現在でも近代的な捕鯨を継続しているノルウェーやアイスランドのほか、先住民生存捕鯨枠などによって捕鯨を認められている先住民らは、それぞれ鯨肉を消費している。インドネシアのレンバタ島
では、捕鯨民と農耕民の物々交換による伝統的な流通が行われている[22]。韓国では、積極的な捕鯨は禁止する一方で、定置網などで混獲されたクジラや座礁鯨の鯨肉は、流通が許可されている。蔚山、釜山、浦項、ソウルなどに合わせて100件余りの鯨肉料理専門店がある。韓国の国内流通量は年間400頭と推定されるが、そのうち合法的な混獲・座礁鯨は200頭のみで、残りは密漁されたクジラ類であると見られている。2008年1月には、ミンククジラを中心に約60頭分の違法鯨肉が押収される事件があった[23]。 絶滅の恐れがあるとされる一部の種類については、ワシントン条約によって国際的な商業取引や海からの持ち込みが禁止されている。これに基づき加盟国の国内法による規制措置が取られており、日本でも「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」が該当する。ただし、日本は、ミンククジラなどについては条約に留保を行っていて禁止条項の適用を受けない。なお、調査捕鯨の副産物についても主として商業目的でないので違反しないとしている。(詳細は捕鯨問題#国際法上の捕鯨問題を参照) また、独自の国内法によって鯨肉の取引や消費を禁止している国もある。例えば、米国では1972年制定の海洋哺乳類保護法 Whale, beluga, meat, raw
法的規制
栄養価
(Alaska Native)[25]
100 gあたりの栄養価
エネルギー111 kcal (460 kJ)
炭水化物0.00 g
食物繊維0.0 g
脂肪0.50 g
飽和脂肪酸0.092
一価不飽和0.337
多価不飽和0.025
タンパク質26.50 g
ビタミン
ビタミンA相当量(13%) 102 μg
チアミン (B1)(1%) 0.014 mg
リボフラビン (B2)(15%) 0.184 mg
ナイアシン (B3)(36%) 5.386 mg
ビタミンB6(4%) 0.046 mg
葉酸 (B9)(1%) 4 μg
ビタミンB12(108%) 2.59 μg
ビタミンC(0%) 0.0 mg
ビタミンK(0%) 0.0 μg
ミネラル
ナトリウム(5%) 78 mg
カリウム(6%) 283 mg
カルシウム(1%) 7 mg
マグネシウム(6%) 22 mg
リン(34%) 239 mg
鉄分(199%) 25.90 mg
亜鉛(29%) 2.76 mg
他の成分
水分72.50 g
ビタミンA効力340 IU
コレステロール80 mg
単位
μg = マイクログラム (英語版)
IU = 国際単位
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
鯨肉
部位によって栄養成分は異なる。鯨肉の特徴として脂肪の多くが皮下脂肪に集中しているため、赤肉は低脂肪でタンパク質が豊富な食品である。赤肉は鉄分も多い。
他方、脂肪にもドコサヘキサエン酸(DHA)やドコサペンタエン酸(DPA)などの人体に有益と言われる脂肪酸が、鮪や他の獣肉に比して豊富に含まれている。
ヒゲクジラの仲間は絶食しながら長距離を泳ぎ続ける期間がある。21世紀になって、それはジペプチド、イミダゾールジペプチドの一つ「バレニン」を持っているからではないか、と考えられた[26]。バレニンは鯨肉加工の際の煮汁から生産されるが[27]、ヒトに対して疲労を軽減させる効果が確認された[28]。「バレニン」も参照 鯨肉には鯨の種類ごとに様々な味わいがあると言われる。しばしば「鯨肉」として同一に扱われるが、クジラが生物学的にはクジラ目に属する多くの種の総称であることを考えると、マグロもサバも同じ「サバ亜目の魚」として同一に扱うのに近いと言える[注釈 3]。
鯨種と食味