鳥類
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鳥盤類と現生鳥類は、骨盤の構造がよく似ているが、鳥類は竜盤類に属する獣脚類恐竜が起源であると考えられているので、鳥盤類と鳥類の類似性は無関係に進化したものとされる[25]。事実、鳥類に似た骨盤の構造は、特異な獣脚類として知られるテリジノサウルス科(英語版)において3度獲得されている。

一部の少数派の研究者は、鳥類が恐竜から進化したのではなく、ロンギスクアマのような初期の爬虫類から進化したと主張しており[26]、代表的な人物にノースカロライナ大学の鳥類古生物学者アラン・フェドゥーシアがいる。これを発展させて、「鳥類こそ恐竜の起源である」とする「恐竜鳥類起源説(BCF理論)」を唱える研究者もいたが、このような説にはほとんどの古生物学者が反対しており[27]、反論が多い。またこの説の根拠とされ、俗に「プロトアビス」と称された、最初期の恐竜に似たラウィスクス類の生物も、鳥はおろかマニラプトル類との直接の関係も全くなかったことが判明している。
鳥翼類の進化「化石鳥類の一覧」も参照鳥翼類始祖鳥鳥翼類アンキオルニス

鳥類 (Avis) は、古くは現在より広い意味で用いられていた。例えば、鳥類は現生鳥類と始祖鳥 (Archaeopteryx lithographica) の最も近い共通祖先の子孫のすべてと定義されていた[28]。この広義の定義では、始祖鳥は最も古い鳥類 (Avis) ということになる。

しかし、鳥類に近縁な非鳥類型獣脚類の化石が発見されるたびに、明瞭だった鳥類と非鳥類の区別が曖昧になった[29]。1990年代以降の中国東北部の遼寧省での発見によって、多くの小形獣脚類に羽毛があったことが明らかになったことがこれに拍車をかけた[30][31]

そこでジャック・ゴーティエは、鳥類 (Avis) を現生鳥類のみからなるクラウングループとして定義し直した。この定義は現在、多くの科学者に用いられている。この定義では鳥類 (Avis) と今鳥亜綱 (Neornithes) の範囲が一致する。

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鳥翼類

始祖鳥
Archaeopteryx

尾端骨類

孔子鳥
Confuciusornis

鳥胸類

反鳥類
Enantiornithes

真鳥類

ヘスペロルニス類
Hesperornithiformes

鳥類=今鳥亜綱
Avis=Neornithes


Euornithes

Ornithothoraces

Pygostylia

Avialae

簡略化した基礎鳥類 (Basal bird) の系統発生
キアッペ (Chiappe)、2007 に基づく[32]

また、鳥類から外された化石種の大半は、鳥類と共に 鳥翼類[33] (Avialae[34])に位置づけられた[35]。これはひとつには、始祖鳥の系統的位置に残る不確かさの問題を回避するためである。

鳥翼類の最古の化石は、約1億6千万年前のジュラ紀後期(オックスフォーディアン)に遡る。中国の髫髻山層で発見されたもので、アンキオルニス (Anchiornis huxleyi)、シャオティンギア (Xiaotingia zhengi)、および アウロルニス (Aurornis xui) などがある。

始祖鳥 (Archaeopteryx) はその少し後の年代、約1億5500万年前のジュラ紀のドイツの地層で発見された。最初に発見されたミッシングリンク(移行化石)のひとつとして有名であり、この化石は19世紀後期において進化論が支持される根拠となった[36]。始祖鳥は、従来爬虫類の特徴とされてきた、歯、鉤爪のある指、長いトカゲに似たといった特徴を持ちながら、現生鳥類と同様の風切羽を持つ翼も併せ持つ生物がいたことを示す最初の化石となった[37]。始祖鳥は、現生鳥類の直接の祖先であるとは考えられていないが、おそらくはそれに近縁であったとされる[38]

これらの初期鳥翼類の多くは、死ぬまで接地せず宙に向かっていた可能性のある第2趾の大きな爪や、空中制動に用い得る後肢の翼など、現生鳥類とは異なる解剖学的特徴を共有していた。これらの特徴は現生鳥類の祖先にも見られたかもしれないが、進化の過程で失われた。

近年の研究では、初期の鳥翼類は、肉食であった始祖鳥や羽毛恐竜とは異なり、雑食性であったことが示唆されている[39]


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