突然のオファーだったため、役を受けた時点では『スタートレック』が『宇宙大作戦』の原題でTNGがその流れをくむ作品だとは知らず、後からそのことを知った。演じるにあたって、吉水が担当した回を参考のために観るか問われたが、「僕は僕のピカードをつくらせてもらいたい。やっていく中で自分なりのピカードがつくれればいい」との意向で、一切観なかった。ピカード役は「年齢的なものも含めて役の幅を広げるチャンス」だと感じ、「もう一度、自分の楽なトーンでしゃべれる表現、声でやっていこうとははっきり自覚した」と語っており、声を作らずに自分の一番楽な声でピカードの役を作ったとのこと。ピカード役のパトリック・スチュワートを「ナチュラルな芝居も振幅のある芝居も両方できるうまい人」と評し、声をあてながら随分勉強させてもらい、今の自分の仕事にも通じる大きな財産となり、自分が声優として一番ありがたかったことと語っている[21]。
スチュワートのもう1つの当たり役である『X-MEN』シリーズのチャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXの吹替は当初、旧シリーズの『日曜洋画劇場』放映時(テレビ朝日版)のみの担当であったが、『LOGAN/ローガン』ではそれまで劇場公開・ソフト版を担当していた大木民夫が療養中[注 2]のため同役を降板したことに伴い、後任として初めて劇場公開版を担当することになった。
「悪役は大好き」と公言している。声の業界に入ったときは二枚目もやっていたが、「今後長い人生、これで飯を食っていくことになるとキャラクターをもっと増やしていかなきゃいけない」「悪役は必ず大体出てくるから、悪役の声を少し研究して使ってもらう」と思うようになり、悪役で活躍していた人たちを模倣し、声をわざと潰してセリフを言う訓練をした。その後、機会があってその声を使った所、ディレクターからは悪役ばかり来るようになってしまい、それが定着すると、他からも悪役のオファーが来るようになり悪役一色で、逆に二枚目役がなくなってしまったと語っている[21]。
2000年代以降は老人役が多いが、本人は「かような傾向でチト口惜しいのは、権力や金で女を侍らすことはあっても、ドラマチックなラブシーンなんざ、およそないッてえことだよな。ああ、哀しきかな…」と嘆いていた[22]。
ナレーションでは淡々とした語りが基本だが、『ネギま!?』では弾けた語り口も披露した。『ぱにぽにだっしゅ!』クランクアップの時に高校での思い出を聞かれたとき、「私は中卒ですが」と答えた。その一方で若手の女性声優が多かった同作品の収録を楽しみにしていたという。また、同作品では『スタートレック』のパロディも演じていた。 太字はメインキャラクター。
出演
テレビアニメ
1967年
001/7親指トム(ジェフ・ブリッジス[23] ほか)
1976年
ドカベン(1976年 - 1979年、教頭、土門[23]、先生 他)
1977年
あしたへアタック!(明日香の父)※「大前田伝」名義
1978年
大雪山の勇者 牙王(B)※「大前田伝」名義
未来少年コナン(男B)※「大前田伝」名義
1979年
シートン動物記 りすのバナー(スッポンおやじ)※「大前田伝」名義
1980年
宇宙戦艦ヤマトIII(ダゴン)※「寺田誠」名義
銀河鉄道999(管制官、ザバの司令官)※「寺田誠」名義
サイボーグ009 (1979年版)(カルタ)※「寺田誠」名義
タイムパトロール隊オタスケマン(ケスラー)
ニルスのふしぎな旅(パパ、フレッド)
魔法少女ララベル ※「寺田誠」名義
マリンスノーの伝説(調査局長)
燃えろアーサー 白馬の王子(ゲール)
ルパン三世 (TV第2シリーズ)
太陽の使者 鉄人28号(ケスラー)※「寺田誠」名義
1981年
カバ園長の動物園日記(太田)
銀河旋風ブライガー(1981年 - 1982年、ホセ徳大寺、ブラウン、機長)
新竹取物語 1000年女王(十文字博士、委員長)※「寺田誠」名義
新・ど根性ガエル ※「寺田誠」名義
タイガーマスク二世(ザ・バット、スミス)
Dr.スランプ アラレちゃん(1981年 - 1983年、びびるマン[23]、番長、ビッグフライ[23]、ブビビンマン[23]、ヘイジ、親分)
ハロー!サンディベル(フラッシュ・スカパン)
六神合体ゴッドマーズ(グル、デノン)
ワンワン三銃士(1981年 - 1982年、リシュリュー)
1982年
あさりちゃん(カンパチ、コブラ 他)