麻雀
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2019年にはオンライン対戦麻雀『雀魂』が日本で[27]サービス開始した。

こうしたオンライン麻雀の普及に伴い、次第に学生競技麻雀やオープントーナメントの予選や大会そのものがオンライン麻雀を会場として行われることが増えていき、競技団体所属のプロ雀士もゲームとの提携やイベント、あるいは一プレイヤーとして参戦することが増えていった。
科学的な麻雀戦略の普及

1990年天野晴夫が『リーチ麻雀論改革派』(南雲社)において麻雀戦術論からの抽象の排除を提唱した。その中で小島、田村光昭など当時の有名麻雀プロや在野の桜井章一らの麻雀論を「ツキ」「勘」「流れ」といった抽象論に支配されている非科学的なものであると批判した。天野は抽象的な要因を考慮することは的確な情報判断を鈍らせる原因にこそなれ、麻雀の上達には繋がらないと主張した。これがいわゆる「デジタル雀士」のさきがけである。

2004年、とつげき東北の『科学する麻雀』が講談社現代新書から出版された。とつげきは前の局の結果が次の局に影響を及ぼすとするいわゆる「流れ論」を徹底的に否定しており、本著でも確率論を基礎とした統計学的な麻雀戦略を提唱している。「このような時にはこう打つ」と明確にかつ論理的に場面に応じた打ち方を指導している点が特徴である。これらデジタル麻雀に対して「ツキ」「勘」「流れ」を重視する雀士も多く、そのような戦術論はアナログオカルト派と呼ばれている。
「見る雀」ブーム

2018年Mリーグの開始を機に対局の動画配信を楽しむスタイル、通称「見る雀」がブームになる[28]2019年には前年に中華人民共和国でサービスを開始していたオンライン対戦麻雀『雀魂』の日本語版がサービス開始。バーチャルYouTuberやプロ雀士などのYouTube配信によって人気を博している[29]

2020年代に入ると、Mリーグの成功などにより、日本放送協会(NHK)や一部の民放テレビ局で麻雀に関する番組や特集が取り上げられたり、ゲームとしての素晴らしさの観点から、教育目的で部活動に麻雀を導入する高等学校も出始めてきている[30]
国際的な普及2002 世界麻雀選手権大会表彰式

2002年10月23日から27日にかけて、東京で「2002 世界麻雀選手権大会」が開催される。日本の初音舞が優勝し、ジョン・オコーナーが準優勝した[31]。2006年に世界麻雀機構 (WMO) が設立され、中国の北京に本部が置かれた。翌2007年には、11月3日から5日にかけて、中国成都で「世界麻雀選手権大会」が開催された。公式にはこの大会が「第1回」として扱われる。

また、WMO主催の大会以外にもマカオの企業ワールドマージャン主催の賞金制(1位にはアメリカドルで50万ドル支払われる)の世界大会である世界麻雀大会の他、中国北京で発足[32][33] し、スイスローザンヌに本部を置く国際麻雀連盟(英語版)による世界麻雀スポーツゲーム(英語版)も存在する。

2008年の北京オリンピックでは将棋類とともに公開競技としての導入が図られたが、国際オリンピック委員会から却下された。北京五輪後に行われた第1回ワールドマインドスポーツゲームズでは中国将棋(シャンチー)は競技になったものの麻雀は外された。

ロシアでは、麻雀アニメをきっかけとして2009年ごろから学生の間で日本式麻雀が普及しはじめ、2012年から全国の愛好者らによるトーナメント式のリーチ麻雀大会がモスクワで開催されている[34]
ルール詳細は「麻雀のルール」を参照

一般的には4人で行うゲームであるが、三人麻雀二人麻雀もある。

各プレイヤーは13枚の牌を手牌として対戦相手に見えないようにして目前に配置し、順に山から牌を1枚自摸しては1枚捨てる行為を繰り返す。この手順を摸打といい、数回から十数回の摸打を通して手牌13枚とアガリ牌1枚を合わせた計14枚を定められた形に揃えることを目指す。アガリ形の組み合わせに応じて点棒のやりとりが行われ、最終的に最も多くの得点を保持していた者を勝者とする。

前述のように採用するルールについては国や地域によって異なる点が多いが、日本においては一般に花牌を使用しないルール(清麻雀)、立直を役として採用するルール(立直麻雀)が採用されている。
得点と役詳細は「麻雀の点」、「麻雀の得点計算」、および「麻雀の役一覧」を参照
道具麻雀用具一式右は一般点棒、左は全自動卓用


起家マーク・焼き鳥マーク(左)とサイコロ(右)

以下では日本において麻雀で使われる道具類について説明する。
牌詳細は「麻雀牌」を参照

日本では、中国で用いられるものより小さめの34種136枚の牌を使用するのが一般的である。牌の種類には萬子(ワンズ/マンズ)・筒子(ピンズ)・索子(ソーズ)・字牌(ツーパイ)がある。萬子・筒子・索子はそれぞれ一から九までの9種、字牌はさらに三元牌と四風牌に分かれ三元牌は白發中の3種、四風牌は東南西北の4種である。これら34種がそれぞれ4枚ずつ、計136枚である。

この他に花牌と呼ばれる牌が4種1枚ずつあるが、花牌は一般的なルールでは使用されない。そのため日本で販売される麻雀牌では花牌をなくし、その代わりに赤牌を追加したセットが多い。

麻雀牌などの麻雀用具は、専門店、おもちゃ屋、リサイクルショップ、オークションなどで入手できる。
点棒

点棒(てんぼう)は各プレイヤーの得点を表すために用いる細い棒である。正式にはチョーマ(籌馬)と呼ばれる。

元々は上海租界における欧米人の間で一局ごとの精算の煩雑さを避けるため、抽籤(チューチェン)と呼ばれるゲームの用具である籌馬を用いてゲーム終了後にまとめて精算したのが始まりとされており、後に麻雀専用のものが製造されている。しかし、欧米人の間で点棒が用いられたのはごく短期間であり、カードやチップが用いられるようになった。日本ではこの過渡期に麻雀が紹介されたため、点棒の使用は現在まで残っている。

点数の最小単位は100点だが大量の点棒を扱わなくてよいように、数種類の点数が用意されている。

万点棒 - 1本につき1万点。5個の赤点(5000点棒)の両脇に2つずつの黒点という、最も複雑な意匠である。最も高額な点棒であり初期状態では1人あたり1本しか配分されないことから、「連隊旗」とも呼ばれている。通常は1セット4本。

5000点棒 - 1本につき5000点。5個の赤点の意匠。通常は1セット8本。

1000点棒 - 1本につき1000点。1個の赤点の意匠。立直の際はこれを場に供託する。通常は1セット36本。

100点棒 - 1本につき100点。8個の黒点の意匠。連荘の際などに本場数を表す積み符としても用いられる。シバ棒ともいう。通常は1セット40本。

(500点棒 - 標準的なセットにはない。やりとりをスムーズにするために用いられることもある)

点棒のタイプは軸色の種類により白点棒とカラー点棒の二つがある。現在の日本国内の麻雀店では全自動麻雀卓が非常に多く、点箱内の点棒を自動的に計算し、点数を表示するため、万点棒が赤、1000点棒が青のように点棒自体が色分けされて分かりやすくなっているカラー点棒が多い。

また、全自動麻雀卓用(点数表示枠用)の点棒では自動読み取りを行う形式によって接触型と非接触型に分けられる。
起家マーク

起家マーク(チーチャマーク)は最初の親が誰かを示す目印となる物。親マークともいう。

表面に“東”、裏面には“南”と書かれている。一般的ではないが“南”のかわりに“北”と書かれているものやサイコロ状のものに東南西北が書かれ、格子にはめ込むタイプのものもある。これは場風の明示を兼ねるため使用される。
サイコロ

最初の親を決めるとき及び配牌時に取り始める山を決めるために、サイコロを使用する。通常は6面ダイス2個を使用するが、12面サイコロ(パッコロ)を用いる場合もある。その場合は1つのサイコロは1から12が、もう1つのサイコロには東西南北が書かれている。

なおプレイ中のサイコロは親を表す目印として、親の席の右隅に置くこととしている。
焼き鳥マーク

一度も和了しないまま競技単位を終えるとペナルティを受けるローカルルールがあり、その時にまだ和了(アガリ)していないことを示す目印となるとして使われる。アガリ成立の時点で裏返しにする。このローカルルールを焼き鳥とも呼ぶ。また、和了してから一定時間内(次局開始までなど)に目印を裏返さない場合は焼き鳥状態が継続や、4人とも焼き鳥を解消した時点で、また4人全員が焼き鳥状態に戻るといったローカルルールもある。
麻雀卓

麻雀卓(マージャンたく)または雀卓(ジャンたく)は麻雀を行うための卓で、通常60-70cm四方の正方形のテーブルである。

一般に麻雀卓は、麻雀牌が卓よりこぼれないように卓の周りに枠を設けており、麻雀牌の音を吸収するとともに麻雀牌が痛まないように緑系統あるいは青系統の色を用いたフェルト製の天板マットが張られており、洗牌(シーパイ、牌をかき混ぜる作業)や打牌に向いている。また、卓は点棒を収納する引き出しを備えている(関西向けには引き出しではなく卓の枠部分に固定され、全員に中身が見えるように作られた点棒箱を備えているものもある)。

なお点棒箱は通常全員分の点棒が入るサイズに作られるが関西では原点を超えた点棒を卓上に晒すルールが多いため、原点1人分の点棒が入るサイズとなっている。


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