当初、冨永の起用は高橋が復帰するまでの一時的な処置のつもりであり[26]、フジテレビも視聴者の問い合わせに「高橋さんが治ればまた戻ります」と応えるようにしていたが[23]、病状は重く、29年半務めた2代目・磯野カツオ役を降板することになり、冨永はそのまま3代目として磯野カツオ役を演じることになった[4]。なお、高橋は病床で冨永が後任となることに対し、「みーなちゃんならいい」と答えていたという[26]。
その後、1999年3月23日に死去[5][6]。亡くなる直前の3月20日に古稀を迎えたばかりだった。初代・磯野波平役の永井一郎と、高橋の見舞いに行った2代目・花沢花子役の山本圭子によると、危篤状態の際に周囲が「高橋さん」と呼びかけても反応しなかったが、「カツオ」または「磯野くん」と呼びかけると「はい」と小さく返事をしたというエピソードがある[4][5]。
葬儀の席では、高橋の歌う『カツオくん(星を見上げて)』が流れ、祭壇には遺影と共にカツオの顔も飾られた[23]。弔辞を担当した波平役の永井は、実際は高橋の方が2年(学年では3年)年上であるにもかかわらず、『サザエさん』での役と同じく父親の波平が息子のカツオに話しかける口調で「カツオ、親より先に逝く奴があるか」「カツオ、桜が咲いたよ。散歩に行かんか」などと呼びかけた[12][23]。永井本人は冷静に語ろうとしたが、感極まって涙声になり、弔問者の涙を誘った。 高橋の体調不良に伴う降板および死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。 後任役名概要作品後任の初担当作品 太字はメインキャラクター。
後任
冨永みーな磯野カツオ『サザエさん』1998年5月17日放送回
ブースカ『快獣ブースカ』『ウルトラマンR/B』第17話
高戸靖広『ブースカ! ブースカ!!』
小宮和枝ブレイディ女史『刑事コロンボ 祝砲の挽歌』ソフト版追加部分
堀越真己糸まきおばさん『それいけ!アンパンマン』
工藤晴香赤エンピツマン
浅井淑子ヒミカ『鋼鉄ジーグ』『第2次スーパーロボット大戦α』
うのちひろ恐竜調教師ゾビーナ『恐竜大戦争アイゼンボーグ』『帰ってきたアイゼンボーグ』
出演
テレビアニメ
1963年
鉄人28号(第1作)(1963年 - 1965年、金田正太郎[27])
鉄腕アトム (アニメ第1作)
1967年
黄金バット(タケル)
かみなり坊やピッカリ・ビー(ワンパク6)
魔法使いサリー(1966年)(ウルトラ婆さん)
1968年
妖怪人間ベム(盲目の少女)
あかねちゃん(ヒデバロ / 北小路秀麿[28])
ゲゲゲの鬼太郎(第1作)(1968年 - 1969年)
1969年
アタックNo.1(松山)
サザエさん(1969年 - 1998年、磯野カツオ〈2代目〉)
1970年
ひみつのアッコちゃん(老婆)
魔法のマコちゃん(おばば)
1972年
赤胴鈴之助
樫の木モック(子怪獣クロム)