高雄市
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台湾地区最大の面積を有する都市で、2022年5月時点の人口は2,724,134人であり[3]、台湾第3位。台湾を代表する貿易港を有している。

台湾の多くの地名は、漢字を音読みするのが通例だが、「高雄」は日本統治時代に地名を日本風に変更した他の箇所同様、日本統治時代の読み方が引き続き用いられている。そのため、「こうゆう」ではなく、由来となった京都の高雄と同様に「たかお」と呼ばれているが、中華民国の国語では、G?oxiongと発音することから、カオシオン・カオシュン・カオションと読まれることもある。黄昏時の高雄港寿山から見下ろした高雄市街
地理

高雄は、寿山というテーブル状の大きな台地(標高200m)のふもとに位置する港である。海からの目当てになる山と、旗津という名の砂州に保護された潟は、古くから良港として知られていた。

日本統治が始まる以前から日本統治期間にかけての市街地は、愛河(日本統治時代の高雄川)の西側、寿山山麓に位置していたが、戦後に市街地は愛河の東部に拡大、高雄駅や市の中心も愛河東部に移転した。

また、高雄市民政局に務めていた職員林金枝により、中心部の東西方向の路の名は、日本式の町・丁目から、南から北へ 一心路、二聖路、三多路、四維路、五福路、六合路、七賢路、八徳路、九如路、十全路、と数字を頭にした名前に改名された[4]。それらの道路規模は同一のものでなく、また正確に東西方向を連絡しているわけではなく、またその間に中正四路や民生一路などが不規則に位置しているが、数字による南から北への順序は市内交通の位置を説明するのに便利な構造となっている。更にそれら一心路等は、南北の主要路との交差点を区切りとして、東から西に一心一路、一心二路等と区分するので、それぞれの路に沿った東西方向の位置もおおよそ知ることができる。
気候

冬季(最寒月)の平均気温が18℃以上あり、最少雨月降水量が60mm未満かつ(100-0.04×年平均降水量)mm未満であるため、ケッペンの気候区分によればサバナ気候に属する。

高雄市(1991年 - 2020年)の気候
月1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月年
最高気温記録 °C (°F)31.6
(88.9)32.5
(90.5)33.2
(91.8)35.4
(95.7)36.4
(97.5)37.2
(99)37.1
(98.8)36.1
(97)37.6
(99.7)34.8
(94.6)33.0
(91.4)31.0
(87.8)37.6
(99.7)
平均最高気温 °C (°F)24.2
(75.6)25.0
(77)27.0
(80.6)29.3
(84.7)31.0
(87.8)32.1
(89.8)32.7
(90.9)32.1
(89.8)31.8
(89.2)30.1
(86.2)28.1
(82.6)25.3
(77.5)29.1
(84.4)
日平均気温 °C (°F)19.7
(67.5)20.7
(69.3)23.0
(73.4)25.7
(78.3)27.8
(82)28.9
(84)29.4
(84.9)28.9
(84)28.5
(83.3)26.9
(80.4)24.5
(76.1)21.2
(70.2)25.4
(77.7)
平均最低気温 °C (°F)16.2
(61.2)17.2
(63)19.7
(67.5)22.8
(73)25.2
(77.4)26.3
(79.3)26.7
(80.1)26.3
(79.3)25.9
(78.6)24.4
(75.9)21.6
(70.9)17.9
(64.2)22.5
(72.5)
最低気温記録 °C (°F)5.7
(42.3)6.6
(43.9)6.8
(44.2)10.3
(50.5)17.3
(63.1)19.0
(66.2)20.0
(68)20.7
(69.3)19.5
(67.1)14.7
(58.5)10.2
(50.4)4.4
(39.9)4.4
(39.9)
雨量 mm (inch)19.1
(0.752)17.7
(0.697)32.3
(1.272)68.4
(2.693)202.2
(7.961)416.2
(16.386)377.2
(14.85)512.4
(20.173)224.5
(8.839)53.4
(2.102)25.6
(1.008)19.2
(0.756)1,968.2
(77.489)
平均降雨日数 (?0.1 mm)3.23.23.65.46.212.913.216.710.14.22.82.884.3
湿度71.671.871.974.276.679.078.079.977.574.273.171.675.0
平均月間日照時間177.0176.0194.7197.2207.7215.0220.7189.3188.6191.9166.5157.22,281.8
出典:中央気象局 [5]

行政区画

合併前の旧高雄市11区と高雄県1市3鎮23郷を、38区としてそのまま受継いでいる。また1983年より南シナ海にある東沙諸島及び南沙諸島太平島を高雄市旗津区中興里の管轄としている。

楠梓区

左営区

鼓山区

三民区

苓雅区

前鎮区


小港区

塩?区

前金区

新興区

旗津区


鳳山区

岡山区

旗山区

美濃区

林園区


大寮区

大樹区

仁武区

大社区

鳥松区


橋頭区

燕巣区

田寮区

阿蓮区

路竹区


湖内区

茄?区

永安区

弥陀区

梓官区


六亀区

甲仙区

杉林区

内門区

茂林区


桃源区

那瑪夏区



歴史マカタオ族打狗英国領事館

17世紀に打狗(台湾語: Ta?-kau, ターカウ)という小さなから発展し、都市へと成長した。ターカウとは平埔族マカタオ族の集落タアカウ社の名称に由来し、そのマカタオ族の言語で「竹林」を意味する言葉であった。1624年オランダはこの場所に砦を築いたが、1661年鄭成功によって駆逐され、1664年万年州(萬年州)が設置された。1684年の統治が開始され、台湾府の一部として鳳山県が設けられ県治が興隆荘(現在の左営)に設けられた。

1858年天津条約で清は台湾島に複数の開港地を設けることを約束させられ、そのひとつである打狗港(Port of Takau/Takow)は1864年に開港し、以後外国貿易で栄え始めた。

1895年下関条約により台湾が日本に割譲されると、日本は海軍の南方方面での補給港を確保すべく打狗(たかお)の開発を進めた。地名に関しては1920年(大正9年)9月の地方制度実施で、「打狗」という文字が卑俗であるとし、またそれまで台湾人にとって一対の地名と考えられていた民雄(たみお、旧「打猫」ターニャウ)との釣り合いも考慮し、1日、台湾総督府により打狗と発音の近い内地の名所でもある高雄(たかお)に改称され[6]、地方制度改正で設置されることとなった新州「打狗州」が最終的に「高雄州」に改められた[7]。これに伴って州庁所在地となった打狗も「高雄街」に改称された[7]1924年には高雄郡が廃止され、高雄街は「高雄市」に昇格し高雄州に直属した。 日本統治下時代の高雄市章

日本統治時代には、精米・製糖を主力に、セメント工業、アルカリ工業、台糖鋳物工場、塩糖酒精工場、氷糖製造業、生石灰合資会社、造船業、南部製酒会社、台湾煉瓦工場、新高製氷工場、打狗窯業会社などが創業した[8]旧高雄市章(1974年 - 2009年)

1945年日本の降伏により台湾は中華民国が接収することになり、高雄市は省轄市(現在の)とされ台湾省に帰属した。1979年7月1日行政院は高雄市を直轄市に昇格させることを決定、前鎮区に隣接する高雄県小港郷を統合した。

2010年12月25日には高雄県を合併し、最大の面積を持つ直轄市となった。

市周辺に重工業地帯が広がり大気汚染が社会問題となっている。また外省人の多い台北に対して本省人の多い高雄は野党的色彩や台湾人としてのアイデンティティーへの志向が強く、後に有名になった1979年12月の高雄事件(美麗島事件)なども発生している。


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