鬼太郎
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「鬼太郎のベトナム戦記」では目玉おやじの従兄弟、原作「妖怪危機一髪」では親類とされている。「髪さま(髪の毛大戦)」やアニメ版では鬼太郎父子との血縁の描写はない。
妹・雪姫
原作「雪姫ちゃんとゲゲゲの鬼太郎」シリーズでは鬼太郎の妹も登場している。産まれた経緯は作中では明かされていないが、墓場に捨てられていたのをねずみ男が拾い、その時閻魔大王の血縁保証書もあった事から鬼太郎の妹と認められ、雪姫(ゆきひめ)と名付けた。幼子でも妖力を備えており、念力を使う。登場は本シリーズのみで、その後のシリーズでは存在も設定も継承されていない。またこれ以前に貸本「アホな男」の未使用原稿には、鬼太郎の妹(雪姫より大きくおさげ髪)が描かれたものがある。[11]
兄?寝太郎
原作「鬼太郎国盗り物語」シリーズに登場。第2話で稲田のミステリー・サークルから掘り出された卵型UFOから鬼太郎そっくりの姿で現れたが、UFO捕獲騒ぎで双方興奮していたため乱闘となり、鬼太郎側の手洗い鬼に踏み潰される。「長年かけて幽霊族の住める所を地底に見つけたが、そこを支配するムー人に捕まり逃げて来た」と言い残し液化、壺に収められる。12話で赤ん坊の姿に再生、霊力を駆使して鬼太郎と共にムーの刺客と戦う。だが実は鬼太郎の兄ではなく総理大臣に国を乗っ取られたムーの王子で、目玉おやじのみがそれを知っていたことが24話で明かされた。
妻・メリー 
南方(ニューギニア)における一村の酋長の娘で鬼太郎の現地妻。1話限りの登場で、その後のシリーズでは存在も妻である設定も継承されていない。一方で、水木しげる記念館では鬼太郎の配偶者として正式に紹介している。詳しくはゲゲゲの鬼太郎の登場キャラクター を参照。
風貌鬼太郎の着ぐるみ(水木しげるロードにて)

人間ではないため少年の姿のまま何十年も生きていて、まだ幽霊族としても子供である。妖怪としては「子供の姿をしている」と人間からは見なされている。外見は長髪で左目を隠し、特徴的な髪型と古めかしい学童服と縞模様のちゃんちゃんこを着て下駄を履いている。学童服の素材は仙人の髭で、百年経っても破れない[注 13][12]。下着には天女の羽衣でできているといわれるシャツ、目玉親父が桃太郎からもらったといわれる鬼のパンツを着用している[12]。モデルは、水木しげるの甥(当時3 - 5歳)である。

髪の色は、原作では銀色に近い灰色だが、初のカラーアニメ作品第2作以降は茶色。

左目がなく隻眼である。理由については様々である。『墓場の鬼太郎』第2話では「元々潰れていた」とされるが、その後の「おかしな奴」では「墓から出て来た赤ん坊の鬼太郎を化け物だと思い込み、恐れた水木が放り投げ、地面を転がった鬼太郎は墓石の角に左目をぶつけ潰れてしまった」設定に変わっている[注 14]。その後の『ゲゲゲの鬼太郎』時代では、作品や解説書によって異なる。貸本版では右目の無い鬼太郎が幾度も登場している[注 15]。通常長髪で左目を隠している状態なのも、目の左部分には眼球が無いためである。

アニメの外見については、制作上の都合で顔が大幅に異なる回が多数ある。特に第1作は7つ(うち外部発注は4つ)、第2作は8つ(うち外部発注は6つ)の制作班で話数単位で制作発注していたために連携がとれず、話数によって鬼太郎の体型や顔・服装(服のボタンの大きさなど)が異なっている。

2007年からの実写映画シリーズでは、左目は義眼であるが成人であるウエンツ瑛士の外見を考慮し、年齢は原作より上の350歳、一人称が「僕」ではなく「俺」、髪が茶髪ではなく銀髪(原作の灰色に近い)、身長が170センチメートル等、様々な変更点がある[注 16]
性格

普段はクールで飄々としているが、強い正義感を心に秘めた情熱家。だがそれゆえに困っている人間や妖怪を放っておけないお人よしな所がある。原作「大海獣」では自分を大海獣に変えた山田を許したほど[注 17]。そして同じく原作「海坊主先生」でも「正義と愛が俺を動かすんだ」と鬼太郎本人が言っている[注 18]

悪いことをする者は誰でも関係なく嫌いで、時には妖怪としてのダークな一面を現し自分勝手な人間に対しても厳しいお仕置きをすることがある(「幽霊電車」など)。一方で「おどろおどろ」では人間の科学者が自らの体で人体実験を行い妖怪・おどろおどろになってしまったのをやむを得ず退治したが、その際に人間の息子(アニメ第6シリーズでは娘)から恨まれたりもしている[注 19]。しかし原作の始まりである『墓場鬼太郎』では始めから人情が薄く、関わる人間を不幸に陥れる怪奇な存在として描かれている。

また美女や美少女には人間・妖怪の両方に甘く、騙されることもあり、惚れっぽいのがほとんどの作品に共通している。実写映画版『千年呪い歌』では、人間を憎まず助ける理由は「人間は善なる存在」とは単純に考えておらず、人間の愚かさを十分承知しているが、それでも安易に見捨てることや切り捨てることはしていないだけである。

原作とアニメシリーズとでは一人称が異なる事が多々ある。
アニメにおける変遷

アニメではシリーズごとの作風やテーマに沿って、それぞれ異なった個性が設定されている。
第1、2シリーズ
基本的に原作そのままの性格だが、原作の怖さを薄れさせ、親しみやすくなった
[13]。第1シリーズではより優しく明るく子供らしく素朴な印象で[13]、可愛い女の子には多少照れるような場合もあったが、時がたった第2シリーズでは少し大人びていて、妖怪らしいクールさや怖さが見られ[13]、美人も見てもまるで関心を抱く素振りは見せなくなった。
第3シリーズ
歴代シリーズで特に妖怪と人間の共存を強く望んでおり[14]、悪事を許さない強い正義感をもつヒーロー然とした熱血漢な性格。人間の少女・天童ユメコも加わり人間の味方としての性格付けが特に強い[13]が、人間であっても悪事を働くなら容赦はしない点は歴代と同じ。原作のとぼけた表情やクールで達観した態度はあまり見られず、表情も豊かになる。原作や歴代シリーズと比べて好戦的なところがあり、敵を挑発したり凄んだりするなど荒っぽい言動も見せる。88話では調子に乗って自惚れてしまい、目玉おやじや仙人に戒められて反省した。美女には特に弱く、頼られて俄然やる気を出したり、褒められると赤面して露骨に喜ぶ。母親や兄弟がいないことへの寂しさをにじませる少年らしい一面も時折見せる。
第4シリーズ
ドライな対人性としっとりとした落ち着きを併せ持つ紳士的個性。敵妖怪を単に倒すだけでなく反省させて許すケースも増え[14]、美女に弱い設定も存在しない[注 20]。人間とは異なる価値観、妖怪らしい考え方も表現される[13]。感情的になることはほとんどない(怒る時も物静か)が、心の底には熱い気持ちも秘めている[注 21]。一方で、おっとりしてやや天然ボケな一面や、ノイローゼ[注 22]にかかるなど人間臭さも見られる[14]。妖怪と人間の共存は「仲良くなるのが一番いい」と望んでいる。
第5シリーズ
少年の姿のまますでに、少なくとも50年以上は今と変わらぬ姿で人助けしていたという設定で[15]、悪を許さない強い正義感や子供らしさ[注 23]、とぼけた表情も健在だが、妖怪と人間の共存をそれなりに望みつつもそれを望まない妖怪もいることに悩むことも多い。人間に対する態度がこれまでよりもシビアであり[注 24][注 25][13]、時には自分から助けを求めようとしない限り助けないこともある。ただし、美女に弱いなどのコミカルな面も強調され、マイペースなのんびり屋で出不精かつ優柔不断。世間知らずでもあり、バレンタインデーについても知らなかったほど。保護者には目玉おやじに加えて力を制御できず自分の暴走を止めてくれた蒼坊主といった兄貴分が存在する[注 26]
第6シリーズ
歴代シリーズの中でも特に人間の世界に対して強い隔意を持ち、なおかつ寡黙で中立的な思考を併せ持った性格となっている。それ故に過去作では多かった明るい表情やコミカルな一面が少なく暗い表情やシリアスな一面が多い。「赤ん坊の頃に水木という青年に育てられた」事の言及がなされ、その恩返しを理由に人助けをしていると明言。その一方で人間と妖怪の共存をあまり願わず「人間と妖怪とは必要以上に交わってはいけない、妖怪は怖がられるぐらいがちょうどいい」と考え、積極的に人間と関わることを避けている。ただし人間と妖怪との自然な交流に関しては、遠くから暖かく見守っている。仲間妖怪に対しては表情豊かだが、人間相手の場合は無表情でぶっきら棒な対応が多い。人間そのものを嫌っているわけではなく、善良な者や純粋な心を持つ人間には親切にふるまう。しかし、反省の意思を持たず救いようがないと判断した場合は、助けを求められても断ったり、愛想を尽かし冷酷に見捨てることもある[16]。また、同じ妖怪でも人間でも一方的な価値観だけを押し付けて他者の尊厳を全否定する者には「自分と異なる者を認められないやつは大嫌いだ」と強い怒りと嫌悪を見せている。やや素直でない負けず嫌いな面もある[注 27]。前作とは異なり、とくに美女に弱い様子はない[注 28]が、ねこ娘やまなをはじめ女性を気遣う優しさはよく見られる。ねこ娘の厚意に気づかないなど[17]女心には極度に鈍感だが、93話においてねこ娘から告白されると、彼女を危険な目に合わせたくないと発言している。
経歴

母・岩子は鬼太郎を身篭ったまま病死し、彼ら夫婦に関わりを持っていた血液銀行の銀行員・水木によって埋葬された。だが3日後、自力で母胎、墓穴から這い出て誕生した。この鬼太郎の誕生話はアニメシリーズではほとんど描かれていない。アニメで取り上げられたのは第3作[注 29][18]、第4作[19]、2008年の『墓場鬼太郎』第1話である。

誕生後は水木に引き取られていたが、冷遇を受け6歳の時出奔、父・目玉おやじと共に放浪の旅の末、ゲゲゲの森という安住の地を得た。少年時代には猫娘と共に妖怪小学校に通っていたという[20]。ねずみ男の弁によれば、鬼太郎は妖怪世界の名門校といわれる「妖怪学習院」に通っており、ねずみ男と同窓だったという[21]


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