競走馬については現在は主に登録された血統に基づいて分類を行うのが主流である。たとえば、サラブレッドとして然るべき団体から登録を受けたウマがサラブレッドであり、サラブレッドであれば軽種である。仮にこれとまったく同一の遺伝子を備えていたとしても登録がなければサラブレッドとは認められない。「馬の品種の一覧」も参照 各地にそれぞれ在来種と呼ばれる固有の特徴をもった品種が少数存在する。在来種は古来のウマの特徴を比較的よく残しているが、それらも多かれ少なかれ人間の手によって改良されている。細かくみると約250種類以上確認される。混血も多い。それに対して、改良種は、スピードや耐久力、パワーなどを高めるような品種改良がなされており、ひきかえに不定期の給餌に耐える体質や危険から身を守る本能の一部を失っている。サラブレッドやポニーなど、現代人が乗馬クラブや競馬場で頻繁に目にする馬の多くは後者の「改良種」のほうである。 現在日本では、ウマを軽種とそれ以外に分類している。このうち軽種については、財団法人日本軽種馬登録協会が登録規定を行っている。軽種以外は社団法人日本馬事協会 現在では、 ノウマ(Equus ferus)の野生種(ターパンなど)は全て絶滅したとされる。 アメリカのムスタングやイタリアのジャーラ馬
在来種と改良種
日本での分類
和種・洋種・雑種
甲種・乙種・丙種・丁種
野生種現存する唯一の野生種、モウコノウマ
再野生種
モンゴルに生息する「モウコノウマ」[注 13]は、従来、世界で唯一とされる真の現生の野生ウマとされていたが、最近の研究で人間によって家畜化された馬の子孫であるという説が唱えられている[21]。1968年以降、生息が確認されなくなり、本国では一度絶滅したとされる。その後、海外の動物園で飼育されていたものを里帰りさせ、自然保護区のホスタイ国立公園内で繁殖を重ね、200頭を超えるまでになっている。
軽種軽種の代表、サラブレッド(オルフェーヴル)
主に乗用や、乗用の馬車を牽くために改良された品種で、軽快なスピードとある程度の耐久力をもつように改良されている。多くがアラブを母体としている。
サラブレッド
アラブ
アングロアラブ
アンダルシアン
アハルテケ
トラケナー
リピッツァナー
中間種中間種の代表、クォーターホース
軽種と重種の中間的な性質を持ち、軽快さと比較的温厚な性質を持つ。
セルフランセ
スタンダードブレッド
クォーターホース
ハクニー
ハンター(英語版)
アングロノルマン(英語版)
フリージアン・ホース
重種重種の代表、ペルシュロン
主に農耕や重量物の運搬のために改良された品種。中世ヨーロッパでは重い甲冑を着込んだ重装備の騎士の乗馬とされた。大きな個体では体重1トンを超えることも珍しくない。また、軽種よりも美味とされ、食用として用いられるのは重種馬が多い。
北海道特有の競馬競走の一種、ばんえい競馬で用いられているのは、この重種でもペルシュロンやベルジャンの混血馬や、これらと北海道和種などの在来種の混血(重半血)が多い。軽種馬以外の登録を管轄する日本馬事協会では、平成15年度[注 14]以降に生産されるばんえい競馬向けの馬については、純系種同士の馬による配合馬のみ一代限りで「半血(輓系)種」とし、それ以外については「日本輓系種」として登録されている。
ペルシュロン