駄菓子屋
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当時のアニメ、野球選手などのクジ引きブロマイドなども人気があった。このほかにも子供の射幸心を狙ったくじ引き系アイテムも多く、「アイスクリームガム」という製品では、一回10円でガムを買って、当りが出ると何処のメーカーのアイスクリームでも指定金額内の範囲が貰えた。ガム・アイスクリーム・チョコレートといった菓子類でも、当り付きといった要素が多く見られた。

夏にカブトムシ、秋にスズムシなどの生き物(ペット)を売る店もあった。

玩具類では銀玉鉄砲花火(カンシャク玉や爆竹ロケット花火から花火セットまで)のほか、独楽めんこ竹とんぼ風船/水風船といった素朴な物、あるいは「スパイセット」や「昆虫採集セット」と名付けられたセット物、余り高価ではないプラモデルなど多岐にわたる。郷土玩具に類するものも含まれる場合がある。なおプラモデルでも「組み立てて飾る」ようなものではなく、駄菓子屋ルートでしか流通しない「組み立てたら動かして遊ぶ」といったような玩具に近い魚雷艇飛行機などであった。また「当てくじ」(くじ引きで出た番号に応じて景品がもらえる)のように、一般の玩具店ではまず見られない形態の製品が存在する。こういった「駄菓子屋アイテム」は、その多くが専門化された問屋、あるいは玩具問屋ないし菓子問屋(場合によっては雑貨問屋)が、専門の流通経路を持っている。



1本10円のうまい棒1979年登場)[注 2]

いわゆる「当てくじ」[注 3]


駄菓子屋の現状

駄菓子屋は1980年代から著しい減少傾向が続いている。小学校近辺にある子供を相手にした店などは、特に地方において少子化過疎化で子供の数が激減したうえ、子供たちの遊びに対する嗜好の変化、あるいは子供らが経済的に豊かになったことの影響を受けた。衛生的で商品も豊富なコンビニエンスストアの増加、またスナック菓子などの人気によって、駄菓子そのものが「程度の低いお菓子」として児童保護者らに敬遠されたこともある。こうした経営的な苦しさによる後継者不足も加わり、典型的な「お婆さんが住居兼用で営む街中の駄菓子屋さん」はかなり減少している。ただ2000年代においても、駄菓子屋に通って育った世代の一部は思い入れを抱いているほか、駄菓子屋を含めた「昭和レトロ」に新鮮さを感じる若い世代もいる。このため、駄菓子屋を再現した売り場を設けたり、個々の駄菓子を販売したりする企業があるほか、駄菓子関連の展示施設もある。

子供時代に駄菓子屋に慣れ親しんだ大人たちが当時を懐かしみ、懐古趣味も手伝って取り扱いをする店舗も変化している。駄菓子の販路に関しては、インターネットでの通信販売をはじめとして、大型ショッピングセンター、コンビニに至るまで、多様化している。懐古ブームにも乗り、人気定番アイテムとして現在でも入手は可能である。またこの懐古ブームに乗った「駄菓子屋チェーン店」の動きもあり、ビジネスガイド主催「インターナショナル・ギフトショー」にもそういった業者の出品が見られる。埼玉県川越市の「菓子屋横丁」

菓子屋横丁(駄菓子横丁、駄菓子屋横丁) - 埼玉県川越市元町(末広町との区域境近く)。自営の小規模な製造業者の直売で、軒を連ねている。

二木の菓子 - 上野アメ横の店舗では、駄菓子のまとめ買いにもばら売りにも対応。

神戸物産 - 日本各地で「業務スーパー」を展開する小売業。一部店舗で駄菓子のまとめ売りを行っている。

上記以外に駄菓子屋関連の展示や商品販売などを観光や地域活性化に生かしている例としては、「昭和レトロ商品博物館」[1]東京都青梅市)や「駄菓子屋ゲーム博物館[2](東京都板橋区)、伊香保おもちゃと人形自動車博物館内「昭和レトロテーマパーク駄菓子屋横丁」[3]群馬県吉岡町)などがある。
駄菓子問屋

駄菓子を扱う問屋などが多数営業している地域としては、台東区の蔵前、名古屋市明道町大阪市松屋町などがある。問屋は、小売業者の仕入れ向けにロット(生産単位)での大量一括販売が基本であるが、問屋業者・店舗によっては個人客への小売り(ばら売り)に応じてくれるところもある。

東京都台東区蔵前(江戸通り沿いとその近辺) - 玩具の問屋街。玩具に類する品揃えの一環として、おもちゃ花火駄菓子を取り扱う問屋もある。なお、当地南側の台東区浅草橋には人形の問屋が多い。北側の台東区駒形には、バンダイエポック社のそれぞれの本社なども所在する。

東京都荒川区西日暮里(日暮里) - 日暮里駅東口を出て西日暮里駅寄り直ぐのところにあった「日暮里菓子玩具問屋街」(日暮里菓子玩具問屋組合)が2004年に立ち退き、「問屋街」としては消滅した。日暮里駅東口では再開発計画による駅ビル建築が進んでいる。なお、個別の問屋自体は、駅周辺や駅から少し離れたところに移転して散在しつつ営業を続けており、駅ビル完成時に入居を計画している問屋もある。

Area Introduction - 日暮里駅東口 「ひぐらしの里」市街地再開発事業都市再生機構 - ⇒UR都市機構 東京川の手エリアポータルサイト Kawanote + PLUS

昭和30年代へ時間旅行 ■駄菓子屋横丁 (東京都荒川区)(「新聞12紙リレーフォト 列島道の辺に食あり」) 中国新聞 2002年9月12日

さよなら日暮里駄菓子の街角( ⇒Excite Bit コネタエキサイトニュース 2004年7月17日


愛知県名古屋市西区新道、幅下(明道町) - 中京菓子玩具卸市場が2000年に閉鎖した後も、周辺で問屋が多数営業している。菓子メーカー(製菓会社)も多数所在する。全国の大半の小売店に駄菓子を出荷している、国内最大規模の駄菓子問屋街。

大阪府大阪市中央区松屋町

脚注[脚注の使い方]
注釈
^ フィクションではあるが『20世紀少年』では駄菓子屋「ジジババの店」(通称「ジジババ」)が登場するも「同店経営者の片割れであるジジ(爺)はとっくの昔に故人で…」という描写が登場する。
^ 様々な味付けでシリーズ化され単価も安いので、好きな味のものをまとめ買いするのも、いろいろな味を試すのもお好み次第。コスト上昇を事業拡大による製造設備の拡充といった量産効果などの経営努力で吸収し、2022年3月まで値段を10円に抑えていた。同4月に12円に値上げしている。
^ 付いている玩具の数や一回辺りの代金によってもまちまちだが、派手な当たり景品の影には廉価な外れ景品もあり、くじとして選ぶ貼り合わされた小さな紙片に記載された番号で、台紙に貼り付けられた所定の番号の景品と引き換えるようになっている。

出典
^昭和レトロ商品博物館
^駄菓子屋ゲーム博物館
^昭和レトロテーマパーク駄菓子屋横丁

関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィキメディア・コモンズには、駄菓子屋に関連するカテゴリがあります。

紙芝居 - 街頭紙芝居において駄菓子が売られていた

レトロテーマパーク - 主に駄菓子屋にて興じた世代の郷愁に沿った所が多い。


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