黒執事
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シエルは、寮監ミカエリス先生として潜入したセバスチャンと、さっそくデリックの情報を集めようとする。おかしな話は聞けるものの、生徒達は常に校長の決定だからとそれ以上のことは知らず、調査は行き詰ってしまう。校長に会える機会があるのは「真夜中のお茶会」という行事を通してP4とその寮弟だけと知ったシエルはP4に取り入るべく行動を起こす。
緑の魔女編(18-22巻)

シエルは女王より何故かドイツでの調査を命令される。それは人狼の目撃報告と目撃した者の不可解な死というものであり、イギリスはまったく関係ない。使用人一同を伴い人狼がいるという森近くの村「狼の谷」にやってきたシエルらだったが、村人達は部外者として敵視する。そこに谷の若き領主で、村人達からは「緑の魔女」とも呼ばれる少女ジークリンデ・サリヴァンが、執事ヴォルフラムを伴って現れ、村人達の反対を押し切ってシエルらを客人として迎え入れる。

ジークリンデの厚意で屋敷にしばらく滞在することとなったシエルは、彼女の警告を無視して夜中に森の探索を行う。そこで出くわした人狼が発する瘴気によって重篤な状態に陥った結果、シエルはセバスチャンにすら心を閉ざし部屋に引き篭もってしまう。
青の教団編(23巻-29巻)
スフィア・ミュージックホールの調査

近頃、ロンドンでは社会階級や性別、年齢の区別なく集まり歌う場所「スフィア・ミュージックホール」が話題となっていた。シエルは女王から調査を命じられる一方で、リジーがスフィア・ミュージックホールに嘘をついてまで通い詰め、やがて家に帰ってこなくなったこと連絡を受ける。セバスチャンを一目で悪魔と見抜く、ミュージックホールの占い師ブラバットの存在や、かつてのP4達が現れて歌と踊りでアイドル「S4」として客達を熱狂させる様子など、シエルを驚かせる。

やがてシエルはミュージックホールの特別イベントの最中に密かに血を抜かれたことが判明し、さらに客の中には血を抜かれすぎて死亡した者も多くいることが判明する。「輸血」という新技術が関わっていること、ミュージックホールの真の目的が血液収集であると知ったシエルらは、その思惑を潰し、黒幕の正体を探ろうとする。
本物のシエル

セバスチャンとシエルは、奇策でスフィア・ミュージックホールを壊滅に追いやるも、主犯と思われるブラバットには逃げられ、リジーの行方は依然としてしれない。そしてロンドン市内の町屋敷に帰ってきた2人が見たものは、謎の襲撃者に襲われ動揺するソーマと、彼を助けようとして死んだアグニだった。さらに、壁には「Who stole the Candy from my tummy?(お腹のキャンディ盗(と)ったのだあれ?)」の文言が刻まれ、それを見たシエルはありえないと動揺する。

急いで本邸に帰ってきたシエルらを待ち構えていたのは、自分こそ本物のシエル・ファントムハイヴと名乗る、シエルと瓜二つの少年だった。使用人たちが混乱する中、事情を知る老執事のタナカは、確かに彼こそが本物のシエルだと認め、先代ヴィンセントの元に生まれた双子の少年たちについて話し、彼らの10歳の誕生日の日に起こった悲劇が明かされる。
逃亡生活(30巻-)

本物のシエルの正体は、葬儀屋によって蘇った自我を持つ「歪んだ肉人形」であった。彼らの策略により、シエルは偽者の烙印を押された上に、スフィア・ミュージックホールの真犯人にされてしまい、警察から追われる身となる。ロンドン市警の護送から逃亡に成功するシエルであったが、兄の策謀は抜かりなく追い詰められていく。ひとまず劉に匿われた後に再起を決意したシエルは、兄がミュージックホール以外に有しているであろう血液供給源を断つべく行動を開始する。こうしてイギリス国内の東西南北4ヶ所の怪しい場所をピックアップしたシエルらは、4班に分けて同時に調査と施設の破壊を行おうとする。
ヒースフィールド男爵邸編

北のノース・ヨークシャーにて常時メイドの募集を掛け、大量雇用しているヒースフィールド男爵家にメイリンと藍猫がメイドとして潜入する。一見すると妻を亡くした好色な男爵が片っ端からメイドに手をつけているだけのようであったが、手を付けられたメイドは辞めたとして屋敷からいなくなる不思議があった。本星と睨むメイリンらであったが、男爵に見初められた藍猫がそのまま行方不明になるといった事態に陥る。
アテナ退役軍人療養所編

