鳥島_(八丈支庁)
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沿岸にはザトウクジライルカなどの海洋生物が回遊する[12]

これらの生物相の特徴に加え、比較的最近の火山現象が観察できることから植物・動物・地質鉱物の全ての点において貴重であると判断されたため、1965年(昭和40年)5月10日に国の天然記念物[13]の「天然保護区域」として地域指定された。また、希少な海鳥類の生息地として保護する目的で、1954年(昭和29年)11月1日に国指定鳥島鳥獣保護区[14](希少鳥獣生息地)に指定されている(面積453ha)。
歴史

1902年の噴火
火山鳥島
年月日1902年8月
場所
日本 東京府
影響死者125人[15]
プロジェクト:地球科学プロジェクト:災害

鳥島は第四紀に活発な活動をしている活火山であり、記録に残っているものだけでも1871年1902年1939年1998年2002年噴火が確認されている。1902年8月7日から9日の大噴火では、島民125人が死亡した[15]

江戸時代の無人島時代には多くの船が鳥島に漂着しており、たとえば土佐国の船乗り長平(野村長平)はアホウドリで食いつないで12年間生活し、後から漂着した者達と一緒に船を造って青ヶ島に脱出した。またジョン万次郎ら5人が漂着したのも鳥島であるが、彼らは約5ヶ月でアメリカの捕鯨船に救助されている[16]吉村昭によると、この島に漂着し脱出できた者の記録は15例以上ある。後の文久3年に「一番丸」で父島から捕鯨に出漁した際、万次郎らは鳥島に上陸して領有を示す高札を建てた[17]

1887年、玉置半右衛門が「鳥島拝借並ニ定期船御寄島願」を東京府に提出[18]。島の位置未確定のため借地許可は下りなかったが、船の寄港は認められた[18]。同年、玉置は南洋探検に向かう「明治丸」に乗り、鳥島に上陸[18]。島でのアホウドリ捕獲を開始した[19]。1888年、玉置は「鳥島拝借御願書」を東京府に提出[20]。同年、無償での10年間の借地が許可された[21]。その後の15年間で600万羽のアホウドリが捕獲された[21]。1898年には借地は10年間延長され、1902年には島の土地3万9325坪が196円63銭で玉置に払い下げられた[22]

1902年8月、鳥島が噴火し、島にいた出稼ぎ労働者125人全員が死亡した[23]。この噴火の後もアホウドリ捕獲は続けられたが、大正になると島は無人島に戻った[24]

その後、東京府が鳥島開発を試みたものの、1939年の噴火で再び無人島となった[24]
交通

定期便はなく、交通手段は八丈島から船のチャーターもしくは、ヘリコプターのみである。島全域が天然記念物に指定されているため、東京都より許可を得た者のみが上陸できる。

1902年の噴火で、島北部に兵庫湾と呼ばれるマールができ、大正から昭和初期にかけて港湾として使用されていたが、1939年の噴火で埋まってしまった。島の西岸の初寝崎には、かつて気象庁が整備したA港とB港があるが、波の浸食により、僅かに一部が残るのみであり、接岸はゴムボートのみ可能である。島の周囲は暗礁が多く、近づきすぎて座礁する船も少なくない[25][26]

鳥島は小笠原やグアム方面へ向かう航路上に位置し、アホウドリを観察するためにクルーズ客船がすぐ沖合いを周遊する。
鳥島を扱った作品
小説

井伏鱒二『ジョン万次郎漂流記』 1937年

織田作之助『漂流』 1942年

新田次郎『孤島』 1955年

新田次郎『火の島』 1966年

青山光二「信天翁の島は裂けて」 1974年(『竹生島心中』 1977年 所収)

吉村昭漂流』 1976年

漫画

みなもと太郎風雲児たち

映画

漂流 1981年

ノンフィクション

森銑三「鳥島に漂著した人々」『傳記文學初雁』 講談社学術文庫863 1989年 .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4061588639


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