高等学校
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

単位制による課程も多く、2017年度は、修業年限を3年とする学校のうち196校、修業年限を4年とする学校のうち55校が単位制による教育を行っている[10]。単位制による教育の場合は、ほとんど学年という概念は薄く、原級留置(留年)という概念は無く、最短3年で卒業する人(修業年限が3年の場合)もいる。

大学のように在籍年数を区切った除籍制度がないため、最大限に学籍を利用し、学校によっては20年以上の長い時間をかけて卒業する人もいるなど、自分の進度で学習できる。従って、在籍する生徒の年齢も幅が広く、創立された当初の「職業人のための高等学校の課程」という機能があるため、16歳以上から80歳代を越える高齢の生徒が在籍する。
実態

1990年代からは私立高校において、自分の進度で学習できるという長所を生かした個性的な通信制課程が出てきており、スポーツ教育などを行っている学校もある。加えて、広域通信制(複数の都道府県を学区とする通信制の課程)が増えている。

生徒も多様化し、不登校の人や全日制の課程になじめなかった生徒の占める割合が増加し、中学校を卒業したばかりの15歳の生徒が進路として選択することも増えている。

一方、自学自習を基本とする自主学習のため、どうしても時間がとれず管理が難しい、学習が進まない、時間が決まっているわけではないので他に優先順位があると後回しにしてしまう、常に教員に質問などができないという声もある。
学年による教育課程の区分の有無による分類

高等学校には、「学年制と単位制の併用による教育」と「単位制による教育」との2種類がある。以前の高等学校には、学年制と単位制の併用による教育しか存在しなかったが、1988年昭和63年度)に、単位制のみによる教育が、「定時制の課程」と「通信制の課程」で認められ、さらに1994年平成6年度)には「全日制の課程」にも認められた。
学年制と単位制の併用による教育

必ず各学年ごとに課程修了を認定されてから次学年の課程に進む方式である。年度末に各学校が個々の生徒に対して進級を認定し、認定されないと原級留置留年)になる。最終学年の課程を修了し、各学校で全課程を修了したと認められれば卒業できる。私立に関しては留年を認めない場合もあり、退学・転学を求められることもある。単に「学年制」と呼ばれる場合もあるが、単位制も併用しているため、各学校の運営方法によっては高学年次での必履修科目の単位修得が可能となるなど単位制による教育と似た状況となることもある。
単位制による教育

学年による教育課程の区分を設けない方式であるため、最終学年に達するまで原級留置(留年)という概念はない。一定期間(転学編入学でない場合、全日制の課程では3年、定時制の課程・通信制の課程では各学校が定める3年以上の期間)を在学し、必要な単位の修得などをして、各学校で全課程を修了したと認められれば卒業できる。全ての高等学校の課程で単位制が実施されているが、単に「単位制」と呼ぶ場合は、通例「学年制を実施せず、単位制による教育を行なっている場合」を指し、法的には学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第103条第1項、および単位制高等学校教育規程(昭和63年文部省令第6号)が適用される。
学科による分類

小学科数(本科)(令和2年度)[11]学科計全日制定時制
普通科3,9793,545434
専門教育農業に関する学科78676719
工業に関する学科1,8641,693171
商業に関する学科94587570
水産に関する学科8282?
家庭に関する学科31830711
看護に関する学科96942
情報に関する学科23221
福祉に関する学科9898?
その他の学科6516483
総合学科38934742
計9,2318,478753

日本の高等学校には、学科がおかれる。高等学校設置基準第5条により、学科の種類は次の通り定められている[4]
普通教育を主とする学科(公式名称: 普通科)

専門教育を主とする学科(通俗名称:専門学科)

普通教育及び専門教育を選択履修を旨として総合的に施す学科(公式名称:総合学科)

学科が細分化されているのは日本の高校の特徴である。アメリカ、イギリス、カナダなどの高校は総合学科が多い[12]
普通科

普通科[注釈 9]とは、一般的学習である普通教育を主とする学科である[4]国語地理歴史公民数学理科、保健体育、芸術外国語家庭情報などの普通教育に関する教科・科目を中心として学習する。どの進路にも対応でき、どの分野にも依存しない普遍的教育を理念とするが、一方で大学などの高等教育機関進学のための準備教育になるという意見もある[要出典]。従来は公立を中心に画一的な教育課程が組まれていたが、現在では学校毎に特色のあるものへと改革が進んでいる(例:兵庫県立など)。教育課程に商業や農業など専門科目が置かれることがあり、就職する生徒にも対応している。
専門教育を主とする学科「職業高等学校」も参照

専門教育を主とする学科は、専門学科[注釈 10]とも呼ばれる[4]。専門学科は農業、工業、理数、体育などに関する各学科が設置されている。かつて職業学科と呼ばれた、農業・工業・商業・水産・看護など職業に関する専門教育を行う学科と、理数・英語・国際・文理・探求・体育・芸術など普通教科のうちいくつかを専門的に教育を行う学科とに分かれる。職業学科は、その性質上、各省庁の養成施設としての認可を受け、卒業時に各種の免許を取得したり、試験科目の一部が免除になる教育課程を編成したりしている学科も少なくない。現在では、主な専門学科とその他の専門学科に分類される[要出典]。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:118 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef