足利義満により建立が進められた京都相国寺の八角七重塔は、高さ360尺(約109メートル)あったとされる。1399年(応永6年)に完成したこの塔は、1403年(応永10年)、落雷によって焼失し、極めて短命であった。この後、義満は1404年、金閣寺付近に再び七重塔である北山大塔を建設。こちらも相国寺の大塔に匹敵する高さであったとみられている[10]。
明治23年に建てられた高さ52メートルの浅草の凌雲閣が日本で最初の西洋式高層建築といえる[11]。大阪にも明治21年に浪速区に建てられた高さ31メートルの眺望閣、明治22年に北区に建てられた高さ39メートルの凌雲閣があり、「キタの九階、ミナミの五階」と呼ばれた[12]。 マンションやホテル、オフィスビルなど10階建て以上の建築物では、建築設備上の要求から、中間階に空調設備やエレベータ設備のための機械室が設けられることがある。このような場合、通常の利用者はその階で乗降する必要はないので、旅客用エレベータは停止せずに素通りし、その階の表示もしていないケースが多い。このように、実際には存在していても、一般には利用されずにエレベーターの行き先にも表示されない階のことを「ゴーストフロア」と呼ぶことがある。 特に、13という数字は西洋文化圏で縁起の悪い数字であり、また13階は中間階機械室を設けるのに適した高さでもあることから、このような機械設備を13階に設け、通常の利用者が13階を利用しないようにすることも多い。この場合には、エレベーターの行き先にも「13階という表示がない」ことになる[13][出典無効]。 例として、大宮ソニックシティビル、大阪駅前第3ビル、世界貿易センタービルなどがある。
ミナミの五階「眺望閣」、1888年
キタの九階「凌雲閣」、1889年
東京浅草の「凌雲閣」、1890年
中間階機械室
脚注[脚注の使い方]^ 大澤 2015, pp. 396?397.
^ a b c 大澤 2015, p. 398.
^ a b 大澤 2015, p. 408.
^ 大澤 2015, p. 405.
^ a b 大澤 2015, p. 406.
^ 大澤 2015, p. 414.
^ “長寿社会対応住宅設計指針
^ 一部文献には「33丈」(約100メートル)としたものがあり、これに近い復元もなされていた。2004年に研究者が発表した論文ではこの復元通りの建築は当時困難であったことが指摘され、別の文献にある「23丈」(約70メートル)と推定している(箱崎和久「東大寺七重塔考」『東大寺創建前後 ザ・グレイトブッダ・シンポジウム論集第二号』東大寺、2004年)