鳥類
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

一部の少数派の研究者は、鳥類が恐竜から進化したのではなく、ロンギスクアマのような初期の爬虫類から進化したと主張しており[26]、代表的な人物にノースカロライナ大学の鳥類古生物学者アラン・フェドゥーシアがいる。これを発展させて、「鳥類こそ恐竜の起源である」とする「恐竜鳥類起源説(BCF理論)」を唱える研究者もいたが、このような説にはほとんどの古生物学者が反対しており[27]、反論が多い。またこの説の根拠とされ、俗に「プロトアビス」と称された、最初期の恐竜に似たラウィスクス類の生物も、鳥はおろかマニラプトル類との直接の関係も全くなかったことが判明している。
鳥翼類の進化「化石鳥類の一覧」も参照鳥翼類始祖鳥鳥翼類アンキオルニス

鳥類 (Avis) は、古くは現在より広い意味で用いられていた。例えば、鳥類は現生鳥類と始祖鳥 (Archaeopteryx lithographica) の最も近い共通祖先の子孫のすべてと定義されていた[28]。この広義の定義では、始祖鳥は最も古い鳥類 (Avis) ということになる。

しかし、鳥類に近縁な非鳥類型獣脚類の化石が発見されるたびに、明瞭だった鳥類と非鳥類の区別が曖昧になった[29]。1990年代以降の中国東北部の遼寧省での発見によって、多くの小形獣脚類に羽毛があったことが明らかになったことがこれに拍車をかけた[30][31]

そこでジャック・ゴーティエは、鳥類 (Avis) を現生鳥類のみからなるクラウングループとして定義し直した。この定義は現在、多くの科学者に用いられている。この定義では鳥類 (Avis) と今鳥亜綱 (Neornithes) の範囲が一致する。

.mw-parser-output table.clade{border-spacing:0;margin:0;font-size:100%;line-height:100%;border-collapse:separate;width:auto}.mw-parser-output table.clade table.clade{width:100%}.mw-parser-output table.clade td.clade-label{width:0.7em;padding:0 0.15em;vertical-align:bottom;text-align:center;border-left:1px solid;border-bottom:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width{overflow:hidden;text-overflow:ellipsis}.mw-parser-output table.clade td.clade-fixed-width:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.first{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-label.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel{padding:0 0.15em;vertical-align:top;text-align:center;border-left:1px solid;white-space:nowrap}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel:hover{overflow:visible}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.last{border-left:none;border-right:none}.mw-parser-output table.clade td.clade-slabel.reverse{border-left:none;border-right:1px solid}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar{vertical-align:middle;text-align:left;padding:0 0.5em;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-bar.reverse{text-align:right;position:relative}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf{border:0;padding:0;text-align:left}.mw-parser-output table.clade td.clade-leafR{border:0;padding:0;text-align:right}.mw-parser-output table.clade td.clade-leaf.reverse{text-align:right}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkA{background-color:yellow}.mw-parser-output table.clade:hover span.linkB{background-color:green}

鳥翼類

始祖鳥
Archaeopteryx

尾端骨類

孔子鳥
Confuciusornis

鳥胸類

反鳥類
Enantiornithes

真鳥類

ヘスペロルニス類
Hesperornithiformes

鳥類=今鳥亜綱
Avis=Neornithes


Euornithes

Ornithothoraces

Pygostylia

Avialae

簡略化した基礎鳥類 (Basal bird) の系統発生
キアッペ (Chiappe)、2007 に基づく[32]

また、鳥類から外された化石種の大半は、鳥類と共に 鳥翼類[33] (Avialae[34])に位置づけられた[35]。これはひとつには、始祖鳥の系統的位置に残る不確かさの問題を回避するためである。

鳥翼類の最古の化石は、約1億6千万年前のジュラ紀後期(オックスフォーディアン)に遡る。中国の髫髻山層で発見されたもので、アンキオルニス (Anchiornis huxleyi)、シャオティンギア (Xiaotingia zhengi)、および アウロルニス (Aurornis xui) などがある。

