駐車場
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都心部は駐車場の絶対数不足による駐車場問題が深刻化し、駐車場ビルや、道路や新築建築物への地下駐車場化が増加している[3]

駐車場法では、一般公共用の駐車場について、設置場所によって分類している。路上駐車場(時間制限駐車区間)

路上駐車場駐車場整備地区内の道路の路面に一定の区画を限って設置される自動車の駐車のための施設であって、一般公共の用に供されるものをいう。パーキングメーターなどにより、料金の徴収を行うことが出来る。

路外駐車場道路の路面外に設置される自動車の駐車のための施設であって、一般公共の用に供されるものをいう。駐車場法その他の法令で安全上の基準が定められている。

附置義務駐車場路外駐車場の一種。延べ面積2000平方メートル規模以上(場合によっては未満でも)の建物に、駐車場を併設する義務がある。

都市計画駐車場路外駐車場の一種。道路交通が著しく集中し混み合う地区で、道路の効用を保持し、円滑な道路交通を確保する必要のある区域(駐車場整備地区)において、その地区内の駐車需要に応ずるため、都市計画によって定められる駐車場。

地方自治体は、都市計画法で定める都市計画区域内に駐車場整備地区を指定し、駐車場法で定める「駐車場整備計画」を策定することが出来る。略式表示の「P」は、駐車場の英語表記"parking lot"の略である。

店舗等では利用者に対して附置義務駐車場を無料で貸す場合もあるが、一般には用務地に駐車場がない場合などには、別に一時的に駐車するスペースを時間貸しする場合が多い。都市部においては、建物の附置義務駐車場やパーキングメータなどに加えて、違法な路上駐車を防ぐ目的で簡易な路外駐車場として増やす動きもある。

広さ的に住宅・建物を建てるのに不向きな土地、ないしは広さは十分だが、用途を不確定にしている土地を駐車場に充てる場合もある。この場合は、駐車場経営について専門家ではない地主が、大手駐車場経営会社に運営を委託することが多い。

駐車場法によると、名称、管理者の氏名及び住所(法人には、名称・事務所の所在地代表者の氏名及び住所)、供用時間、駐車料金に関する事項などを管理規程に定め、供用開始後10日以内に都道府県知事に届け出なければならないとされている。各自治体では駐車場整備計画を連動させ、駐車場条例として運用している。

日本においては、2006年(平成18年)6月1日に改正施行された道路交通法により、駐車監視員放置違反金制度が導入され、駐車禁止の取締りが都市部の重点路線で強化された結果、駐車場の需要が拡大する傾向にある。

大阪府を始めとする西日本および中部地方の一部では、民間駐車場のことを「モータープール」と呼ぶが、あくまでも和製英語である。原語(英語)の「Motor pool」には駐車場の意味はなく、アメリカ軍などの軍用車部隊官庁公用車の待機所または部隊を指す言葉で、現在でも米軍施設自衛隊ではこちらが用いられており、日本各地に存在する。

公共施設等には、歩行困難者向けの駐車スペースが用意されていることがある(パーキングパーミット)。
フランス

フランスのパリではかつて路上駐車に対して全く制限がなかったため道路混雑が深刻化していた[13]。そこで幹線道路の地下に路外駐車場を整備して、幹線道路上は駐停車禁止とし、従来駐車されていたレーンはバス路線がある場合にはバスレーン、それ以外の道路では自転車道として整備された(バスレーンは自転車との共用レーンとなっている場合もある)[13]。非幹線道路ではパーキングメーターによる道路利用の有料化が実施されている[13]
自動車所有と駐車場
車庫の保有集合住宅の駐車場。自動二輪車用はカーポート。戸建て住宅の駐車場(カーポート)自家用立体駐車場

多くの国では、自動車を所有する場合、家庭用の自動車と外来用の自動車の駐車スペースを確保することは持ち家の責任であり、駐車スペースを自宅の敷地内に用意することが基本と考えられている[14]。日本のように車庫法が整備されている例もあるが、そのような事例は多くはない[14]。駐車するための設備建物は「車庫」あるいは「ガレージ」と呼ばれ、また、簡単な屋根を設けたものは「カーポート」などとも呼ばれる。

日本では1962年(昭和37年)に自動車の保管場所の確保等に関する法律が制定されており、車両を保有する者は車の保管場所を確保することが義務付けられている[3]。アパートなどの住民企業の自家用、従業員用などのいわゆる自家用の駐車場に対しては、車両を公道に駐車させないことを目的にした自動車の保管場所の確保等に関する法律(略称「車庫法」)が適用される。この法律においては、自動車の保管場所という用語が用いられる。
レジデンシャル・パーミット

シアトルなど欧米の都市ではレジデンシャル・パーミットが採用されることがある[15]。レジデンシャル・パーミットとは、主に住宅地で路上駐車の制限的許可と有料化を行うシステムである[15]。レジデンシャル・パーミットの対象地域では住民や勤務者は年間使用料を支払えば自動車に専用のステッカーを貼ることで路上駐車することができる[15]。また、レジデンシャル・パーミットの対象地域への外来者は、一定時間に限って路上駐車が認められたり、駐車のためパーキングメーターの利用が求められる[15]
駐車場に関するサービス

パーキングメーター

バリデートホテルなどの宿泊施設やショップなどの商業施設の利用者に対して駐車料金を割引または免除するサービス[16]

駐車場に関する作品『アスファルト・スポット』

『アスファルト・スポット』 - フランスのR&Sie建築事務所による作品。2003年に制作され、大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレで公開された。新潟県十日町市寅3丁目358、妻有大橋のたもとに所在している[17]。周囲の山々に対応するように起伏に富んだ路面となっており、実際に駐車場として使用することも可能であるが「日本一難しい」と言われる[18][19]

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 日本では自動二輪車については、駐車場法の一部改正[1]により駐車場法第2条第4号の「自動車」の定義に大型自動二輪車及び普通自動二輪車(以下両者をあわせ「自動二輪車」という。)が加えられ自動車と同じ扱いになった。

出典^ 都市の秩序ある整備を図るための都市計画法等の一部を改正する法律(平成18年5月31日 法律第46号)
^ “大阪はモータープール なんでなん? 東京では消えた?”. 2023年3月20日閲覧。
^ a b c d 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日、255頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 4-534-03315-X


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