分類学的な標本としてはこれで十分であるが、展示用などの場合、これらを生きていたときの状態につないで組み立てる。なお、現生の動物であれば生きている状態がわかっているので、それに合わせて組み立てればよいが、化石動物の骨がそろった場合、これをどのように組み立てるが正しいかは簡単には判断できない。これを生きていた状態を想定して組み上げられるようにするのを復元といい、古生物学においてはそれ自体が大きな課題である。 21世紀において販売されている人体の骨格標本は、倫理上や衛生上の問題から人体模型であることがほとんどであるが、過去に模型の造形が困難だった時代にはインドや中国から骨が移出されたり、献体を使った標本が製作されている。しかし、これら本物の骨格標本が一般に展示されているケースは稀である[2]。自らの意志により献体した例として、杉山茂丸やルーマニアの教師の例[3]などが伝わる。 骨格は死体において最後に残るものであり、ある意味では死体そのものより強く死の象徴となり得る。そのため、人体の骨格標本は模型であるが、学校の理科室などで怪談のネタにされやすいことで有名である。 2000年代に入ると日本各地の大学が、明治時代から1970年代にかけて研究目的としてアイヌの遺骨を収集、保管していたことが判明。2010年代には浦幌アイヌ協会(現:ラポロアイヌネイション)が大学に遺骨の返還を求める訴訟を起こす動きも見られた。収集先の不明の遺骨は、2020年に北海道白老町に建設されたウポポイの慰霊施設に収められた[4]。
人体標本
アイヌの遺骨
出典[脚注の使い方]^ [いきもの語り]東京海洋大の研究者ら絶滅危惧種コククジラを骨格標本に 中高生指導、次代の人材育成
^ “授業で使う骨格標本、本物の人骨だった!ニュージーランド”