[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

顔の両側に目が位置するため視野が広く350度ほどあるともされている[5]が、反面、両眼視出来る範囲は狭いため、距離感を掴むことは苦手とするなど、ヒトとはやや異なった視覚認知を持つ[6]

走る際に背中が彎曲しないため乗用にできるが、鞍やなどの馬具無しで乗りこなすには相当の修練が必要となる。

一般に、立ったまま寝ることができることでも知られる(ヒトやサルと違い、膝関節を靭帯で固定できるので膝折れがない)が、本当に安全な場所であればリラックスし横になって休むこともある。

寿命は約25年、稀に40年を超えることもある。繁殖可能な年齢は3-15/18歳。繁殖期は春で、妊娠期間は335日。単子であること(一回の妊娠で宿す子が一頭であること)が多い。
体毛
毛色
詳細は「
馬の毛色」を参照

馬の特徴の中でも、一見して最初に目につくのが毛色である。日本馬事協会は、栗毛栃栗毛鹿毛黒鹿毛青鹿毛青毛芦毛粕毛駁毛(ぶちげ)、月毛河原毛佐目毛薄墨毛白毛の14種を定めている。

家畜馬では、鹿毛、栗毛が特に多い。家畜化以前は薄墨毛が多かったと考えられている。
白斑

毛色の他に個体の識別に使われるものとして白斑がある。白斑は主に頭部、脚部などに見られる白い毛のことで、毛色やその他の特徴(旋毛等)と合わせると無数の組み合わせがあり、個体識別に利用することができる。そのため血統登録の際記載が義務づけられている。代表的なものに、頭部では星・曲星・流星・環星・乱星・唇白・白面・鼻白・鼻梁白・作、肢部では白・半白・小白・微白・長白・細長白・長半白等がある。なお、白斑に至らない程度のものを刺毛という。
旋毛

馬のつむじのことを旋毛(せんもう)という。位置に個体差があることから、白斑と同じく個体識別に利用することが出来る。位置によって「珠目」、「華粧」といった名称がある。白斑・旋毛の詳細については馬のマーキング参照のこと。
冬毛と毛刈り

冬になるにつれて長い毛に生え変わる。そのままだと、汗をかいた時に乾燥が長くなり、体を冷やし体調を崩す原因となるほか、ブラッシングも大変となる。そのため、馬を管理している飼い主は毛刈り(クリップ)を行う。毛刈りの仕方は作業量と目的により様々な物がある。

たてがみと尻尾以外の全身の毛を刈るフルクリップ(ショークリップ)、泥がかかりやすい足と鞍が乗る背中以外を剃るハンタークリップ、足と汗をかきにくい背中全体を残すブランケットクリップ、日中も外に出す場合は首の後ろも残すチェイサークリップ、外出をよくする馬の場合は首の前側-腹-尻にかけて剃るトレースクリップ、軽作業馬や若い馬の場合は手軽に行え発汗の多い首周辺と腹だけを剃るアイリッシュクリップが行われる。
身体の各部の名称

図に基づき説明する。

英語名日本語名備考
forelock前髪
poll項(うなじ)
withers?甲(きこう)
back背
loin腰
croup尻
dock尾根
point of shoulder肩先
shoulder肩
forearm前膊(ぜんはく)
elbow肘
knee手根関節(前膝)人間の手首に相当
fetlock(ankle)球節人間の手で言うところの指の付け根の部分の関節に相当
flank?(ひばら)、脇腹
stifle後膝
quarter後躯
gaskin脛(けい)
hock飛節人間の足首に相当
cannon管人間の手で言うところの掌部分に相当
pastern繋(つなぎ)
coronet (coronary band)蹄冠
hoof(foot)蹄

骨格

図に基づき説明する。

英語名日本語名備考
cervical(neck) vertebrae頚椎
coccygeal(tail) vertebrae尾椎
scapla (shoulder blade)肩甲骨
ulna尺骨
radius橈骨
carpus (knee)副手根骨
metacarpal Bone中手骨
patella (knee cap)膝蓋骨
tibia脛骨
fibula腓骨
long pastern bone繋骨基節骨、第1指骨
short pastern bone冠骨基節骨、第2指骨
coffin bone(pedal bone)蹄骨末節骨、第3指骨
cannon bone管骨第3中手骨および第3中足骨

馬歯(英語版)(ばし)は一生を通じて硬い草を食べ続けるため上下に長い形状をしている[7]。考古学においては馬歯は遺跡においても遺存しやすく、馬歯の摩耗具合から個体の年齢を推定する手法も確立している[7]。また、乗用馬に使用する馬具であるハミ奥歯の第二前臼歯と接し続けるために摩耗する。このため野生馬と家畜馬、もしくは乗用馬と駄馬農耕馬を区別するための指標としても活用されている[8]

ウマの前肢の構造を見ると、体の外側にあるのは肘から先の前腕のみで、上腕は体の内側にある(躯幹に密着している)。前腕を構成するのは橈骨と尺骨で、主に橈骨によって形成されている(尺骨の下半分は退化しており、橈骨と癒合している)。前腕の先には手根関節(前膝)がある。手根関節は7つの手根骨からなる。手根関節の先には中手骨がある。このうち最大のものが第3中手骨で、第2・第4中手骨は小さく退化している。第1・第5中手骨は退化して消滅している。第3中手骨の一部はその先にある繋骨(基節骨、第1指骨)とともに球節と呼ばれる関節を形成する。球節の後ろ側には種子骨がある。球節の先には指骨がある。指骨は繋骨(基節骨、第1指骨)・冠骨(基節骨、第2指骨)・蹄骨(末節骨、第3指骨)の3つの骨からなる。なお、ウマの指は第3指(ヒトの中指に相当)のみ存在する[9]。つまり、人間に当てはめるとウマは手足の中指の指先だけで歩いているということになる。

後ろ脚の構造を見ると、大腿骨があり、その先に膝関節(ヒトの膝に相当)がある。膝関節の中には膝蓋骨がある。その先にあるのが下腿で、脛骨と腓骨からなるが、腓骨は前脚における尺骨と同様下半分は退化して脛骨に癒合している。その先にあるのが飛節と呼ばれる大きく屈曲した関節で、ヒトの足首に相当する。その先は前脚とまったく同様の構造をしており、第3中足骨が大きく発達した中足骨、球節、指骨(趾骨)と続く[10]
進化詳細は「ウマの進化」を参照

ウマ類は化石資料が豊富であり、進化の過程を鮮明に残している。その理由として環境の順応能力が高かったことや、草原で群体を成していたことが挙げられている[11]

ウマ類の最古とされる化石は、6,500万年前(始新世)の地層から発見されたヒラコテリウムである[12]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:147 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef