帰宅したスィアチは、イズンがいなくなったことに気付き、鷲に姿を変えてロキを追い、大風を吹かせる。アース神族は木の実を掴んで飛ぶ鷹と、それを追う鷲に気付き、アースガルズの地下から木の削り屑を大量に持ち出す。鷹は砦の上に着くと壁沿いに落下する。鷲は鷹を見失っても止まることができず、羽根に火がついて墜落する。アース神族は近づいて霜の巨人スィアチをアースガルズの砦内で殺害し、「この殺害は広く知れ渡った」[7]。 リヒャルト・ワーグナーによる『ニーベルングの指輪』では、黄金の林檎を示すライトモティーフが作曲されている。 最初はファーフナー役によって歌われ、兄弟のファゾルトに向けてフライアを神々から奪わなければならない理由が語られる。 ヨーロッパの説話では、王のもとから黄金の林檎を盗み出すのは、通常、鳥であることが多い。以下に例を挙げる。 ウィリアム・バトラー・イェイツの詩『さまようイーンガスの歌』に、次のようなくだりがある。I will find out where she has goneAnd kiss her lips and take her hands;And walk among the dappled grass,And pluck till time and times are doneThe silver apples of the moon,The golden apples of the sun.彼女のゆくえを探しあてその唇にキスをして手を取りまだらな草地を歩きまわり時が過ぎるまで摘もう月の銀色の林檎を太陽の黄金の林檎を ポストモダニズムの宗教であるディスコーディアニズム(Discordianism 多くの言語で、「黄金の林檎」とはオレンジのことである。 例えば、ギリシア語の χρυσομηλι? とラテン語の pomum aurantium は、どちらも字義は「黄金の林檎」でありながら、オレンジを意味する。ドイツ語、フィンランド語、ヘブライ語、ロシア語といった他の言語では、さらに複雑な語源を持つ語が、同じような着想でオレンジを表す[8]。 多くの物語中でオレンジが「不思議な食べ物」とみなされる理由の1つには、他の果実と違って、オレンジが花と実を同時につけることがあげられる。 オレンジの原産地はインド北西部のアッサム地方で、4200年前に中国に伝わり、2世紀頃にローマに伝わり、7世紀頃にイスラムを通じてヨーロッパに持ち込まれた。 「黄金の林檎」の語はしばしば、中東に起源を持つ果実マルメロ[9] を指して使われることがある。
ニーベルングの指輪
説話イワン王子は黄金の林檎を盗もうとしたジャール・プチーツァを捕まえる。『イワン王子と火の鳥と灰色狼』より。
イワン王子と火の鳥と灰色狼(ロシア)
黄金の鳥(ドイツ)
黄金の人魚 The Golden Mermaid
9羽のクジャクと黄金の林檎 The Nine Peahens and the Golden Apples(セルビア、ブルガリア)
勇敢なPrasleaと黄金の林檎 Praslea the Brave and the Golden Apples(ルーマニア、鳥ではなくズメウが盗む)
現代文学
ディスコルディア詳細は「ディスコーディアニズム」を参照ディスコーディアニズムの林檎
さまざまな言語における黄金の林檎
類似点