細菌性髄膜炎または化膿性髄膜炎と呼ぶ。脳に細菌が入る事もあり、脳障害になる恐れもある。
腰椎穿刺施行にて得られた脳脊髄液において、菌体を認め、好中球の増加、ブドウ糖の減少を認めることが多い。症状は最も激烈で、適切な治療が速やかに要求される。
髄膜炎菌は欧米では重要な起炎菌であるが、日本では少ない。 髄膜炎を惹き起こすウイルスにはエンテロウイルス、単純ヘルペスウイルス2型(まれに1型も)、水痘・帯状疱疹ウイルス(水痘・帯状疱疹の原因ウイルス)、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)ウイルス、HIV、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス[12]などがある。年長小児(幼稚園児 - 小中学生)に多い。根本原因を解決することはできないが、頭痛や嘔吐に対する対症療法を行っていれば、ほとんどの場合、自然軽快傾向を示す。死亡したり後遺症を残すことはまれである。
ウイルス性髄膜炎
真菌性髄膜炎 [14]、加齢による免疫機能の低下[15]などが挙げられる。正常な免疫機能が備わっていれば発症の頻度は低いが[16]、過去に薬物汚染
最もよくみられる真菌性髄膜炎はCryptococcus neoformansによるクリプトコッカス髄膜炎である[18]。アフリカではクリプトコッカス髄膜炎は最もよくみられる髄膜炎の原因とされ[19]、アフリカにおけるAIDS関連死の20?25%を占める[20]。これ以外にもHistoplasma capsulatum、Coccidioides immitis、Blastomyces dermatitidisおよびカンジダなどがよくみられる。[15] CSF内の好酸球(白血球の一種)優位が認められる場合、寄生虫が原因である可能性が考えられる。最もよくみられるのは広東住血線虫、顎口虫、住血吸虫であり、嚢虫症、トキソカラ症、アライグマ回虫症、肺吸虫症の諸症状や、さらに稀な症状、非感染性の症状が同時に認められることが多い[21]。 髄膜炎は非感染性の原因によっても発症することがある。髄膜に広がる癌(悪性または腫瘍性髄膜炎
寄生虫性髄膜炎
非感染性髄膜炎
このほか、類表皮嚢胞や類皮嚢胞もクモ膜下腔に刺激性物質を放出して髄膜炎を誘発することがある[2][24]。
モラレ髄膜炎は再発を繰り返す無菌性髄膜炎の一症候で、単純ヘルペスウイルス2型が原因であると考えられている。まれに偏頭痛が髄膜炎を惹き起こすことがあるが、これは他の原因が除外されて初めて診断できるものである[2]。 髄膜は3層の膜によって構成されており、脳脊髄液と共に脳および脊髄(中枢神経系)を包み保護している。軟膜は非常に繊細な不浸透性の膜であり、細かい輪郭に沿って脳表面に密着している。クモ膜(蜘蛛の巣のような見た目に由来している)は軟膜の外側をゆるやかに覆う嚢である。クモ膜と軟膜の間にはクモ膜下腔があり、脳脊髄液で満たされている。一番外側にある硬膜は厚い丈夫な膜で、クモ膜および頭蓋骨に接している。 細菌性髄膜炎では、細菌が2つの主要な経路(血流を介する経路と、鼻腔または皮膚のいずれかと髄膜との接触による経路)のいずれかを通って髄膜に到達する。多くの場合、鼻腔等の粘膜表面に存在する微生物が血液内に侵入することが髄膜炎の引き金となる。そしてこれは、ウイルス感染によって粘膜の通常の防御機能が破壊されることが原因となることが多い。細菌は血流を介してクモ膜下腔に侵入し、脈絡叢にある血液脳関門を通過しやすくなる。
機序