かつて、初めて競技として採用されたパリオリンピック(1900年)では[9]「乗馬走り高跳び」「乗馬走り幅跳び」の2種目があったが、転倒・落馬の危険が高いため、この回のみで廃止された。アントワープオリンピック(1920年)では「乗馬フィギュア(個人・団体)」の種目があったが、この回のみで廃止された。
近代オリンピックにおいては、ヘルシンキオリンピック(1952年)にて騎兵将校以外の男子および女子の参加が認められるまでは、馬術は職業軍人だけが参加できる競技であった[7]。馬場馬術障害飛越競技
競技
障害飛越競技
馬場馬術
総合馬術
ジムカーナ
部班
用具
ヘルメット
鞭
ブーツ
ズボン
チャップス
ジョッパーブーツ
拍車
用語
扶助
脚
拳
座骨
副扶助
騎座
輪乗り
巻乗り
屈撓
歩法 (馬術)
手前
ウェスタン馬術カウボーイの馬術
未開拓の新大陸(西部開拓時代)で長距離の騎乗を行うことを目的とした、カウボーイ乗馬に端を発する馬術である。服装も、カウボーイハット(Cowboy hat)、バックル(belt buckle)、ジーンズ...とウェスタンファッションが正装である。
長時間座っても疲れない堅牢な鞍(サドル)を使用し、手綱はルーズレインと呼ばれ、馬が自由に首を動かしバランスをとりやすい様ゆるませ、ハミに直接プレッシャーを掛けるのではなく、手綱(レイン)を馬の首に触れてコントロールする乗り方が特徴。これは、カッティング競技などで必要な馬の反射神経を最大限に活用させるための工夫でもある。
ウェスタン乗馬用の鞍。右は腹帯
カウボーイの仕事から発生した馬術である。ウエスタンホースマンシップ 、 レイニング 、 バレルレーシング 、 カッティングなどの競技も存在する。ロデオ競技にその技術が使われてはいるが、ロデオ競技とは別物である。
一般的に、ウェスタンにおいては片手手綱での騎乗も特長のひとつとされているが、これは利き手を作業のためにあけておくために必要な高等技術であり、上級競技以外の競技や基礎練習などでは、両手手綱が基本となる。日本でそういわれているが、ブリティッシュでも、ポロ、儀典などの科目においては、片手手綱が必須である。多くの場合、片手で4本の手綱を繰る。
また、ブリティッシュ馬術における軽速歩が無いといわれることもあるが、日本でそういわれているだけのことで、Posting Trotといわれる乗り方がある。ただ、Posting Trotはブリティッシュの用語である上、ブリティッシュでもこの歩法はかなり最近用いられるようになったものである。それ以前には存在しないし、伝統的なスパニッシュ馬術などにも存在しない。 日本での馬術は武芸十八般にも数えられているように、武芸の重要な科目であった。乗馬は苗字帯刀と同じく武士の特権であり、明治4(1871)年4月19日に平民に乗馬が解禁されるまで、騎乗する権利は身分により制限された。武芸であることから日本の馬術流派の多くは騎乗したまま弓を扱う騎射の技術もを含んでいる。 特色として、蹄鉄が伝えられていなかったので、わらじをはかせていたか、蹄が硬いので何もはかせずに乗っていたことがあげられる。また、去勢の技術が伝えられていなかったこと、戦場には人を齧るくらい元気な牡馬が尊ばれていた。このような癖の強い「悪馬」の調教や乗馬法も考案され、「悪馬新当流」のように流派名とした例もある。 日本の古来の乗馬位置は西洋馬術と反対の右乗りである。平治物語絵巻や1887年のイギリス・イラストレーテッド・ロンドン・ニュースなど古くから明治初期まで日本人が馬には右から乗っていたことを示す絵画が存在する[10]。 身体障害を持つ者にとっても馬術の歴史が積み重ねられており、「紀元前5世紀に、戦争で傷ついた兵士を馬に乗せることで治療していた」とされる文献があるという[11]。障害者による競技は、「馬場馬術」が一般的になされ[12]、FEIも「障害者馬場馬術競技(Para-Equestrian Dressage)」を管轄している[13]。なお、限られた例ではあるが「障害飛越競技」に取り組んだ競技者も存在する[12]。馬術はパラリンピックの競技種目としても登録されている[14]。演目は規定演技を行う「チャンピオンシップテスト」と、各自で選んだ楽曲に合わせて演技を組み合わせていく「フリースタイルテスト」の2つがある[14]。競技者の障害程度により「I」「II」「III」「IV」「V」のグレードへ分類される[14]。そのことをクラシフィケーションという[15]。 なお、FEIでは「障害者馬車競技(Para-Equestrian Driving)」も管轄しており世界選手権大会も開催している[16]。 落馬事故で障害を背負った元競馬騎手が馬術競技に転向する例もあり、日本の馬術選手では選手石山繁、選手常石勝義、選手高嶋活士がこれに当たる。 明治以降、日本での馬術は、伝統の馬術を廃して西洋馬術を主に、大日本帝国陸軍(陸軍騎兵学校を参照)において導入し発達したという経緯がある。そのため、用語の多くは、軍隊用語の流れを汲むものとなっている。
伝統日本馬術
大坪本流
大坪新流
荒木流
通明流
上田流
解龍流
大泉流
大熊流
八条流(高麗流)
新八条流
二宮流
八条当流
山形流
人見流
一全流
調息流
悪馬新当流(神当流)
徒鞍流
常心流
鎌倉流
賀茂悪馬流
障害者と馬術の関わり
日本での馬術用語
脚(きゃく)騎乗者のあし(下腿・脹脛)を意味する。馬のあしは肢(あし)と表現して区別する。脚の馬腹との接触は人馬のコミュニケーションにおいて重要で、馬を推進させる方向に働く。
出典[脚注の使い方]
注釈^ 時代劇や大河ドラマなどの乗馬シーンのほとんどは、ブリティッシュ馬術かウェスタン馬術を用いている。
^ 競技用のジャケットのこと。上らん、ショージャケット[6]。
出典^ .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}"馬術". デジタル大辞泉. コトバンクより2023年8月24日閲覧。