リヒャルト・ワーグナーによる『ニーベルングの指輪』では、黄金の林檎を示すライトモティーフが作曲されている。
最初はファーフナー役によって歌われ、兄弟のファゾルトに向けてフライアを神々から奪わなければならない理由が語られる。
説話イワン王子は黄金の林檎を盗もうとしたジャール・プチーツァを捕まえる。『イワン王子と火の鳥と灰色狼』より。
ヨーロッパの説話では、王のもとから黄金の林檎を盗み出すのは、通常、鳥であることが多い。以下に例を挙げる。
イワン王子と火の鳥と灰色狼(ロシア)
黄金の鳥(ドイツ)
黄金の人魚 The Golden Mermaid
ウィリアム・バトラー・イェイツの詩『さまようイーンガスの歌』に、次のようなくだりがある。I will find out where she has goneAnd kiss her lips and take her hands;And walk among the dappled grass,And pluck till time and times are doneThe silver apples of the moon,The golden apples of the sun.彼女のゆくえを探しあてその唇にキスをして手を取りまだらな草地を歩きまわり時が過ぎるまで摘もう月の銀色の林檎を太陽の黄金の林檎を
ディスコルディア詳細は「ディスコーディアニズム」を参照ディスコーディアニズムの林檎
ポストモダニズムの宗教であるディスコーディアニズム(Discordianism
)は、ギリシア神話の女神エリス(ローマ神話のディスコルディア(Discordia)に相当する)の黄金の林檎、別名「不和の林檎」を利用している。女神エリスは、オリュンポスの女神の間に不和を引き起こし、ひいてはトロイア戦争を引き起こしたが、これはエリスを祝宴に招かなかったこと(「争いの始まり」とも呼ばれる)の結果であった。ディスコーディアニズムが用いる林檎に刻まれた言葉「Kallisti」は「最も美しい女性に」を意味する。黄金の林檎は、対象者に認知的不協和を引き起こすための悪ふざけのメタファーであるとも言える。多くの言語で、「黄金の林檎」とはオレンジのことである。
例えば、ギリシア語の χρυσομηλι? とラテン語の pomum aurantium は、どちらも字義は「黄金の林檎」でありながら、オレンジを意味する。ドイツ語、フィンランド語、ヘブライ語、ロシア語といった他の言語では、さらに複雑な語源を持つ語が、同じような着想でオレンジを表す[8]。
多くの物語中でオレンジが「不思議な食べ物」とみなされる理由の1つには、他の果実と違って、オレンジが花と実を同時につけることがあげられる。
オレンジの原産地はインド北西部のアッサム地方で、4200年前に中国に伝わり、2世紀頃にローマに伝わり、7世紀頃にイスラムを通じてヨーロッパに持ち込まれた。 「黄金の林檎」の語はしばしば、中東に起源を持つ果実マルメロ[9] を指して使われることがある。 トマトは古代ギリシア世界ではその存在を知られておらず、イタリア語でトマトを意味する "pomodoro" の語は、「黄金の林檎 pomo d'oro」から派生している。
類似点
脚注[脚注の使い方]
注釈^ リンゴではなくマルメロだとされる場合もある。