鬼太郎
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誕生日:昭和29年またはそれ以前[注 6][注 7]。アニメ第1作[5]では作中の時点で昭和時代と名言されているが齢120歳程度の人物[注 8]が「昔、鬼太郎の事を妖怪関連の本で読んだ」と証言しており、アニメ第3作[6]や読み切り「決戦 愛宕山」では最低でも江戸時代から今と変わらない姿で活躍していた。アニメ第4作[7]では、目玉おやじいわく「その昔」に封印された妖怪が鬼太郎を認識している。アニメ第5作[8][9]や第6作[10]でも、最低でも50年以上は少年の姿でいる事が人間に確認されている[注 9]実写映画シリーズでは350歳としており、上記の(少なくとも)江戸時代から生きているという設定とも合致する。アニメ映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」では、昭和31年(1956年)の時点で母親が妊娠中なので誕生はそれ以降となる。

基本的に一人称は「僕」だが原作やアニメ第2・3作ではごくたまに「俺」と言っている。またアニメ第4作54話で邪魅に毒気を吹き込まれた際も一人称が「俺」になった。

種族と家族

かつて地上を支配していた幽霊族の唯一の末裔であるが、原作「地獄篇」とアニメ第3作「地獄篇」のみ、幽霊族の父と人間の母との混血(半妖)とされている。『続ゲゲゲの鬼太郎』の目玉おやじの話によると、紀元前3,800年頃には鬼太郎父子の先祖は幽霊族の帝位に就いていたという。

幽霊族とは人間が一般に考えている「幽霊」ではなく、現在の人類が誕生する以前に栄えていた種族である。妖怪と悪魔は共に地球の先住民族とも言える存在で「第一期人類」と称されてもいる。種族として基本的に争いを好まない性格で、それ故に人類が発生、繁殖すると共に迫害され森の奥へ次いで地下へと追いやられ衰退していった。その頃に糧を求めて地上をさまよう姿を目撃した人間が幽霊と誤認した。

実写映画『千年呪い歌』では鬼太郎は幽霊族が人間によって滅ぼされたことをぬらりひょんに告げられるまで知らなかった[注 10]ことになっているが、1980年代『最新版』や『鬼太郎国盗り物語』では知っていた様子である。このため、『最新版』ではぬらりひょんに、「地球環境を守る為に人間と戦って滅ぼされた先祖の敵の味方をする」「未成年なのに喫煙」「悪人を見逃すこともある」「とんでもないぶりっこ妖怪」と評されて言葉につまる場面もあった。
父・目玉おやじ
詳細は「目玉おやじ」を参照
母・岩子
母は鬼太郎を身ごもった状態で病死、その埋葬された遺体から鬼太郎は生まれ出た。鬼太郎誕生当時を描いた作品では母の名は出てこないが、原作「地獄篇」最終回「最後の出会い」や実写映画『千年呪い歌』では「岩子(いわこ)」という名が明かされている。「地獄篇」では岩子は人間だがお岩さんの親類にあたり、僅かだが妖力も備えていた。岩子は夫が幽霊族だとは知らずに結婚。地獄のきまりで幽霊族と人間との間では結婚が出来ず、死後は罰により「百虫館」で地獄の虫の番をするようになった。原作では鬼太郎・目玉おやじと岩子が家族の再会を果たして地上に連れて帰ろうとしたが、地上の空気に触れた途端灰となった。しかし肉体は灰となっても意思はあり、自ら灰壷に入って鬼太郎と家で過ごすようになった[注 11]。また、アニメ化作品である第3作地獄編の最終回では閻魔大王に地上へ帰る許可を得たものの、帰途に同行していた天童ユメコが崩れてきた天井の岩で頭部を強打して死亡したため、母は復活の権利をユメコに譲った[注 12]。アニメ第4作最終回では母の魂が揚羽蝶の姿で登場。死神とヒ一族の巫女の罠から鬼太郎父子を助けた。鬼太郎は揚羽蝶が母の魂と確信し、鬼太郎ファミリーが空に昇る揚羽蝶を見上げる場面で第4作は幕を閉じた。
いとこおじ・毛目玉
目玉おやじの白目に毛が生えたような姿。「鬼太郎のベトナム戦記」では目玉おやじの従兄弟、原作「妖怪危機一髪」では親類とされている。「髪さま(髪の毛大戦)」やアニメ版では鬼太郎父子との血縁の描写はない。
妹・雪姫
原作「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」シリーズでは鬼太郎の妹も登場している。産まれた経緯は作中では明かされていないが、墓場に捨てられていたのをねずみ男が拾い、その時閻魔大王の血縁保証書もあった事から鬼太郎の妹と認められ、雪姫(ゆきひめ)と名付けた。幼子でも妖力を備えており、念力を使う。登場は本シリーズのみで、その後のシリーズでは存在も設定も継承されていない。またこれ以前に貸本「アホな男」の未使用原稿には、鬼太郎の妹(雪姫より大きくおさげ髪)が描かれたものがある。[11]
兄?寝太郎
原作「鬼太郎国盗り物語」シリーズに登場。第2話で稲田のミステリー・サークルから掘り出された卵型UFOから鬼太郎そっくりの姿で現れたが、UFO捕獲騒ぎで双方興奮していたため乱闘となり、鬼太郎側の手洗い鬼に踏み潰される。「長年かけて幽霊族の住める所を地底に見つけたが、そこを支配するムー人に捕まり逃げて来た」と言い残し液化、壺に収められる。12話で赤ん坊の姿に再生、霊力を駆使して鬼太郎と共にムーの刺客と戦う。だが実は鬼太郎の兄ではなく総理大臣に国を乗っ取られたムーの王子で、目玉おやじのみがそれを知っていたことが24話で明かされた。
妻・メリー 
南方(ニューギニア)における一村の酋長の娘で鬼太郎の現地妻。1話限りの登場で、その後のシリーズでは存在も妻である設定も継承されていない。一方で、水木しげる記念館では鬼太郎の配偶者として正式に紹介している。詳しくはゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター を参照。
風貌鬼太郎の着ぐるみ(水木しげるロードにて)

人間ではないため少年の姿のまま何十年も生きていて、まだ幽霊族としても子供である。妖怪としては「子供の姿をしている」と人間からは見なされている。外見は長髪で左目を隠し、特徴的な髪型と古めかしい学童服と縞模様のちゃんちゃんこを着て下駄を履いている。学童服の素材は仙人の髭で、百年経っても破れない[注 13][12]。下着には天女の羽衣でできているといわれるシャツ、目玉親父が桃太郎からもらったといわれる鬼のパンツを着用している[12]。モデルは、水木しげるの甥(当時3 - 5歳)である。

髪の色は、原作では銀色に近い灰色だが、初のカラーアニメ作品第2作以降は茶色。

左目がなく隻眼である。理由については様々である。『墓場の鬼太郎』第2話では「元々潰れていた」とされるが、その後の「おかしな奴」では「墓から出て来た赤ん坊の鬼太郎を化け物だと思い込み、恐れた水木が放り投げ、地面を転がった鬼太郎は墓石の角に左目をぶつけ潰れてしまった」設定に変わっている[注 14]。その後の『ゲゲゲの鬼太郎』時代では、作品や解説書によって異なる。貸本版では右目の無い鬼太郎が幾度も登場している[注 15]。通常長髪で左目を隠している状態なのも、目の左部分には眼球が無いためである。

アニメの外見については、制作上の都合で顔が大幅に異なる回が多数ある。特に第1作は7つ(うち外部発注は4つ)、第2作は8つ(うち外部発注は6つ)の制作班で話数単位で制作発注していたために連携がとれず、話数によって鬼太郎の体型や顔・服装(服のボタンの大きさなど)が異なっている。

2007年からの実写映画シリーズでは、左目は義眼であるが成人であるウエンツ瑛士の外見を考慮し、年齢は原作より上の350歳、一人称が「僕」ではなく「俺」、髪が茶髪ではなく銀髪(原作の灰色に近い)、身長が170センチメートル等、様々な変更点がある[注 16]
性格

普段はクールで飄々としているが、強い正義感を心に秘めた情熱家。だがそれゆえに困っている人間や妖怪を放っておけないお人よしな所がある。原作「大海獣」では自分を大海獣に変えた山田を許したほど[注 17]。そして同じく原作「海坊主先生」でも「正義と愛が俺を動かすんだ」と鬼太郎本人が言っている[注 18]

悪いことをする者は誰でも関係なく嫌いで、時には妖怪としてのダークな一面を現し自分勝手な人間に対しても厳しいお仕置きをすることがある(「幽霊電車」など)。一方で「おどろおどろ」では人間の科学者が自らの体で人体実験を行い妖怪・おどろおどろになってしまったのをやむを得ず退治したが、その際に人間の息子(アニメ第6シリーズでは娘)から恨まれたりもしている[注 19]。しかし原作の始まりである『墓場鬼太郎』では始めから人情が薄く、関わる人間を不幸に陥れる怪奇な存在として描かれている。

また美女や美少女には人間・妖怪の両方に甘く、騙されることもあり、惚れっぽいのがほとんどの作品に共通している。実写映画版『千年呪い歌』では、人間を憎まず助ける理由は「人間は善なる存在」とは単純に考えておらず、人間の愚かさを十分承知しているが、それでも安易に見捨てることや切り捨てることはしていないだけである。

原作とアニメシリーズとでは一人称が異なる事が多々ある。
アニメにおける変遷

アニメではシリーズごとの作風やテーマに沿って、それぞれ異なった個性が設定されている。
第1、2シリーズ
基本的に原作そのままの性格だが、原作の怖さを薄れさせ、親しみやすくなった
[13]。第1シリーズではより優しく明るく子供らしく素朴な印象で[13]、可愛い女の子には多少照れるような場合もあったが、時がたった第2シリーズでは少し大人びていて、妖怪らしいクールさや怖さが見られ[13]、美人も見てもまるで関心を抱く素振りは見せなくなった。
第3シリーズ
歴代シリーズで特に妖怪と人間の共存を強く望んでおり[14]、悪事を許さない強い正義感をもつヒーロー然とした熱血漢な性格。人間の少女・天童ユメコも加わり人間の味方としての性格付けが特に強い[13]が、人間であっても悪事を働くなら容赦はしない点は歴代と同じ。原作のとぼけた表情やクールで達観した態度はあまり見られず、表情も豊かになる。原作や歴代シリーズと比べて好戦的なところがあり、敵を挑発したり凄んだりするなど荒っぽい言動も見せる。88話では調子に乗って自惚れてしまい、目玉おやじや仙人に戒められて反省した。美女には特に弱く、頼られて俄然やる気を出したり、褒められると赤面して露骨に喜ぶ。母親や兄弟がいないことへの寂しさをにじませる少年らしい一面も時折見せる。
第4シリーズ
ドライな対人性としっとりとした落ち着きを併せ持つ紳士的個性。敵妖怪を単に倒すだけでなく反省させて許すケースも増え[14]、美女に弱い設定も存在しない[注 20]


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