始祖鳥 (Archaeopteryx) はその少し後の年代、約1億5500万年前のジュラ紀のドイツの地層で発見された。最初に発見されたミッシングリンク(移行化石)のひとつとして有名であり、この化石は19世紀後期において進化論が支持される根拠となった[36]。始祖鳥は、従来爬虫類の特徴とされてきた、歯、鉤爪のある指、長いトカゲに似たといった特徴を持ちながら、現生鳥類と同様の風切羽を持つ翼も併せ持つ生物がいたことを示す最初の化石となった[37]。始祖鳥は、現生鳥類の直接の祖先であるとは考えられていないが、おそらくはそれに近縁であったとされる[38]

これらの初期鳥翼類の多くは、死ぬまで接地せず宙に向かっていた可能性のある第2趾の大きな爪や、空中制動に用い得る後肢の翼など、現生鳥類とは異なる解剖学的特徴を共有していた。これらの特徴は現生鳥類の祖先にも見られたかもしれないが、進化の過程で失われた。

近年の研究では、初期の鳥翼類は、肉食であった始祖鳥や羽毛恐竜とは異なり、雑食性であったことが示唆されている[39]
尾端骨類の進化尾端骨類に属する孔子鳥

白亜紀になると、鳥翼類は大きく形態的多様性を増した[32]。翼の鉤爪や歯などの原始形質を維持したグループも多かったが、歯は現生鳥類(新顎類)をはじめとした多くのグループで独立に失われていった。始祖鳥やジェホロルニス(英語版)のような最も初期のものでは、祖先に由来する、骨の通った長い尾が見られたが[32]、より進化した鳥翼類である尾端骨類[33] (Pygostylia) では、尾が尾端骨(英語版)の出現と共に短くなっていった。

尾の短い鳥翼類の系統のうち、最初に多様化を遂げたのが反鳥類 (Enantiornithes) である。学名は「逆さの鳥」を意味し、肩甲骨の構造が現生鳥類のものと反転していることに由来している。反鳥類は生態系において多様なニッチを占め[32]渉禽のように砂浜で餌をあさるものや、魚を捕食するものから、樹上に棲むもの、種子を食べるものがいた。反鳥類は白亜紀に繁栄したものの、中生代の終わりに恐竜と共に絶滅した。

次に多様化を遂げた真鳥類 (Euornithes) は、半水生で、魚や小型の水生生物を食べるのに特化していた。 陸上や樹上で繁栄したエナンティオルニス類とは異なり、初期の真鳥類の大半は枝などに止まる能力を発達させなかった、シギ・チドリ類に似たものや、渉禽類に似たもの、水泳・潜水を行うものなどがあった。イクチオルニスヘスペロルニス

そうしたものの中には、カモメ類に似たイクチオルニス属の他[40]、海洋での魚の捕食に非常によく適応したヘスペロルニスがあり、これは飛翔する能力を失って主に水中で生活していた[32]。また、初期の真鳥類はまた、発達した竜骨突起のある胸骨、歯のない嘴になった顎など、現生鳥類的な多くの特性を発達させた(ただし、現生鳥類以外では、大半は嘴より後ろに歯を備えていた)。真鳥類の中には、尾端骨で扇状の尾羽を自由に制御できた最初の鳥類もおり、後肢の羽が担っていた空中制動の役割を受け継ぎ、後肢が無毛になるきっかけとなった可能性がある。
鳥類の進化「シブリー・アールキスト鳥類分類」および「恐竜の分類(英語版)」も参照カギハシオオハシモズニシコウライウグイス

すべての現生鳥類は鳥類 (ちょうるい、Avis) すなわち今鳥亜綱[41](こんちょうあこう、Neornithes)に位置づけられる。

頭骨のモザイク進化に関する研究により、すべての今鳥亜綱の最も新しい共通の祖先は、カギハシオオハシモズに似た嘴とニシコウライウグイスに似た頭骨を持っていたことがわかった。両種は小型でよく飛ぶ、林冠で採餌する雑食性鳥類であり、共通祖先についても同様であると考えられる。

今鳥亜綱は古顎類新顎類に分けられる。この2つの分類群は上目として扱われることが多いが[42]、リブジー(英語版)やZusiは区として扱っている[17]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:322 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef