上の記述の通り元海軍軍人である。若き特攻隊員の苦悩を描いた『雲ながるる果てに』(家城巳代治監督、1953年)に主演して以来、特攻隊の出身、特攻崩れだとしていたが、実際には元大井海軍航空隊整備科予備士官であり、出撃する特攻機を見送る立場だった。戦後、元特攻隊員と称するようになる者は多く、一つの流行でもあったが、鶴田はあまりにも有名人であるため同隊の戦友会にばれ猛抗議を受けるが、一切弁明はしなかった。黙々と働いては巨額の私財を使って戦没者の遺骨収集に尽力し、日本遺族会にも莫大な寄付金をした。この活動が政府を動かし、ついには大規模な遺骨収集団派遣に繋がることとなった。また、各地で戦争体験・映画スターとしてなどの講演活動も行った。生涯を通じて、亡き戦没者への熱い思いを貫き通した。これらの行動に、当初鶴田を冷ややかな目で見ていた戦友会も心を動かされ、鶴田を「特攻隊の一員」として温かく受け入れた。一方、鶴田の死後の娘の回想によると戦友会等からの苦情は一切なく、それは搭乗員ではなくとも鶴田を自分たちの一員と認めた元隊員らの配慮によるものだったと理解し感謝していたという。
特攻隊生き残りの経歴については、映画会社が宣伝の一環で捏造し、本人も積極的に否定せず、特攻崩れを自称する当時の風潮に迎合しただけというのが実情とされている。特攻隊員を見送る立場であった経験から、実際の特攻隊の生き残りよりも本物らしく演じ、『男たちの旅路』においてはこのイメージが最大限に活用された。第4部「流氷」では鶴田演じる吉岡司令補を杉本警務士(水谷豊)が「“あの頃はみんな純粋だった”だの、そんなに美化していいのか」と厳しく責めるシーンもある。 中尾照子との間に3人の女の子。長女 愛弓、次女 千尋、三女 左也香。三女は女優の鶴田さやか。 なお「弟」と称していた俳優の北斗学(北十学)は、若いころの恋人とのあいだに生まれた実子である。 実孫としては、次女の長男(1人目の夫との子)は清元節三味線方の清元斎寿。次女の次男(再婚相手の7代目清元延寿太夫との子)は歌舞伎役者の二代目尾上右近、京都祇園安藤の若女将安藤加奈子である[要出典]。
家族
出演
映画『本日休診』(1952年)『男性NO.1
破戒(1948.12.6、松竹京都):下宿人[注釈 6]
遊侠の群れ(1948.12.21、松竹京都):佐吉
わが恋は燃えぬ(1949.2.9、松竹京都):壮士・久保光雄
フランチェスカの鐘(1949.5.9、松竹京都):棚橋省吾
殺人鬼(1949.6.29、松竹大船):島本五郎
薔薇はなぜ紅い(1949.10.11、松竹京都):魚住徹
恋愛三羽烏(1949.11.26、松竹京都):津田安吉
影法師(松竹京都):宇津木新二郎
影法師 寛永坂の決闘(1949.12.25)
続影法師 龍虎相搏つ (1950.1.8)
栄光への道(1950.2.19、松竹京都):永井
危険な年齢(1950.4.1、松竹大船):健太
童貞(1950.5.28、松竹大船)
春の潮 前篇(1950.6.16、松竹大船)
春の潮 後篇(1950.6.25、松竹大船)
接吻第一号(1950.8.5、松竹大船)
大学の虎(1950.8.19、松竹大船):今井恭平
悲恋華(1950.9.16、松竹京都)
エデンの海(1950.10.14、松竹京都=綜芸プロ):南條先生
薔薇合戦(1950.10.28、松竹京都=映画芸術協会):園池雀太郎
黒い花(1950.11.18、松竹京都):浅川
地獄の血闘(1951.1.20、松竹京都):宮下次郎
乾杯!若旦那(1951.2.4、松竹大船):宇田川長吉
海を渡る千万長者(1951.3.1、松竹京都):栗田
怪塔伝(1951.3.17、松竹京都):菅野新四郎、矢部源之丞、安財芳太郎
男の哀愁(1951.4.13、松竹大船):小島正夫
獣の宿(1951.6.8、松竹京都):健
東京のお嬢さん(1951.7.6、松竹大船):飛鳥正彦
若い季節(1951.7.19、松竹大船):岸達夫
天使も夢を見る(1951.9.5、松竹大船):淀川良平
飛び出した若旦那(1951.9.21、松竹大船):鶴川浩工
あの丘越えて(1951.11.1、松竹大船):能代大助
唄くらべ青春三銃士(1952.1.7、松竹京都):一木俊夫
若人の誓い(1952.2.1、松竹大船):三谷良平
本日休診(1952.2.29、松竹大船):加吉
東京騎士伝(1952.5.8、松竹大船):山部真吉
坊ちゃん重役(1952.8.21、松竹大船):長谷部山太郎
お茶漬の味(1952.10.1、松竹大船):岡田登
弥太郎笠 前後篇(1952.10.30、新東宝=新生プロ):りゃんこの弥太郎
学生社長(1953.1.3、松竹大船):山地丈太郎
ハワイの夜(1953.1.9、新東宝=新生プロ):加納明
闘魂(1953.3.5、松竹京都):志摩次郎
岸壁(1953.4.22、松竹大船):木本
ひばりの歌う玉手箱(1953.4.29、松竹大船)
雲ながるる果てに(1953.6.9、重宗プロ=新世紀映画):大瀧中尉