黄金バット
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武器はシルバーバトン。絵物語では日本のどこかにあるD山の髑髏岩の下で眠っていた正義の神、1966年の映画版やその後のアニメやマンガ版では古代アトランティスの遺跡で眠っていた謎の超人で黄金の蝙蝠とともに現れるという設定[注釈 2]

アニメ後期には暗闇バットという濃い青色のライバルキャラクターも登場した。

上述の通り多種多様な派生作品が作られたため、作品によっては悪役だったり正体が女性だったりというものも存在する(例:手塚治虫 『怪盗黄金バット』)
ナゾー

宿敵ナゾーは四つ眼のミミズクの覆面に左手が機械の鉤爪、下半身は円盤の中という奇怪なデザイン。初期には巨大ロボットであるブルタンクや怪タンクに搭乗し(紙芝居版や絵物語版)、後の作品ではどこにでも現れるドリル状の要塞ナゾータワーを根城とする(1966年の映画版やアニメ版)。絵物語では黄金バットに負け、蛇王(じゃおう)という他のヒーローとの戦いによって両足を失った後の黒バットが正体であり、元ナチスの科学者ドブロクスキー博士や妖婆モモンガのお熊(モモンガとは同名の動物ではなく、古代の邪神の名前。黒バット一味はこれを信奉する一族らしいが、お熊以外に信仰心がある描写は無い)、女賊ハルピンお光らを従え宇宙的な悪事を働く(目は2つ)。アニメでは彼自身が元ナチスの科学者エーリッヒ・ナゾー、マンガ版では黄金バットと同世代の超古代人で、生身の手の指が3本であるなど、明らかに人間ではない。1966年の映画版では「宇宙の支配者」を名乗る。アニメ版ではことあるごとに「ロ?ンブロゾ?」と叫ぶ。またアニメでは4つの目の色が全て異なり、さらに最終回では逃亡してしまい、黄金バットとの最後の対決はなかった。ナゾーの逃走直後に怪獣が現れ、しかもヤマトネタケルが、彼は怪獣だったのだろうか、と言うなど、ナゾーの正体が微妙に暗示されていた。映画版やその後のアニメやマンガ版には上述の部下たちは登場せず、代わりにドブスキー(1950年の映画)、ケロイド、ピラニア、ジャッカル(1966年の映画)、マゾ(アニメ及びマンガ版)らを従えている。戦前の紙芝居版での描写ははっきりしていないが永松の回想によるとマゾー、ウイスキー元帥、怪モダン、ハルピンお光などを配下にしていたようである[6]。アニメ版放送時の雑誌の紹介によると年齢72歳、身長2m9cm、体重82kg。目からは各種光線を出す。かつての戦争で自分の部下に裏切られダイナマイトで自殺しようとしたが自分の開発した超能力により死ねず生き延びたのだと言う[7]
登場メカ
怪タンク
戦前の紙芝居版から登場する、ナゾー一味が登場する人型の巨大ロボット。頭頂部のプロペラで飛行する。アニメ版にもゲーゲオルグという名称のよく似た外見のロボットが登場する。
ナゾータワー
1966年の実写映画版以降の作品に登場する、ナゾーの本拠地。ドリル状の移動要塞で海底や宇宙空間などどこにでも現れる。実写映画とアニメ版とではデザインが異なる。マンガ版(少年キング版)では映画版寄りの造形。
スーパーカー
1966年の実写映画版が初出。ヤマトネ博士らが搭乗する円盤型の飛行装置。実写映画版ではスーパーカー2号として登場(1号は不明)。
紙芝居版

上述の通り様々な派生作品があった。

元祖と言うべき作品は1930年から1933年頃にかけて永松健夫が『黒バット』の続編として描いたものだが後に永松が転職したため、加太こうじが代わりに描くようになった。現在上演されるものの大部分は加太版である。

永松版は多くが現存しないが「バック・ロジャーズ(英語版)」に代表される当時のアメリカのパルプ雑誌に掲載されていたような空想科学もので、前作から十数年後を舞台に身を改めナゾーを名乗るかつての黒バットとその一味とそれに立ち向かう前作主人公の正夫探偵やその息子マサルや黄金バットとの戦いを描き、舞台を中国やアメリカ、海底や地下に移しながら展開してゆく壮大なものであったようである。

1995年に大空社から永松版の現存するものの一部を収録した復刻版が『元祖黄金バット』として発売された[8]
黒バット

黄金バットの前作。神出鬼没の怪盗黒バットとそれに立ち向かう少年探偵の正夫との戦いを描く。大正時代にヒットしていた『ジゴマ』ものを参考に制作したという。当時紙芝居と言えば紙人形を使った「立ち絵」と呼ばれるもので題材も時代劇が主流だったので凝った背景の平絵式の紙芝居で現代が舞台の怪奇ものはもの珍しくヒットした。

現存するものは発見されていない。
絵物語

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永松健夫版

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太平洋戦争後の1947年(昭和22年)から明々社(のちの少年画報社)より刊行された、永松健夫による絵物語作品の単行本シリーズ。1948年(昭和23年)には明々社から雑誌『冒険活劇文庫』(少年画報)が創刊され、永松による絵物語が掲載された。

『黄金バット なぞの巻』(1947年、明々社)

『黄金バット 地底の國』(1948年、明々社)

『黄金バット アラブの王冠編』(1948年、明々社『冒険活劇文庫』連載)

『黄金バット 天空の魔城』(1948年、明々社)

『黄金バット 彗星ロケット』(1949年、明々社)

『黄金バット 科学魔篇』(1950年、明々社『冒険活劇文庫』連載)

『超人黄金バット 発端編』(1950年、『少年痛快文庫』掲載)

『黄金バット』(1955年、『太陽少年』連載)

他多数

内容は概ね紙芝居版を元にしているが紙芝居版の『黒バット』では黒バットが黄金バットに倒された後、話を仕切り直して黄金バットとナゾー(復活した黒バット)との戦いを描いた『黄金バット』が開始されるが永松健夫による絵物語版では黒バットを倒すのは蛇王という人物で、黒バットがナゾーと身を改めた後に黄金バットが登場するなど、『黒バット』から『黄金バット』序盤までのストーリーの構成が一続きにされ、この他にも変更点も多い。

なお読み切り作品を中心に単行本未収録の回が複数ある他、未完の作品も多い。
登場人物

黄金バット

黒バット・ナゾー

大木探偵長:紙芝居版の正夫探偵にあたる人物。

大木まさる:大木探偵長の息子。

蛇王:N県H山でライオンの朝日号と共に暮らしていた男。

倉田かず子:倉田青年の妹。

ドブロクスキー博士:ナゾーの部下。

モモンガのお熊:ナゾーの部下。

ハルピンお光:ナゾーの部下。

加太こうじ版

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『繪物語 黄金バット』全2巻、1952年、網島書店。

『繪物語 黄金バット 蛇王の巻』

『繪物語 黄金バット 巨獣の巻』

実写映画
黄金バット 摩天楼の怪人(1950年)

黄金バット 摩天楼の怪人
監督
志村敏夫
脚本西鐵平、越路眞生
原案永松健夫
出演者川路龍子
美空ひばり
杉寛
音楽菊池俊輔
撮影山崎一雄
製作会社新映画社
配給東京映画配給


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