比喩としては、圧倒的な権力や暴力をふるう人間や、常人離れした才能・能力の持ち主に対しても用いることがある。ルイス・フロイスは織田信長が自ら「第六天魔王」と称したと書き残している。また、北一輝を指して大川周明が「片目の魔王」と呼んだ。
また、特定の分野に非常に詳しい人物や、特定の言動が極端に目立つ人物を「 - 魔王」「 - 大魔王」と(時に揶揄することを意図して)呼ぶ場合がある。 文献において魔王、悪魔王などと呼ばれる主要な存在。 ファンタジー作品、伝奇小説の類では、人間などに害を与える種族・勢力(悪魔、魔物、妖魔、魔族などと呼ばれる)の頂点に立つ者が魔王と呼ばれる作品が多く存在し、とりわけ20世紀以降の娯楽作品の分野においては、メディアの発達による作品量の増加に伴い数多くの魔王が生み出されている。 近代ファンタジー作品の祖として知られる『指輪物語』には「アングマールの魔王」というキャラクターが登場するが、この魔王は「Witch-king of Angmar」の和訳であり、同作の邪悪の根源である冥王(Dark Lord)サウロンの召使である。 だが勧善懲悪をテーマにした作品では倒されるべき悪の象徴、首領として魔王が登場し、コンピュータゲームではクッパのようにラストボスとなることも多い。こうした作品が量産され、設定が紋切り型と化してゆく中で、ゲームや漫画、ライトノベルなどの分野では魔王が主人公の味方になる、あるいは主人公が魔王の側に付く、魔王を主人公に据えるといった作品がカウンター的に生み出されている。 また、『アラジンと魔法のランプ』などに登場するジンをモデルにしたキャラクターに「魔王」「大魔王」と名付けることがある。例としては『大魔王シャザーン』『ハクション大魔王』などが挙げられる。
神話・伝説における魔王
イスラム教 - イブリース
キリスト教 - サタン(ルシファー)、ベルゼブブ
ゾロアスター教 - ヴェンディダードの7大魔王(ダエーワたちの王)
バビロニア神話 - パズズ
仏教 - 天魔(マーラ、他化自在天、第六天魔王)
ラーマーヤナ - ラーヴァナ
ケルト神話 - バロール
欧米の俗信 - バアル・サタナキア等、グリモワールにおいて王以上の階級に封ぜられている魔神
デンマーク民話 - Erlkonig(ゲーテの詩『魔王』で有名)
クトゥルフ神話 - アザトース
フィクションにおける魔王の扱い
出典^ 山北篤、佐藤俊之監修『悪魔事典』新紀元社 2000年 ISBN 4-88317-353-4
^ 日本国語大辞典第二版編集委員会・小学館国語辞典編集部編『日本国語大辞典』第二版、小学館、2000年12月?2002年12月
関連項目
ダークロード
魔
魔人
魔獣
魔神
魔界
魔王尊(サナト・クマーラ。鞍馬山鞍馬寺で祀られている仏の一つ)
表
話
編
歴
物語
キャラクター
悪役/大敵
特徴づけ(英語版)
キャラクター・アーク
第二主人公
偽主人公
焦点キャラクター(英語版)
フォイルキャラクター(英語版)
主人公
主役
サイドキック(助手)
脇役
第三主人公
視点キャラクター
ストックキャラクター
プロット
クライマックス
試練(英語版)
対話
劇的構造(英語版)
説明(英語版)
プロット・デバイス
サブプロット(英語版)
転義法
クリシェ
勧善懲悪
脚本理論(英語版)
脚本術(英語版)
三幕構成
グランド・ホテル形式
シャギー・ドッグ・ストーリー
設定
ディストピア
架空都市(英語版)
架空国家
架空の場所(英語版)
架空世界
ユートピア
主題(英語版)
ライトモティーフ
教訓(英語版)
モチーフ
類型
モチーフインデックス
フィクションの類型
ストーリー類型
神話類型
キャラクター類型
文体
措辞(英語版)
修辞技法
形象(英語版)
文学的技法(英語版)
物語モード(英語版)
不信の停止
象徴主義
トーン(英語版)
役割語
物語構造(英語版)
非線形
ハイパーテキスト(英語版)
インタラクティブフィクション
形式