魔法のプリンセス_ミンキーモモ
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前作をほぼ踏襲した構成だが、現実の社会問題が多くの回にテーマとして組み込まれており、前作よりも重いストーリーとなっている[3]

なお、ファンの間では両シリーズおよびその主人公を区別するため、第1作を「空モモ」、第2作を「海モモ」と呼ぶのが通例となっている[えーだば 46][注釈 2]
主要作品一覧


1982年 - 『魔法のプリンセス ミンキーモモ』テレビシリーズ(第1作)、全63話

1985年 - 『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞』OVA

1991年 - 『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢を抱きしめて』テレビシリーズ(第2作)、全62話 + 未放映3話

1993年 - 『MINKY MOMO IN 夢にかける橋』OVA

1994年 - 『MINKY MOMO IN 旅だちの駅』OVA
完全な一覧については「魔法のプリンセス ミンキーモモのエピソード一覧」を参照
第1作
第1作あらすじ

この物語はどこかの国のどこかの町に住む夫婦が、子供のいないことを切々と語る場面から始まる。そこに夢の国フェナリナーサのプリンセス、ミンキーモモ(以下、モモ)が3匹のお供を連れて空から降りてくる。そして夫婦はモモを、始めから自分たちの本当の子供であったかのように受け入れてしまう。

第1話の主要部のプロットの概略は次のようなものである。モモのパパとなった人物は腕の立つ獣医でもあり、噂を聞きつけたある牧場から往診を求められる。海外出張中のパパに代わりモモが牧場に向かうが、モモが子供だからという理由で牧場主に相手にされなかった。そこでモモは大人に変身する魔法で獣医の看護婦に変身して牧場の馬を治療し、さらに、牧場を悪者から救うために騎手に変身し競馬で活躍する。

第2話以降もモモは事件に遭遇し、魔法で大人に変身するが、プロットそのものには決まったパターンがなく多様な展開を見せる。各回ごとにエピソードの主要人物となるゲストが登場し、モモはゲストの夢を叶えようと奔走する。モモが何かいいことをすると各回の最後にモモのペンダントが光り、その4回ごとに夢の国の王冠にハッピーティアと呼ばれる宝石(誕生石)が出現する。宝石が12個そろうと、夢の国が再び地球に降りてくると言われている(第4話)。

物語は第43話から第46話にかけて終盤を迎える[えーだば 57]。モモは、魔法で他人の夢をかなえることはできないことを知り[注釈 3]、その後魔法の力を失い[注釈 4]、ついには交通事故に遭い命を落としてしまう。そして、モモは人間に生まれ変わり、地球でのパパとママの本当の子供となる。モモが大人になり自分の夢を叶えた時、最後のハッピーティアが出現し夢の国が降りてくるだろうと語られ、『ミンキーモモ』の物語は46話で一旦、幕となる。

このあとも物語は続き、物語の大筋は人々の夢と希望を奪うためモモを付け狙う悪夢との戦いが中心となる。最終的には、後期(49話以降)のエピソード全てが人間の赤ちゃんとなったモモの見る夢だったことが判明する。夢の中での戦いはモモの勝利に終わり、前期最終話に帰結する形で物語は完結する[5]
第1作登場人物
ミンキーモモ
声:
小山茉美本作の主人公。空にある夢の国「フェナリナーサ[注釈 5]」のプリンセス。旺盛な好奇心と行動力の持ち主で、思い立ったら空飛ぶ魔法のキャンピングカー「グルメポッポ[注釈 6]」で世界中どこにでも飛び出していく。楽観的な性格で、「なるようになる」と前向きに生きている。事件が起きると、変身魔法で様々な職業のプロフェッショナルの技能を身につけた18歳の大人に変身し、事件解決に奔走する。髪飾りについた星形のアクセサリがトレードマーク。魔法の呪文は「ピピルマ ピピルマ プリリンパ パパレホ パパレホ ドリミンパ アダルトタッチで○○になれ」[注釈 7]
シンドブック&モチャー&ピピル
声:田の中勇&木藤玲子&三田ゆう子モモのお供として同行する3匹の動物たち。シンドブックは雑学豊富なのんびり屋の犬、モチャーは正義の使者を気取る小猿、ピピルは恋を夢見る紅一点の小鳥である。フェナリナーサが1000年の眠りから目覚めてまだ間もない頃、モモと王様、王妃様の他に目覚めていたのはこの3匹だけだったという理由から、モモのお供として地上に同行することになった。
モモのパパとママ
声:納谷六朗&土井美加地球におけるモモの両親。ペットショップを経営している。パパは世界的に名を知られている獣医でもある。ママはのんびり屋の主婦だが、実はマフィアの娘で意外な一面を見せることもある。二人とも作中で名前を呼ばれることはほとんどなく、モモのパパとママで通されている[注釈 8]
フェナリナーサ国王&王妃
声:増岡弘&塚田恵美子夢の国の国王と王妃で、モモの実の両親。魔法の鏡を通してモモを見守っており、モモの行動に対して感想を言い合ったり、冗談を飛ばしあったりしている。モモがピンチになると王妃様は決まって寝込んでしまい、王様は「なるようになる」と静観するもののモモが本当に困っているときは手助けすることもある。
カジラ
声:千葉繁後期シリーズからモモの新しいお供として加わる竜の子供[注釈 9]。なんでもかじって食べてしまう。言葉は喋れず「カジカジ、カジラ!」と声を出すだけである。
第1作解説
背景と影響

『ミンキーモモ』は東映動画系列以外での初の魔法少女アニメである。本作品は『魔法使いサリー』(1966年)以来の魔法の国からやってきた少女が魔法を行使するという定番の設定であるが、反面それらの作品群に登場する少女達があくまで「魔法の国の先天的に魔法が使える人間」の域を出ないのと異なり、「人間と同じ姿でありながらも、人間の持つ夢と希望によってその存在が成り立つ」という、よりファンタジー性の強い設定である点が一線を画している。

また放送当時は、女性が社会で活躍するというのは、女の子にしてみればまだまだ大きな憧れだった。どんな職業の大人にでも変身できるという設定は、文字通り女の子に夢を与え、かなりの人気を博したと言える[7]。『魔法の天使クリィミーマミ』とともに1980年代の第2期魔法少女ブーム[1] と変身魔法少女という独自のジャンルの先駆けとなった。

モモが大人に変身するシーンでは、小道具(ミンキーステッキ)に呪文・ダンスを組み合わせた演出がなされた。シリーズ中には幾度かの変遷があり、第11話から第46話で使用されたシーンでは当時ブームだった新体操のリボンをモチーフとしていた。この演出は斬新なものと受け止められ、後の魔法少女アニメに影響を与えた[3]

1982年の夏から冬にかけてファンダムでミンキーモモブームが起き、ミンキーモモのエロパロ同人誌も出回っていた。当時、ロリコンブーム美少女ブームの全盛期であり、その影響と考えられている[8][9]。本作品はロリコン向けに製作されたと論評されることもあったが、原案・シリーズ構成を務めた首藤剛志は否定しており、「『魔法のプリンセス ミンキーモモ』がロリコンアニメの元祖だとか本家だとか言うのは受け取り手の自由だが、作った側としては、かなり不愉快である」と述べている[えーだば 54]
作風

生活感の描写に大きなウェイトを置いていた東映動画系の魔法少女アニメに対し、舞台設定が無国籍に近い。首藤は舞台設定を「どこかの国のどこかの町ということにしましょう」と提案し、それを押し通したという[えーだば 47]。内容的にも、学校に通う場面がほとんどない反面、単なる少女アニメという枠にとらわれず「おもしろければ、何をやってもいい」という基本方針のもと、いろいろなアイデアを満載していた。物語は時にラブロマンスであり、スパイアクションであり、メルヘンでありと何でもありで[10]、第31話「よみがえった伝説」では合体ロボ・ミンキナーサが登場し、少年向けロボットアニメ戦国魔神ゴーショーグン』(1981年)のパロディが展開された[注釈 10]。看護婦にファッションモデル、ビキニの水着姿の女ダイバーなど、その回の事件に合わせて大人プロフェッショナルに変身したモモの活躍も毎回の見所となった。
テーマ

モモは夢を持つ人々の象徴でもあったとされている[7]。ミンキーモモは、どこかの地球のどこかの国のどこかの町の子どものお話でした。もしかしたらあなたの隣にモモが…いいえ、あなた自身がモモなのかもしれませんね。 ? 第46話 次回予告(声:ママ)より、『ロマンアルバム 魔法のプリンセス ミンキーモモ』(1983年)68頁


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