高年齢者等の雇用の安定等に関する法律
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厚生労働大臣(都道府県労働局長に権限委任)は、この規定に違反している事業主に対し、必要な指導及び助言をすることができ、指導又は助言をした場合において、その事業主がなおこの規定に違反していると認めるときは、当該事業主に対し、高年齢者雇用確保措置を講ずべきことを勧告することができ、勧告をした場合において、その勧告を受けた者がこれに従わなかったときは、その旨を公表することができる(第10条1~3項)。

当該定年の引上げ

継続雇用制度(現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後も引き続いて雇用する制度をいう。)の導入

2013(平成25年)4月1日の改正法施行により、継続雇用制度の対象者を労使協定により限定することはできなくなり[注釈 2]、制度は希望者全員を対象とするものにしなければならない。もっとも就業規則の解雇事由又は退職事由と同じ内容を、継続雇用しない事由として別に規定することは可能であるが、解雇事由又は退職事由とは異なる運営基準を設けることは本法の趣旨を没却するおそれがあることに留意する。ただし、継続雇用しないことについては、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが求められると考えられることに留意する。


当該定年の定めの廃止

定年(65歳以上70歳未満のものに限る)の定めをしている事業主又は継続雇用制度(高年齢者を70歳以上まで引き続いて雇用する制度を除く)を導入している事業主は、その雇用する高年齢者について、次に掲げる措置を講ずることにより、65歳から70歳までの安定した雇用を確保するよう努めなければならない(第10条の2第1項、2項)。2021年4月の改正法施行により、70歳までの就業確保が事業主の努力義務となった。厚生労働大臣は、これらの措置及び創業支援等措置(高年齢者就業確保措置)の実施及び運用(心身の故障のため業務の遂行に堪えない者等の65歳以上継続雇用制度及び創業支援等措置における取扱いを含む。)に関する指針を定めるものとし(第10条の2第4項)、現在高年齢者就業確保措置の実施及び運用に関する指針(令和2年10月30日厚生労働省告示第351号)が告示されている。厚生労働大臣(都道府県労働局長に権限委任)は、基本方針に照らして、高年齢者の65歳から70歳までの安定した雇用の確保その他就業機会の確保のため必要があると認めるときは、事業主に対し、高年齢者就業確保措置の実施について必要な指導及び助言をすることができ、指導又は助言をした場合において、高年齢者就業確保措置の実施に関する状況が改善していないと認めるときは、当該事業主に対し、高年齢者就業確保措置の実施に関する計画の作成を勧告することができる(第10条の3第1項、2項)。

当該定年の引上げ

65歳以上継続雇用制度(その雇用する高年齢者が希望するときは、当該高年齢者をその定年後等も引き続いて雇用する制度をいう)の導入

当該定年の定めの廃止

その雇用する高年齢者が希望するときは、当該高年齢者が新たに事業を開始する場合に、事業主が、当該事業を開始する当該高年齢者(創業高年齢者等)との間で、当該事業に係る委託契約その他の契約(労働契約を除き、当該委託契約その他の契約に基づき当該事業主が当該事業を開始する当該創業高年齢者等に金銭を支払うものに限る。)を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の就業を確保する措置(創業支援措置、過半数代表の同意が必要)

その雇用する高年齢者が希望するときは、次に掲げる事業(2は3の事業については、事業主と当該事業を実施する者との間で、当該事業を実施する者が当該高年齢者に対して当該事業に従事する機会を提供することを約する契約を締結したものに限る。)について、当該事業を実施する者が、当該高年齢者との間で、当該事業に係る委託契約その他の契約(労働契約を除き、当該委託契約その他の契約に基づき当該事業を実施する者が当該高年齢者に金銭を支払うものに限る。)を締結し、当該契約に基づき当該高年齢者の就業を確保する措置(創業支援措置、過半数代表の同意が必要)
当該事業主が実施する社会貢献事業(社会貢献活動その他不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与することを目的とする事業をいう)

法人その他の団体が当該事業主から委託を受けて実施する社会貢献事業

法人その他の団体が実施する社会貢献事業であって、当該事業主が当該社会貢献事業の円滑な実施に必要な資金の提供その他の援助を行っているもの


「過半数代表の同意」について、事業主は以下の事項を記載した計画を作成し、当該計画について過半数代表の同意を得るものとする(施行規則第4条の5)。

高年齢者就業確保措置のうち、創業支援等措置を講ずる理由

委託契約その他の契約(以下、単に「契約」と略す)に基づいて高年齢者が従事する業務の内容に関する事項

契約に基づいて高年齢者に支払う金銭に関する事項

契約を締結する頻度に関する事項

契約に係る納品に関する事項

契約の変更に関する事項

契約の終了に関する事項(契約の解除事由を含む。)

諸経費の取扱いに関する事項

安全及び衛生に関する事項

災害補償及び業務外の傷病扶助に関する事項

社会貢献事業に係る委託契約その他の契約を締結し、当該契約に基づき高年齢者の就業を確保する措置を講ずる場合においては、当該社会貢献事業を実施する法人その他の団体に関する事項

創業支援等措置の対象となる労働者の全てに適用される定めをする場合においては、これに関する事項


事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、高年齢者雇用確保措置等を推進するため、作業施設の改善その他の諸条件の整備を図るための業務を担当する者(高年齢者雇用推進者)を選任するように努めなければならない(第11条)。事業主は、この業務を遂行するために必要な知識及び経験を有していると認められる者のうちから当該業務を担当する者を高年齢者雇用推進者として選任するものとする(施行規則第5条)。
高年齢者等の再就職の促進等

国は、高年齢者等の再就職の促進等を図るため、高年齢者等に係る職業指導、職業紹介、職業訓練その他の措置が効果的に関連して実施されるように配慮するものとする(第12条)。公共職業安定所は、高年齢者等の再就職の促進等を図るため、高年齢者等の雇用の機会が確保されるように求人の開拓等を行うとともに、高年齢者等に係る求人及び求職に関する情報を収集し、並びに高年齢者等である求職者及び事業主に対して提供するように努めるものとする(第13条)。公共職業安定所は、高年齢者等にその能力に適合する職業を紹介するため必要があるときは、求人者に対して、年齢その他の求人の条件について指導するものとし、公共職業安定所は、高年齢者等を雇用し、又は雇用しようとする者に対して、雇入れ、配置、作業の設備又は環境等高年齢者等の雇用に関する技術的事項について、必要な助言その他の援助を行うことができる(第14条)。

事業主は、その雇用する高年齢者等が解雇(自己の責めに帰すべき理由によるものを除く。)その他これに類するものとして厚生労働省令で定める理由(継続雇用制度の対象となる高年齢者に係る基準を定めた場合における当該基準に該当しなかったことその他事業主の都合。以下「解雇等」という。)により離職する場合において、当該高年齢者等が再就職を希望するときは、求人の開拓その他当該高年齢者等の再就職の援助に関し必要な措置(再就職援助措置)を講ずるように努めなければならない。公共職業安定所は、この規定により事業主が講ずべき再就職援助措置について、当該事業主の求めに応じて、必要な助言その他の援助を行うものとする。ただし以下の高年齢者等は除く(第15条、施行規則第6条)。

日々又は期間を定めて雇用されている者(同一の事業主に6月を超えて引き続き雇用されるに至っている者を除く。)

試みの使用期間中の者(同一の事業主に14日を超えて引き続き雇用されるに至っている者を除く。)

常時勤務に服することを要しない者として雇用されている者

事業主は、同一の事業所において、一月以内の期間に、その雇用する高年齢者等のうち5人以上の者が解雇等により離職する場合には、多数離職届(様式第一号)を当該届出に係る離職が生ずる日の一月前までに当該事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に提出することによって行わなければならない(第16条、施行規則第6条の2)。

事業主は、解雇等により離職することとなつている高年齢者等が希望するときは、その円滑な再就職を促進するため、以下の事項(解雇等の理由を除く。)及び事業主が講ずる再就職援助措置を明らかにする書面(求職活動支援書)を作成し、当該高年齢者等に交付しなければならない。事業主は、求職活動支援書を作成する前に、離職することとなっている高年齢離職予定者に共通して講じようとする再就職援助措置の内容について、当該求職活動支援書に係る事業所に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合の、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴くものとする(第17条1項、施行規則第6条の3)。
高年齢離職予定者の氏名、年齢及び性別

高年齢離職予定者が離職することとなる日(離職することとなる日が決定していない場合には離職することとなる時期)


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