk.2と同様の円頭弾だがより薄いジャケットを採用したMk.6が、1904年に導入された。薄いジャケットは弾頭がいくらかでも拡張するかもしれないと期待してのことだったが、そうした事例は起きないと判明した。
Mark 7

1898年にフランスで初めて採用され、各国にも広まった尖頭弾、いわゆる"spitzer"弾は弾丸デザインを変革した。また尖頭形状に加えて、より高い砲口初速を得るために、弾丸自体も従来よりもずっと軽かった。それは弾丸の速度が上がるに従って、対人威力が急激かつ大幅に致命的になることがわかったからであった。

1910年にイギリスは、Mk.6弾をより現代的なデザインに置き換える好機を得た。Mk.7は174グレイン(11.3g)の尖頭のフラットベース弾(後端が円筒形状の弾丸)を採用した。この設計により2,440 ft/s(740 m/s)の砲口初速が得られた。

一般に、Mk.7は、よりMk.6までの.303弾もしくは一般的な尖頭弾のデザインと異なっていた。Mk.7弾は普通のフルメタルジャケット尖頭弾に似ているが、これは外観だけである。設計者は意図的に、Mk.7の弾丸の前方3分の1には鉛の代わりに、アルミニウムかテナイト樹脂(セルロース・プラスチック)、あるいは圧縮された紙を充填した。それは弾丸の先端を軽くすることで、弾丸の重心を後方に移動させる為だった。

弾丸は銃身のライフリングによって加えられた旋転力の為に飛翔中は安定しているが、目標に着弾する際に従来型の弾丸とは非常に異なった挙動を見せた。弾丸が目標に命中して減速するとすぐに、重い鉛の後半部分は、乱暴な横転と弾丸変形を引き起こした(タンブリング現象)。それによって、標準的な尖頭弾よりもずっと酷い銃創を負わせた。それにもかかわらず、この弾丸はハーグ陸戦条約の諸規定に合致し合法だった。後に同様の原理の弾頭が7.35×51mm カルカノ弾や5.45x39mm弾5.56x45mm NATO弾(SS109)に採用されている。

Mk.7(と、後のMk.8)弾には、ニトロセルロース装薬を利用するバージョンがあった。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:18 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef