高等学校
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学校教育法により、修業年限は3年以上と定められており、2020年度は3年制は222校、4年制は68校である[9]
複数の都道府県の生徒が在学する広域通信制高校の一部では、学習環境など基準に満たない劣悪な学校が存在したため、文部科学省はそのような広域通信制高校の調査・監査・改善命令を行った。
学習方法

基本的に教科書をベースにした自主学習により、添削指導と呼ばれる課題レポートの添削を教員から受けることで学習を進めるが、同時に面接指導(スクーリング)が、一般的には月に数回程度(全日制の課程の約8単位時間分の授業に相当するといわれる)行われ、添削指導、面接指導、試験などを通じて単位が得られる。
自主学習を支援するために、通信制の課程の多くは学校で独自の教材を作成して配布したり、副教材で「学習書」と呼ばれる、放送出版協会が発行する副教材を利用しているところが多い。特に学習書は広く使われているものであるが、国語科目ではその学習書の中に教科書の内容をそのまま含んでいるという場合もあり、教科書に比べて高価であるが、教科書と同義のものとして扱われ、一部で一定条件を満たせば補助が出るところもある。
スクーリング等

公立通信制高校のスクーリング(面接指導)は多くの学校が日曜日に行われ、1つの科目に対して他曜日に同じ内容で行われる。同じ内容なら、生徒はいずれかの日にスクーリングに出席すればよいところが多いが、広域通信制をとる学校では、夏季などにまとめて合宿スクーリングを行う学校もある。

加えて、ラジオ放送、テレビ放送による学習や、インターネットやDVDなど多様なメディアを利用して行う映像学習が各教科・各科目または特別活動について取り入れられ、計画的かつ継続的に行われる。生徒がこれら放送による学習で、その成果が満足できると認められる時は、その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち、各メディアごとにそれぞれ10分の6以内、最大10分の8以内の時間数を免除する制度を持つ学校もある。ラジオ放送テレビ放送は、NHK高校講座の利用が多く、ネットを通じて教師との双方向のやりとりが可能な学校もある。

なお、公立通信制には、面接指導の一部時間を学校以外の公認の学習会によって賄うことができる制度を持っている学校があり、広域通信制には、在学生対象の学習支援を行なう教育施設としてサポート校があって、高等学校と正式に提携を行っているところもある。

入学・進級

入学に際して、学力検査による入学者選抜が行われることは少ない。学ぶ意思があれば不合格にしない場合がほとんどで、中学校を卒業している、もしくは義務教育課程を修了していれば、原則として入学に際して学力などを求められることはない。

他の高等学校や中等教育学校の中途退学者を対象とした編入学試験を実施しているところや広域通信制高校には転学制度もあり、編入生や転入生の場合、以前の高等学校や中等教育学校の単位や在籍年数が認められる制度をもっている学校が多い。

単位制による課程も多く、2017年度は、修業年限を3年とする学校のうち196校、修業年限を4年とする学校のうち55校が単位制による教育を行っている[10]。単位制による教育の場合は、ほとんど学年という概念は薄く、原級留置(留年)という概念は無く、最短3年で卒業する人(修業年限が3年の場合)もいる。

大学のように在籍年数を区切った除籍制度がないため、最大限に学籍を利用し、学校によっては20年以上の長い時間をかけて卒業する人もいるなど、自分の進度で学習できる。従って、在籍する生徒の年齢も幅が広く、創立された当初の「職業人のための高等学校の課程」という機能があるため、16歳以上から80歳代を越える高齢の生徒が在籍する。
実態

1990年代からは私立高校において、自分の進度で学習できるという長所を生かした個性的な通信制課程が出てきており、スポーツ教育などを行っている学校もある。加えて、広域通信制(複数の都道府県を学区とする通信制の課程)が増えている。

生徒も多様化し、不登校の人や全日制の課程になじめなかった生徒の占める割合が増加し、中学校を卒業したばかりの15歳の生徒が進路として選択することも増えている。

一方、自学自習を基本とする自主学習のため、どうしても時間がとれず管理が難しい、学習が進まない、時間が決まっているわけではないので他に優先順位があると後回しにしてしまう、常に教員に質問などができないという声もある。
学年による教育課程の区分の有無による分類

高等学校には、「学年制と単位制の併用による教育」と「単位制による教育」との2種類がある。以前の高等学校には、学年制と単位制の併用による教育しか存在しなかったが、1988年昭和63年度)に、単位制のみによる教育が、「定時制の課程」と「通信制の課程」で認められ、さらに1994年平成6年度)には「全日制の課程」にも認められた。
学年制と単位制の併用による教育

必ず各学年ごとに課程修了を認定されてから次学年の課程に進む方式である。年度末に各学校が個々の生徒に対して進級を認定し、認定されないと原級留置留年)になる。最終学年の課程を修了し、各学校で全課程を修了したと認められれば卒業できる。私立に関しては留年を認めない場合もあり、退学・転学を求められることもある。単に「学年制」と呼ばれる場合もあるが、単位制も併用しているため、各学校の運営方法によっては高学年次での必履修科目の単位修得が可能となるなど単位制による教育と似た状況となることもある。
単位制による教育

学年による教育課程の区分を設けない方式であるため、最終学年に達するまで原級留置(留年)という概念はない。一定期間(転学編入学でない場合、全日制の課程では3年、定時制の課程・通信制の課程では各学校が定める3年以上の期間)を在学し、必要な単位の修得などをして、各学校で全課程を修了したと認められれば卒業できる。全ての高等学校の課程で単位制が実施されているが、単に「単位制」と呼ぶ場合は、通例「学年制を実施せず、単位制による教育を行なっている場合」を指し、法的には学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第103条第1項、および単位制高等学校教育規程(昭和63年文部省令第6号)が適用される。
学科による分類

小学科数(本科)(令和2年度)[11]学科計全日制定時制
普通科3,9793,545434
専門教育農業に関する学科78676719
工業に関する学科1,8641,693171
商業に関する学科94587570
水産に関する学科8282?
家庭に関する学科31830711
看護に関する学科96942
情報に関する学科23221
福祉に関する学科9898?
その他の学科6516483
総合学科38934742
計9,2318,478753

日本の高等学校には、学科がおかれる。高等学校設置基準第5条により、学科の種類は次の通り定められている[4]
普通教育を主とする学科(公式名称: 普通科)


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