魔法のプリンセス_ミンキーモモ
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物語は時にラブロマンスであり、スパイアクションであり、メルヘンでありと何でもありで[10]、第31話「よみがえった伝説」では合体ロボ・ミンキナーサが登場し、少年向けロボットアニメ戦国魔神ゴーショーグン』(1981年)のパロディが展開された[注釈 10]。看護婦にファッションモデル、ビキニの水着姿の女ダイバーなど、その回の事件に合わせて大人プロフェッショナルに変身したモモの活躍も毎回の見所となった。
テーマ

モモは夢を持つ人々の象徴でもあったとされている[7]。ミンキーモモは、どこかの地球のどこかの国のどこかの町の子どものお話でした。もしかしたらあなたの隣にモモが…いいえ、あなた自身がモモなのかもしれませんね。 ? 第46話 次回予告(声:ママ)より、『ロマンアルバム 魔法のプリンセス ミンキーモモ』(1983年)68頁
OVA

放送終了後、番外編となる『夢の中の輪舞』、ミュージックビデオ『瞳の星座』の2本のOVA が製作された。
『魔法のプリンセス ミンキーモモ 夢の中の輪舞』
1985年ビクター音楽産業、ネットワーク フロンティア事業部(現バンダイビジュアル)次節にて詳述する。なお、OVAリリースの後に首藤剛志の手による小説版が発売されている。
『魔法のプリンセス ミンキーモモ 瞳の星座 ミンキーモモSONGスペシャル』
1987年:ビクター音楽産業歌に映像を載せたミュージックビデオで、各歌前のアイキャッチ及び新録の「瞳の星座」(小山茉美)の部分が新作であり、他はテレビシリーズの再編集である。
夢の中の輪舞

「ピーターパン」の物語に題材をとり、「大人になることに夢や希望があるのか?」という、TVシリーズで大きく取り上げられることのなかったテーマが描かれる。
あらすじ (夢の中の輪舞)

福引で1等賞の南極旅行ペアチケットを当てたパパとママを送り出したモモは、ゆっくり羽を伸ばせると大喜びなものの、慣れない家事に苦戦一方。そんな折、パパとママの乗った旅客機が “南の真ん中島” 上空で墜落してしまったとのニュースが入ってくる。モモはすぐさまパパとママの救出に向かうが、島に近づいた途端、なぜかグルメポッポも夢のエネルギーを失って墜落し、海に沈んでしまう。なんとか島に上陸するモモたちだが、時を同じくして、島の上空に存在する謎の莫大なエネルギーを狙って、世界中のスパイやら秘密組織やらがぞくぞく集結して来る。山の頂を覆い隠す雲の中に隠されていたもの。それは大人になりたくない子供たち、子供に還りたい大人たちが集まる「子供の国」だった。そして、モモはこの国の主である永遠の少年ペーターに出会い、「大人になることに夢などない」と言い切る彼のそんな価値観に疑問を抱く。その一方、世界各国の大人たちが子供の国を支える莫大なエネルギーを軍事利用しようと目論み、軍隊を派遣してくる。子供の国が爆撃に晒される中、モモはペーターに助太刀して大人たちと戦うことを決意し、攻め込んできた大人たちをこの国を支える夢のエネルギーを利用して子供の姿に還してしまうことで、事態を収拾する。

全てが終わった後、「大人になるからこそ夢を持てる」と語るモモに対し、相変わらず自分の意見を崩そうとしないペーター。そんな相容れることの無い価値観の対立の末、ペーターは今まで子供の国に集めた子供たちを元いた時代に帰し、新たな子供の国を作るべくモモに別れを告げて、どこか別の星へと旅立っていくのだった。
ゲストキャラクター
ペーター
声 -
難波圭一南の真ん中島の上空に浮かぶ「子供の国」の主。「ピーター・パン」をモチーフに、「ハーメルンの笛吹き」の要素も併せ持ったキャラクターとして描かれている。「大人になることに夢などない。世界が平和になるにはみんな子供になるしかない」という価値観を持ち、世界中から大人になりたくない子供、子供に還りたい大人たちを集めて子供の国を作り上げた。彼自身の素性や生い立ちは謎であるが、モモの住む夢の国とは異なる夢の世界の住人らしい。
その他 (OVA)

本作ではメインキャラの声をあてた声優のうち、モチャーの声のみ声優がTVシリーズと異なる(
星野桜子)他、ゲストにも一部、声優の変更がある(TVシリーズで同じ声優がキャスティングされた別々のキャラの競演の都合)。

発売当時、『魔法の天使クリィミーマミ』のOVA「ロング・グッドバイ」と併映で松竹富士配給により劇場公開もされた。その際、『魔法のプリンセスミンキーモモVS魔法の天使クリィミーマミ 劇場の大決戦』というおまけの短編がつけられている。これは、両作品がともに読売広告社の大野実をプロデューサーとしていたことから実現したもので、作画はモモ側はわたなべひろし、マミ側は後藤真砂子が担当し、演出はマミの望月智充である。

第2作
第2作あらすじ

フェナリナーサのプリンセスが果たせなかった使命を果たすため、海の底に沈んだ夢の国、マリンナーサのプリンセスがミンキーモモ(以下モモ。特に断りがないかぎり本作品のミンキーモモを指す)の名を継ぎ地上に派遣される。モモは、まだ夢を持つ人が多く残っている、あそこの国のあそこの町にやってきて、妖精が隠れ住む公園に建つホテルの管理人夫婦の子供となる(第1話)。

毎回の話は、「むかし、むかし、といっても、ほんのすこしだけ明日に想えるかもしれない昔」という決まり文句で始まる[注釈 11]。物語の前半においては前作と同様にモモが事件に遭遇し、大人に変身して活躍する。前作との相違点としては、本作のモモは使命のことよりも地上で楽しく遊ぶことを第一の目的に行動しているため、使命を遂行していることを示す明確な演出が物語前半の時点では存在しないことが挙げられる。

物語後半では、宇宙に浮かぶ夢のエネルギーの不足によって魔法の力が弱まり、夢の国とその住人の消滅が起こりうる危機的な状況になっていく。人間に生まれ変わったフェナリナーサのモモと出会うことで、モモは「夢を取り戻す」という使命をようやく自覚し、世界中に散った夢のかけらの力を借りながら世界に夢と希望を取り戻そうとするが、魔法で夢を叶えることはできないという現実に直面する(第59話、第60話)[注釈 12]

最終回(第62話)ではとうとう夢や希望が失われ、夢の国の住人達も他の惑星へと旅立ち、地上に残った最後の夢の国であるマリンナーサも地球から離れることを決断する。その一方、パパとママが不治の病(AIDS[えーだば 102][注釈 13])を患っていたために子供ができなかったこと、そんな2人にとって、モモの存在こそが叶わぬはずの夢そのものであったことを、モモは知ることになる。地球から離れるか残るか迷うモモに、人間に生まれ変わった前作のモモは「モモちゃんに自分の夢を見守っていて欲しい。そう思う子がいる限り、モモちゃんは消えない」と伝え励ます。その言葉を聞き、パパとママの夢を守るため、そして誰かが望む限り夢がなくなることはないと信じて、人々の夢を見守るためにモモは地球に残る道を選ぶ(第62話)。この物語には夢を持ちつづけてほしいというメッセージが込められていた[7]
第2作登場人物
ミンキーモモ
声:
林原めぐみ海の底に沈んだ夢の国「マリンナーサ」のプリンセス。前作のミンキーモモの親戚筋にあたる[注釈 14]。志半ばで亡くなったフェナリナーサの王女「ミンキーモモ」の名を継ぎ、夢と希望を取り戻す使命のために地上へと送り出された。しかし、本人にその自覚はなく、狭くなった夢の国を出て広い世界で遊ぶことを第一に考えている。前作のモモ同様、好奇心が強く楽観的で「なるようになる」が信条。ハート形のアクセサリのついた髪飾りをいつも身につけている。魔法の呪文で18歳の職業プロフェッショナルに変身できる。物語後半では人間の夢が危機的な状況にあることを理解し、果たすべき使命を自覚するが、魔法ではどうすることもできない現実に直面し苦悩することになる。魔法の呪文は「パラリル パラリル ドリリンパ ティアラン ティアナン マリリンパ ミンキータッチで○○になれ」。
クックブック&チャーモ&ルピピ
声:桜井敏治真柴摩利横山智佐本作のモモのお供を務める3匹の動物達。クックブックは博識だがのんびり屋で怠け者の犬、チャーモは正義感が強く熱血漢の子ザル、ルピピは惚れっぽい性格の小鳥。
モモのパパとママ
声:江原正士渡辺美佐地上でのモモの両親。ナショナルトラストに委託を受け、ホテルの管理人を務めている。パパは考古学者でもあり、古代文明「フェナリナーサ」の研究では権威。ママは推理小説家志望の主婦である。
マリンナーサ国王&王妃
声:緒方賢一横尾まり夢の国の王様と王妃様で、モモの実の両親。魔法の鏡を通してモモを見守っており、モモの行動に対して感想を言い合ったり、冗談を飛ばし合っている。王様曰くフェナリナーサの王様とは「いとこはとこいとはとこ」同士の関係(従姉妹)[11]で、王妃様はフェナリナーサの王妃様と幼なじみの間柄で、まだお互いの国が地上に存在していた頃に幼児の折から一緒に遊んでいた仲であるが、その時のとある出来事が後に大事件に発展することになった。
初代モモ
声:小山茉美前作の交通事故で死亡し、人間に生まれ変わったフェナリナーサのミンキーモモ。ロンドン在住[注釈 15]。「夢は自分で見るものであり自分の力で叶えるもの」という信念を持ち、自分の夢の実現のために力強く生きている。マリンナーサのミンキーモモと出会い、苦境に立たされ苦悩する彼女の心の支えとなっていく。上述の通りマリンナーサのモモとは親戚関係にあたるが、お互いの祖国が地上から離れていく一方であったため、地上で出会うまでお互いに面識はなかった。
第2作解説

本作はある程度子供たちの人気は高く、おもちゃの売れ行きもよかったようである[7]。しかし、この時期には女性が社会で活躍するというのが一般的なことになるなどの社会の変化があり、「空モモ」の頃とは環境が変わってきていた。首藤剛志は放映終了後に「90年代初期の「海モモ」の時代には「大人になったからといって、何ができるというんだ」「むしろ何もできはしない」という雰囲気が子供たちの間に、漂ってきていたようだ。(中略)90年代には、大人になる事が「夢」へのきっかけとして機能しなくなっていた。「夢」がキーワードのミンキーモモは、90年代の「夢」がなんであるかを、探さなければならない作品になってきたのだ」と回想している[えーだば 96]


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