黒い雨_(映画)
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養殖業者・金丸 - 河原さぶ

重松たちの依頼を受けて鯉の稚魚を売りに来る。車で帰ろうとした所、発作を起こした悠一に前方を塞がれたため立腹する。


青乃(あおの) - 石丸謙二郎

実家が鉄工所を経営しており、朝鮮特需で景気が良くなる。矢須子とは、おばの美容室で何度か会ったことがあり、青乃が好意を持ち交際を申し込む。


藤田医師 - 大滝秀治

黒い雨を受けた矢須子と被爆した重松の健康診断をし、ヤケドに良いとされるアロエを渡して食用するよう勧める。その後シゲ子を診察するため閑間家に訪れる。


白旗の婆さん - 白川和子

祈祷師。なかなか縁談が決まらない矢須子のことを相談するためにシゲ子が呼んだ。義姉の清子が憑依したとして助言した。


高丸 - 飯沼慧

矢須子の実父。清子の墓参りのため実家に訪れた矢須子に、閑間家から帰ってくるよう告げる。


能島 - 深水三章

老僧 - 殿山泰司

上司の指示で重松が葬儀でお経を唱えることになり、安芸門徒の葬儀のやり方を聞きに来た彼に簡単に説明する。広島が原爆により甚大な被害を受けたことを嘆く。


ヤケドの四十男/老遍路 - 常田富士男

比治山で被爆し竹林まで逃げ込んで休んでいた所、重松たちと出会う。被爆により顔の右側にやけどを負っている。重松たちに自宅で妻と息子が亡くなった時の状況を聞かせる。


郵便局長 - 三谷昇

以前重松から矢須子の働き口のことで相談されていたが、矢須子の縁談がまとまりそうなため彼から仕事の話を丁寧に断られる。


制作・エピソード
スタッフ

監督:
今村昌平

脚本:今村昌平、石堂淑朗

原作:井伏鱒二

音楽:武満徹

撮影:川又昂

美術:稲垣尚夫

照明:岩木保夫

録音:紅谷愃一

編集:岡安肇

助監督:月野木隆三池崇史

音響効果:斉藤昌利

特殊メーク:春山勲

技斗:高倉英二、中瀬博文

火薬効果:大平特殊効果

操演:ローカスト

ハイビジョン技術協力:NHKテクニカルサービスNHK美術センター

録音スタジオ:アバコクリエイティブスタジオ

MA:にっかつスタジオセンター

現像:東映化学

ロケ協力:岡山県吉永町牛窓町八塔寺ふるさと村福山自動車時計博物館 ほか

製作協力:東北新社IMAGICA

プロデュース:飯野久

製作:今村プロ、林原グループ

キャッチコピー

死ぬために、生きているのではありません。

体の中で、戦争は続いています。

撮影技法

あえてモノクロフィルムで撮影を行い、重松の被爆シーン、炸裂する原子爆弾、立ち上るキノコ雲、爆心地に転がる黒焦げの焼死体などを特撮を駆使し、再現している。原爆投下後の広島の惨状は、同じく広島原爆をテーマに制作されたアニメ映画『はだしのゲン』での描写を参考にしている。
未公開シーン

劇場公開版やビデオ版では、トラックで矢須子が病院に運ばれる様子を重松が眺める場面でエンドロールとなるが、DVDのデジタルニューマスター版では、矢須子が生き延びて原爆投下から20年後に四国の霊場をヤケドの四十男と共に巡礼として歩く、原作には無いエピソードが19分のカラー映像として描かれている。これは今村監督が当初付け加える予定で撮影したが、迷いに迷った末に完成した作品から削除したものである。その未公開カラー部分は、神が人間を見守るような視線で主人公と戦後の日本人を描いている[要出典]。
逸話

庄吉役の小沢昭一は、この映画の撮影時に転落事故を起こして左手手首を骨折した。そのため、映画では原作には無い設定(庄吉は原爆投下の際、腕に大怪我を負ってしまい、それを隠すために包帯を巻いている)が加えられた。小沢は最初から最後まで、左手にギプスをはめた状態で演技をしている。
伝説

当初の予定を変更して原作通りの追加撮影をすることになったため、製作費が逼迫してしまった影響からメインスタッフの技師らはノーギャラを宣告されてしまう。スタッフらは「餅代くらいは出すから」と言うプロデューサーの言葉をシャレや冗談だと思っていたが、後日、プロデューサーは本当に市販されている真空パックの切り餅を1個ずつ配った。
受賞歴

第13回日本アカデミー賞1990年

最優秀作品賞

最優秀監督賞(今村昌平)

最優秀脚本賞(石堂淑朗・今村昌平)

最優秀主演女優賞(田中好子)

最優秀助演女優賞(市原悦子)

最優秀音楽賞(武満徹

最優秀撮影賞(川又昂)

最優秀照明賞(岩木保夫)

最優秀編集賞(岡安肇)

優秀美術賞(稲垣尚夫)

優秀録音賞(紅谷愃一


第42回カンヌ国際映画祭(1989年)

コンペティション部門上映

フランス映画高等技術委員会賞[1]


報知映画賞(第14回・1989年)

主演女優賞(田中好子)


毎日映画コンクール(第44回・1989年)

日本映画大賞

女優主演賞(田中好子)

美術賞(稲垣尚夫)


日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞(第2回・1989年)

作品賞

監督賞(今村昌平)


高崎映画祭(第4回)

最優秀作品賞

最優秀監督賞(今村昌平)

主演女優賞(田中好子)


脚注[脚注の使い方]
注釈^ 同じく1989年に公開された同名映画『ブラック・レイン』は、大阪を舞台にしたアメリカ合衆国の映画松田優作の遺作)である。
^ 映画では蒸気機関車がけん引する客車に乗り込むが、原作小説では「電車」と記述されている。実際、可部線は、1936年(昭和11年)に国有化される前から電化されていた。ここでは、映画での描写に合わせている。
^ 具体的には黒い雨に打たれたことと、原爆投下直後の広島市内を歩いたこと。
^ 鯉が一度だけ跳ねるのは重松も見ているが、矢須子にだけ鯉が数回跳ね続ける幻覚が見えている。
^ 戦時中、爆弾を仕掛けるために車体の下に潜り込んだが頭上を通る戦車の轟音がトラウマとなり、似たようなエンジン音を聞くと当時のことが蘇り、無意識に体が動いてしまう。

出典^ “1989年 第42回 カンヌ国際映画祭”. allcinema. スティングレイ. 2022年3月1日閲覧。

外部リンク

黒い雨
- allcinema

黒い雨 - KINENOTE

Black Rain - オールムービー(英語)

Kuroi ame - IMDb(英語)










今村昌平監督作品
1950年代

盗まれた欲情

西銀座駅前

果しなき欲望

にあんちゃん

1960年代

豚と軍艦

にっぽん昆虫記

赤い殺意

エロ事師たちより 人類学入門


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