現生鳥類の特徴は、羽毛があり、歯のないくちばしを持つこと、硬い殻を持つ卵を産むこと、高い代謝率、二心房二心室の心臓、そして軽量ながら強靭な骨格を持つことである[4]。翼は前肢が進化したもので、ほとんどの鳥がこの翼を用いて飛ぶことができるが、平胸類(走鳥類)や、ペンギン類、いくつかの島嶼に適応した固有種などでは翼が退化して飛べなくなっている。それでも現存する鳥類のすべての種が翼を持つが[4]、数百年前に絶滅してしまったモア類のように、完全に翼を失った例もある[11]。また鳥類は飛翔することに高度に適応した、独特な消化器や呼吸器を持っている。また、ヒトとともに二足歩行ができる2大生物とも言える。
ある種の鳥類、とりわけカラス類やオウム類は最も知能の高い動物種のひとつであり、多くの種において道具を加工して使用(英語版)することが観察されており、また、さまざまな社会的な種が、世代間の知識の文化的伝達を示している。
鳥類は北極から南極に至る地球上の広範囲の生態系に生息している。また、多くの種が毎年長距離の渡りを行い、さらに多くが不規則な短距離の移動を行っている。
鳥類は社会的(英語版)であり、視覚的な信号や、地鳴き (call)、さえずり (song) などの聴覚的な伝達行動を取り、そして協同繁殖(英語版)や捕食(狩り)行動、群れ形成 (flocking)、モビング(mobbing、偽攻撃、捕食者に対して群れをなして騒ぎ撃退する行動)などの社会的行動に加わる[12]。大多数の種は社会的に一夫一婦であり、この関係は通常1回の繁殖期ごととなる。なかには数年にわたるのもあるが、生涯続くものは稀である。一夫多妻(複数の雌)や、稀に一妻多夫(複数の雄)の繁殖システムを持つ種も存在する。卵は通常、巣に産卵され、親鳥によって抱卵(英語版)される。ほとんどの鳥類は孵化後、しばらく続けて親鳥が雛(ひな)の世話をする。
多くの種が経済的重要性を担っており、ほとんどは狩猟対象もしくは家禽であるが、なかにはペットとして、とりわけ鳴禽類やオウム類のように人気のある種もある。それ以外にも、グアノ(鳥糞石)が肥料にするために採取される。鳥類は、宗教からポピュラー音楽の歌詞にいたるまで、人間のあらゆる文化面によく登場する。しかし、分かっているだけで約130種の鳥が、17世紀以降の人間の活動によって絶滅し[13][14]、さらにそれ以前には数百種以上が絶滅している。保全への取り組みが進められてはいるが、現在約1200種の鳥が、人的活動によって絶滅の危機に瀕している。
進化と分類詳細は「鳥類の起源」を参照詳細は「鳥類の進化(英語版)」を参照
恐竜類の進化ドロマエオサウルス科の恐竜デイノニクスオヴィラプトロサウルス類の恐竜ネメグトマイア
鳥類は、系統分類(英語版)では恐竜の一系統である獣脚類に分類される[15]。さらに獣脚類の中でも、ドロマエオサウルス科やオヴィラプトロサウルス類を含む手盗類の仲間であるとされる[16][17]。