『カサブランカ』でリック(ハンフリー・ボガート)がイルザ(イングリッド・バーグマン)に繰り返し言う“Here's looking at you, kid.”に「君の瞳に乾杯」という字幕を付けた。これは名台詞として定着し、NHKの放送でこの台詞が「君の命に」と訳されたとき、抗議が殺到したほどだった[2]。
『ジョルスン物語』での主人公の決め台詞 "You ain't heard nothin' yet!" を「お楽しみはこれからだ」と翻訳し、また『ある愛の詩(うた)』の名台詞“Love means never having to say you're sorry”を「愛とは決して後悔しないこと」と翻訳したことでも知られている。
ゴジラを欧米向けに英訳するにあたり、ローマ字綴りの「GOJIRA」ではなく、欧米人にとってインパクトのある「GODZILLA」と翻訳したのも高瀬である。 字幕の文字を書くカードライターあるいはタイトルライターの第一人者佐藤英夫は高瀬の甥にあたる[3](ちなみに、タイトルライターは、翻訳者である「字幕屋」に対して、「書き屋」と呼ばれる[4])。 字幕翻訳家の金田文夫 など。
業界の関係者
翻訳書
『ジェームズ・ディーン』(ハヤカワ文庫)
『風と共に去りぬ―シナリオ』(三笠文庫)
主な字幕担当作品
007シリーズ[6]
007/死ぬのは奴らだ[7]
007/黄金銃を持つ男[8]
007/私を愛したスパイ[9]
007/ムーンレイカー[10]
007/ユア・アイズ・オンリー[11]
アメリカン・グラフィティ(日本公開1974年、ユニバーサル映画)
ある愛の詩[12]
栄光のル・マン(日本公開1971年、東宝東和配給)[13]
エクソシスト(日本公開1974年、ワーナー・ブラザース)
エデンの東
オリエント急行殺人事件(日本公開1975年、パラマウント映画)[14]
カサブランカ
サタデー・ナイト・フィーバー
シャイニング(日本公開1980年、ワーナー・ブラザース)
ジョーズ(日本公開1975年、ユニバーサル映画)
スター・トレック(日本公開1980年、パラマウント映画)[15]
ダーティハリー(日本公開1972年、ワーナー・ブラザース)[16]
大地震(日本公開1974年、ユニバーサル映画)
大統領の陰謀(日本公開1976年、ワーナー・ブラザース)[17]
タワーリング・インフェルノ
チャイナタウン(日本公開1975年、パラマウント映画)[18]
鳥
普通の人々(日本公開1981年、パラマウント映画)
マイ・フェア・レディ
燃えよドラゴン(日本公開1973年、ワーナー・ブラザース)
リオ・ブラボー
理由なき反抗[19]
老人と海
脚注[脚注の使い方]^ a b c d e f g 小川政弘 (2020年12月1日). “【字幕翻訳者たちとの思い出】第1回 高瀬鎮夫さん ?君の瞳に乾杯?
^ 戸田奈津子『字幕の中に人生』 白水Uブックス 126ページ
^ ⇒[1]
^ 戸田奈津子『字幕の中に人生』 白水Uブックス 50ページ
^ バベルが刊行していた『翻訳の世界』のバックナンバーによる。
^ [2]