黒ずくめの組織
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表向きは半世紀前に99歳で死去したとされている[注 15]烏丸家の当主で「烏丸グループ」の会長。姓の「烏丸」はアルファベットで「CARASUMA」とも表記される。メールアドレスは「♯969♯6261」で[注 16]、若干音のズレはあるが、携帯電話[注 17]プッシュ音が童謡「七つの子」のメロディになっている[15]。灰原はその正体について、「ただでさえ信じ難い人物が浮かび上がって来るかもしれない」との発言をしている[15]。71歳のピスコは「長年仕えた」と語っている[8]。ラム、ジン、ピスコ、ウォッカ、キャンティ、アイリッシュなどは、「あの方」と呼び、ベルモットは、「ボス」と呼んでいる。赤井秀一を自分たちに対する"Silver Bullet"(シルバー・ブレット:モンスターホラー小説で狼男を倒すことができる唯一の武器)になり得る存在として恐れを抱いている。
容姿
現在、シルエットでしか登場していない。首筋まで伸びた髪と高い鼻、やや肥満気味な体型をしている。素性や素顔は不明。右手にはを持ち、左肩には自身の紋章にもなっているカラスらしき鳥を乗せている。
人物像
財産は母親から受け継いだものとのことで[14]、作中では烏丸家は衰退したと言われている[14]が、作者は「烏丸蓮耶の財力は鈴木財閥大岡家を上回っている。ダントツ」と回答している[16]工藤優作いわく「この日本で最も強大な人物」[17]。67年前の烏丸蓮耶の誕生日パーティーでアメリカの資産家のアマンダ・ヒューズなどの表世界の上客達を招いており、67年前以前から日本の政官財と裏社会や世界各国の政財界に強い影響力があった。47年前には国際経済フォーラムで烏丸グループの会長として出席するつもりだったはずが体調不良で欠席し、代わりに側近のラムを登壇させている。町医者時代の宮野厚司に研究のバックアップを申し出た施設のスポンサーも「烏丸グループ」であったが、宮野エレーナの姉であるメアリー・世良は「少し胡散臭い」と評しており、厚司も「悪い噂も聞くよ?」と発言している[18]。表舞台に出ることは無いが、各種任務(ミッション)の際には側近のラムと共に陰から指示や命令を出しており、部下の状況をリアルタイムで正確に把握しているピスコマスコミに犯行の瞬間を撮影されて明日の新聞に掲載される失態をしてしまった際は、組織の情報の漏洩(ろうえい)を恐れて彼の暗殺をジンに命じた[8]。また、組織に帰ってきたキールを疑い、複数の盗聴器と発信器、見張りも常に複数付け、赤井を殺害して身の潔白を証明するように命じ[19]バーボンが赤井に変装して彼が本当に死んだのかを調査する事を許すと疑り深くて念には念を入れる性分らしい。ベルモットからは「慎重居士、石橋を叩きすぎて壊しちゃうタイプだから」と評されている[20]。ベルモットがお気に入りで「お前を自由にさせ過ぎたようだ。私の元へ帰って来ておくれ」と要請するが、その後も彼女の行動を制限している様子が見受けられない。バーボンこと降谷零(安室透)は、ベルモットの秘密を握っている数少ない人物の1人で、「組織のメンバーが知ったら驚くでしょうね…まさかあなたがボスの…」と発言している[21] 。劇場版第26作『黒鉄の魚影』では、側近のラムですら居場所を掴めていないことが発覚。更にベルモットから、老若認証システムは開けてはならない玉手箱との報告を受けて「をつぶせ」[22]と指示した事で「現在の烏丸蓮耶は容姿が変わり本来とは別の姿をしている」、または「既に烏丸蓮耶本人は死去していて別の人間が成り代わっている」といった可能性が高まった。本作では老若認証システムの情報を知り、組織の活動痕跡をシステムから消し去る計画をジン達に実行させる。もしもの時は最終計画としてシステムを破壊する事も予定に入れていた。ラムは前述の計画を主導する一方で老若認証システムを使って最近姿を見せない烏丸の所在を突き止めようと考えていたが、ベルモットの暗躍によって、精度が低いと誤認して破壊を決めた。このストーリーでは、烏丸の居場所を特定しようと策謀を巡らせるラム、そのラムやジン達を烏丸と共に謀ろうとするベルモットの姿が描かれ、ラムとの複雑な力関係や、ある意味でラム以上に組織内で特別な立場となっているベルモットとの関係が窺える。ただ、ラムは烏丸の所在を単に知っておきたかっただけか、あるいは別人が烏丸と成り代わっている疑いを抱いていたのか、はたまたは別に裏があるのか、その意図は不明となっている。
作中の動向
山中の奥野ダムから2km以上離れた長野県松本市の稲香村に、母親から受け継いだ洋館「黄昏の館」(別荘)を所有していた。この館は扉、床、手すり、食器チェスの駒からトランプにいたるまで彼の特注品で、すべてに上述のカラスをあしらった家紋のような紋章が刻まれていた。40年前、余命幾ばくもない烏丸は「黄昏の館」に隠された財宝を一目見るために、大勢の考古学者を雇って調査させる。だが、考古学者達はなかなかその手掛かりを見つけられず、死期が迫って業を煮やした烏丸は見せしめとして考古学者を1人ずつ殺害。その後、結局財宝を発見するに至らず、それから20年のうちに烏丸は死去したとされる。館も衰退した烏丸家の手を離れ、至る所に飛び散った血飛沫を残し、組織の情報操作による物か、この惨劇は人知れず闇に葬られた。財宝の正体については、当初はコナンが考古学者の千間恭介が残した暗号をもとに発見した純金の壁掛け時計を指しているものと思われたが、実際にはその時計を取り外すことで館の外壁が剥がれる仕掛けになっており、館自体が1000億以上の純金でできていることが明らかとなった。17年前の羽田浩司の殺害現場に残されていた手鏡の「PUT ON MASCARA」という文字を見て、当初コナンと秀一は「ラム」の正体に繋がる手掛かりとされる「ASACA RUM」が隠されていると推理していた[23]。しかし、後に優作と秀一が「ASACA」と「RUM」の2つの単語に分けるのではなく、「CARASUMA」の8文字で1つの名称になると推理し、烏丸が組織のボスの名であることが明らかとなった[17]。2017年12月13日に『サンデーうぇぶり』アプリ版で公開された動画内で、作者・青山剛昌によってボスの正体が初めて公式に明言された[24]
幹部

