芸能一家の出身である[11]。父は女形の歌舞伎俳優5代目嵐芳三郎で、兄は前進座の俳優で父同様の女形だった6代目嵐芳三郎と嵐圭史[3]。姉は文学座所属女優の寺田路恵[3]。妹はシャンソン歌手の広瀬節子
[8]。前進座の俳優嵐芳三郎 (7代目)は甥である。また、姉の寺田路恵とは海外ドラマ『名探偵ポワロ ゴルフ場殺人事件』で共演している(麦人はポール・ルノー役、寺田路恵はエロイーズ・ルノー役で夫婦役であった)。本名及び旧芸名は寺田 誠(てらだ まこと)[1][2]。その他の旧芸名は大前田 伝[4]、天地 麦人[4]。 声種は中・低音[18]。重く落ち着いた声が魅力的[19]。ユーモラスな役に配役されることもある[19]。 声優としては、アニメ、ゲーム、映画・海外ドラマ吹き替えに多数出演[4]。吹き替えではパトリック・スチュワートをはじめ、ウェス・ステュディやランス・ヘンリクセン、ベン・キングズレー、ウィリアム・フォーサイス、ロバート・デヴィなどを持ち役としている。 『新スタートレック』シリーズ(TNG)では、当初(1st&2ndシーズン)吉水慶がジャン=リュック・ピカード艦長の吹き替えを担当していたが、2ndシーズン終了後に家業を継ぐために降板、その後任として3rdシーズンから登板することになった。また、その後に吹き替え版が制作されたパイロット作品、2ndシーズン以前のエピソードの追加収録部でもピカードの吹き替えを担当した。後任として起用される前は悪役のゲストキャラクターで出演したこともある。なお、以降はピカードを演じた俳優、パトリック・スチュワートの専属(フィックス)吹き替え声優としても定着した[20]。 突然のオファーだったため、役を受けた時点では『スタートレック』が『宇宙大作戦』の原題でTNGがその流れをくむ作品だとは知らず、後からそのことを知った。演じるにあたって、吉水が担当した回を参考のために観るか問われたが、「僕は僕のピカードをつくらせてもらいたい。やっていく中で自分なりのピカードがつくれればいい」との意向で、一切観なかった。ピカード役は「年齢的なものも含めて役の幅を広げるチャンス」だと感じ、「もう一度、自分の楽なトーンでしゃべれる表現、声でやっていこうとははっきり自覚した」と語っており、声を作らずに自分の一番楽な声でピカードの役を作ったとのこと。ピカード役のパトリック・スチュワートを「ナチュラルな芝居も振幅のある芝居も両方できるうまい人」と評し、声をあてながら随分勉強させてもらい、今の自分の仕事にも通じる大きな財産となり、自分が声優として一番ありがたかったことと語っている[21]。 スチュワートのもう1つの当たり役である『X-MEN』シリーズのチャールズ・エグゼビア/プロフェッサーXの吹替は当初、旧シリーズの『日曜洋画劇場』放映時(テレビ朝日版)のみの担当であったが、『LOGAN/ローガン』ではそれまで劇場公開・ソフト版を担当していた大木民夫が療養中[注 2]のため同役を降板したことに伴い、後任として初めて劇場公開版を担当することになった。 「悪役は大好き」と公言している。声の業界に入ったときは二枚目もやっていたが、「今後長い人生、これで飯を食っていくことになるとキャラクターをもっと増やしていかなきゃいけない」「悪役は必ず大体出てくるから、悪役の声を少し研究して使ってもらう」と思うようになり、悪役で活躍していた人たちを模倣し、声をわざと潰してセリフを言う訓練をした。
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