南のウィルトシャーにて「奇跡の癒やし手」がいるという退役軍人療養所にバルドとラウが、退役軍人とその主治医として潜入する。退役軍人療養所といえば劣悪な環境が一般的だが、そこは女軍人のような従軍看護婦エイダの指導の下、公衆衛生など最新技術に基づいた素晴らしい施設であった。しかし、やはり血液供給所と判明し、ラウはこれを破壊しようとするが、バルドは反対し、エイダの説得に奔走する。
F.O.L.児童養護院編

多くの子供を迎え入れ、先進的な教育が施されているという東のノーフォークのF.O.L.児童養護院に、フィニとスネイクは孤児として向かう。そこは素質に合わせて4つのクラスに編入して教育を行い、やがて「巣立ちの日」を迎え、里親の元に向かうという場所であった。しかし、血液検査を伴う事前調査で適正がないとして2人は拒絶されそうになる。そこに実は生きていたドールが施設の職員として現れ、彼女の計らいで雑用係として施設に入ることが認められる。好ましい施設に見える中、フィニはこのままでは殺されると恐れる4人の年長者の子供たちに助けを求められる。
登場人物詳細は「黒執事の登場人物」を参照
セバスチャン・ミカエリス
本作の主人公。ファントムハイヴ家の執事。品位・教養・武術・料理・容姿など、すべてにおいて完璧であり、我儘な当主シエルの命令もそつなくこなす。その正体は、かつて誘拐され慰み者として死に瀕していたシエルと契約した悪魔であり、彼の復讐が完遂したら魂を貰う契約をしている。
シエル・ファントムハイヴ
ファントムハイヴ伯爵家現当主の少年。外見は年相応の小柄で童顔の少年ながら頭脳明晰であり、広大な領地を管理し、玩具・製菓の一流メーカー「ファントム社」の経営者でもある。一方で性格は極めて我儘で傲慢であり、敵には容赦がない。代々政府の汚れ仕事を引受け、英国裏社会の秩序を守る悪の貴族・ファントムハイヴ家の当主として作中事件の解決にあたりつつ、かつて両親を殺し、自分を慰み者にした者たちへの復讐を誓う。
用語アニメの設定については「黒執事 (アニメ)#用語」を参照
契約書
セバスチャンの左手の甲とシエルの右目に刻まれた逆ペンタクルで契約を交わした証。本来は悪魔が獲物を見失わないようにするための印で、目立つ場所にあるほど強力な執行力を持つ代わりに「悪魔から逃れ(離れ)られなくなる」という。
悪魔
人外の者。餌は人間の魂である。見境なく魂を食い散らかし、死神の仕事を増やす。人間を媒体にしてある儀式を行うことで、呼び出すこともできる。セバスチャン曰く、己の願いのために魂を差し出す覚悟がなければ悪魔が現れたりはしないが、まれに気紛れで現れる悪魔もいたらしい。驚異の肉体能力を誇り、人間以上の離れ業を次々とやってのけることができるものの、死者を蘇らせたり、人間を怪物にしたりはできない。
死神
神と人の中立の存在。「死神派遣協会」上層部から配布される「魂の回収リスト」に基づいて死亡予定者を審査し、魂を刈り取る。審査には対象のそれまでの人生を読み取る能力「走馬灯劇場(シネマティックレコード)」を用い、死神の各自が「死神の鎌」を所持している。悪魔と同様に人間離れした肉体能力を持つが、人間と同様に睡眠を取る必要があり、悪魔のように不眠不休で活動することはできない。近視(人間に見えないものが見える代わりに、視力が弱い)で眼鏡をかけており、瞳が黄緑色の燐光を放つ。元々は自殺した人間。
死神の鎌(デスサイズ)
死神の持つ武器。同じ死神の鎌以外ならどんなものでも切り裂くことが可能な強力な武器であり[注 1]、現時点において悪魔を殺すことができる唯一の武器でもある。名称は鎌であるが、形状は鎌をはじめチェーンソーや芝刈り機など様々で、死神派遣協会から使用を許可されたものを使える。
死神派遣協会
全世界へ死神を派遣する組織。管理課、回収課等の部署に分かれている。人間社会における公務員的な存在らしい。
ファントム社
シエルが経営する玩具・製菓メーカー。シエルによる独創的なアイデアから生まれた画期的な商品と強気の事業展開によって、わずか約3年で英国一と言われるほどにまで急成長した。なお、シエルの姓である「ファントムハイヴ」の綴りは「Phantomhive」だが、ファントム社の綴りは「FUNTOM」である。
崑崙(コンロン)
中国の貿易会社。全世界の各地に支店を持つ大企業。


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