「あの方」によってカクテルの名前に由来するコードネーム[注 18][注 19]が付けられており、通常はそれで呼び合う。基本的にコードネームを持っている幹部メンバーの地位は、ウォッカがジンやベルモットに敬語を使うなど実力や年功序列などによる多少の上下関係はあってもほぼ同格とされ、ジンが部隊における幹部同士のリーダー的立ち位置にいるのはたまたまである[25]。ただし、組織での地位がNo.2とされるラムは別格であり、ジンやベルモットなどのメンバーに指示・命令を下す地位にある。

個別記事および名探偵コナンの登場人物の項に詳細のあるキャラクターの詳細については各リンク先を参照。
ラム (Rum) / 脇田 兼則(わきた かねのり)
声 - 千葉繁[注 20]「あの方」・烏丸蓮耶の側近。組織のナンバー2であり、コードネームを持つ幹部の中でも別格の存在[27]である最高幹部[28]。コードネームはあの方に長年仕えた自身の父親から受け継いだもの。67年前に烏丸蓮耶の誕生日パーティーでアマンダ・ヒューズはまだ子供だったラムと対面しているが、その頃には父親のコードネームと同じ「ラム」のあだ名で呼ばれていた。ラムの正体に関してはボスの正体に並ぶ組織の最高機密(トップシークレット)の1つとされており、直接ラムに会えるのは限られた人物のみである[29]。赤井秀一がライ(諸星大)として組織に潜入していた頃も、何度かラムのコードネームを耳にしたことがある程度であった。灰原哀=宮野志保もシェリーとして在籍していた頃はラムと会ったことがなく、他のコードネームを持つ幹部でさえ大半の者がラムと直接会ったことが無い[30]が、ジンはラムとの直接的な面識がある[31]。組織内での影響力は強大であるらしく、赤井もその存在を「ジン以上の大物」と警戒している[21]。「あの方」にとっても無くてはならない存在の一人となっている模様で、本編の17年前に羽田浩司殺害事件において重大な失態を犯しながら粛清されなかったことについて作者は「No.2だから」と答えている[32]


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