高等学校通信教育
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体育等の実技科目はスクーリングとレポートによる指導をもとに単位を修得することが多く、試験を行わない場合がある。

例えば、教科「国語」の科目「国語総合」であれば、単位数は2単位で、添削指導に係わるレポートが6通、面接指導(スクーリング)2時間、教科「体育」の科目「体育」では、単位数2、添削指導に係わるレポート2通、スクーリング10時間という状況となる。面接指導(スクーリング)の方法は、学校によって異なる。毎週1回、あるいは3?5回から、1年間の一定期間(夏休みなど)にまとめて、というところもある。

テストやレポートで合格できなくても、その科目の単位が取得できなかったということで、全日制や定時制のように留年ということにはならない。必修科目の場合はテストやレポートで合格するまで再学習やスクーリングの再受講が必要となる。

卒業に必要な単位が揃わなければ、最短修業年限で卒業できず、実際には卒業時期が先延ばしになる。

※参考:通信制高校の仕組み、生徒、学費、メリット
通信制の課程における教育課程

各教科・科目の添削指導の回数および面接指導の単位時間(1単位時間は,50分として計算する。)数の標準は、1単位につき次の表の通りとされるほか、学校設定教科に関する科目のうち普通教育に関するものについては、各学校が定めるものとされている。

各教科・科目添削指導(回)面接指導(単位時間)
国語,地理歴史,公民及び数学に属する科目31
理科に属する科目34
保健体育に属する科目のうち「体育」15
保健体育に属する科目のうち「保健」31
芸術及び外国語に属する科目34
家庭及び情報に属する科目
並びに専門教育に関する各教科・科目各教科・科目の必要に応じて2?3各教科・科目の必要に応じて2?8

総合的な学習の時間の標準単位数は3?6単位とし、その添削指導の回数及び面接指導の単位時間数については、各学校において、学習活動に応じ適切に定めるものとされている。

面接指導の授業の1単位時間は、各学校において、各教科・科目の面接指導の単位時間数を確保しつつ、生徒の実態および各教科・科目等の特質を考慮して適切に定めるものとされている。

学校が、その指導計画に、各教科・科目または特別活動について計画的かつ継続的に行われるラジオ放送、テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を取り入れた場合で、生徒がこれらの方法により学習し、その成果が満足できると認められるときは、その生徒について、その各教科・科目の面接指導の時間数又は特別活動の時間数のうち、各メディアごとにそれぞれ10分の6以内の時間数を免除することができるとされている。ただし、免除する時間数は、合わせて10分の8を超える[注釈 1]ことができないとされている。

特別活動については、ホームルーム活動を含めて、各々の生徒の卒業までに30単位時間以上指導するものとされている。
定義と実施状況

「広域の通信制の課程」とは、

高等学校の「通信制の課程」のうち、当該高等学校の所在する都道府県の区域内に住所を有する者のほか、全国的に他の都道府県の区域内に住所を有する者を併せて生徒とするもの、その他
政令学校教育法施行令)で定めるもの(学校教育法第54条第3項)

当該高等学校の所在する都道府県の区域内に住所を有する者のほか、他の二以上の都道府県の区域内に住所を有する者を併せて生徒とするもの(学校教育法施行令第24条)

である。

すなわち、本校所在地の1都道府県に加えて2都道府県以上、併せて3都道府県以上の地域に在住する者を対象として生徒募集を行う場合は広域通信制課程に該当する。

生徒の募集地域は全国47都道府県を対象とする場合、特定の地方・地域の都道府県に限る場合など、学校によって異なる。

「広域の通信制の課程」を設けている学校には、分校、協力校、学習センターなどが設けられている。また、全日制の高等学校等の施設を借り、協力校としてスクーリングを行っている学校や、専修学校高等課程などの専修学校を協力校としている学校もある。

上記に対して「狭域通信制高校」とは、本校所在地の1都道府県のみ、あるいは本校所在地に隣接する1つの都道府県と併せて2都道府県の地域に在住する者を対象に生徒を募集している高校のことである。

株式会社による広域通信制高等学校は、2004年度に構造改革特区法で認められてから、8年で20倍にまで急増した。また、学校法人による広域通信制も増加の傾向にある[5]

このように、近年、広域通信制の高等学校の学校数や生徒数は大きく増加しているが、その添削指導のレベルに対しては改善[6]が求められており、ウィッツ青山学園高等学校の不祥事発覚以降は安易な履修認定についても改善が求められている[7]
募集区域が47都道府県にわたる広域通信制

○出典:広域通信制高等学校の一覧(令和2年4月1日時点) (Microsoft Excelの.xls)

※括弧内は本校所在地の都道府県

NHK学園高等学校(東京都)

科学技術学園高等学校(東京都)

和歌山南陵高等学校(和歌山県)

星槎国際高等学校(北海道)

日本航空高等学校ウイングハイスクール)(山梨県)

明聖高等学校(千葉県)

八洲学園大学国際高等学校(沖縄県)

わせがく高等学校(千葉県)

今治精華高等学校(愛媛県)

アットマーク国際高等学校(石川県白山市)

並木学院高等学校(広島県)

第一学院高等学校高萩校(茨城県高萩市)

日々輝学園高等学校(栃木県)

創学舎高等学校(埼玉県深谷市)

代々木高等学校(三重県志摩市)

慶風高等学校(和歌山県)

屋久島おおぞら高等学校(鹿児島県)

ルネサンス高等学校(茨城県大子町)

日本ウェルネス高等学校(愛媛県)※学校法人タイケン国際学園

ECC学園高等学校(滋賀県高島市)

第一学院高等学校養父校(兵庫県養父市)

相生学院高等学校(兵庫県相生市)

一ツ葉高等学校(熊本県山都市)

札幌自由が丘学園三和高等学校(北海道和寒町)

精華学園高等学校(山口県)

明蓬館高等学校(福岡県川崎町)

松陰高等学校(山口県)

勇志国際高等学校(熊本県)

神村学園高等部通信制課程(鹿児島県)

ルネサンス豊田高等学校(愛知県豊田市)

中京高等学校(岐阜県)

AIE国際高等学校(兵庫県淡路市)

RITA学園高等学校(香川県)(旧:禅林学園高等学校)

中央国際高等学校(千葉県)

ルネサンス大阪高等学校(大阪府)

鹿島朝日高等学校(岡山県)

ヒューマンキャンパス高等学校(沖縄県)

高野山高等学校(和歌山県)

興譲館高等学校(岡山県)

こころ未来高等学校(長崎県)

N高等学校(沖縄県)

飛鳥未来きずな高等学校(宮城県)

鹿島山北高等学校(神奈川県山北町)

啓晴高等学校(岐阜県)

くまもと清陵高等学校(熊本県)

つくば開成国際高等学校(沖縄県)

滋慶学園高等学校(岡山県)

AOIKE高等学校(福井県)

ワオ高等学校(岡山県)

S高等学校(茨城県)


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