馬肉
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バラ

肩バラ - 「霜降り馬刺し」とされる。

バラオビ - 後バラの内側。サシが多く、加熱料理に向く。


モモ

クロッド - ウマの上半身。赤身として流通する場合が多い。

ランプ - ウマのお尻。

シンタマ - ウマの下半身で、モモ系の中で肉質が柔らかい部位。さらに「シンシン」など4つに小分割される。

外モモ - 馬刺しの赤身とされる部位

内モモ


コウネ - タテガミ部分の脂身で、馬肉独特の部位。


内臓等

センポコ - 大動脈を指す筑後方言福岡県久留米市などで焼き鳥のようにして利用。

ハツ、ハルツ、ヘルツ - 心臓

ダルム - 小腸

タング -


馬肉食

馬肉を一般的な食材として食べている国にはフランス周辺のフランス語圏の他に、日本、アイスランドアルゼンチンカザフスタンカナダ中華人民共和国メキシコモンゴル国ベルギーポーランドルーマニア[3]などがある。カナダでは主にケベック州で、モンゴルでは主に西部で食用となっているなど、国によっては地域によって一般性に違いがある場合もある。これらの国では、食用の馬肉が生産され、そのままを食材とする他、ソーセージコンビーフ肉団子などの馬肉加工食品としても消費されている。

日本は馬肉の多くをカナダから輸入してきた。フランスやメキシコからの買い付けや国産馬肉もある[10]。ベルギーはアメリカ合衆国ウルグアイ[11]などから輸入している。
日本「日本の獣肉食の歴史」も参照創業100年以上の馬肉料理の老舗東京都台東区日本堤吉原大門付近)馬刺し

獣肉食が宗教上の禁忌とされ、食用の家畜を飼う文化が九州の一部や近江国彦根藩などを除いて一般的ではなかった江戸時代の日本本土では、廃用となった役用家畜の肉を食すことは半ば非公然的ではあるが貴重な獣肉食の機会であった。

一部の地方では馬肉は400年以上も前から重要な蛋白源として重用されてきた。熊本県長野県[12]福島県などの郷土料理として供されることで知られている「馬刺し[13]の他、なんこ鍋などの鍋料理としても食べる地域がある。熊本県では馬肉を使ったミンチカツなども売られている。長野県では文久の初め頃より食す者が増え、1885年(明治18年)には約1530頭が食用にされた[14]

馬肉は桜肉とも呼ばれる。ヘモグロビンミオグロビンが多い赤身部分が空気に触れると桜色となること由来とされている。牛肉が高かった時代のニューコンミートに代表される加工食品の増量材等に使用されていた冷凍トリミング(主に南米産)、馬刺しや「桜鍋」用の生鮮肉(現在はほとんど北米産、若干欧州産)と用途も分かれている。2014年時点では流通している馬肉の多くはカナダからのものである[15]。さらに近年では年間2000?5000頭がカナダから生体として輸入されており、カナダ産国内肥育の馬肉として生産されている。アメリカ合衆国からの輸入も多かったが、2007年に同国内最後の馬の屠畜場が閉鎖になって以降は輸入が途絶えており、代わりにメキシコ経由での輸入が増えている。そのほかアルゼンチンブラジルウルグアイ[11]などからも馬肉を輸入している。国内産では廃用となった競走馬の一部も食用に回されている。

2021年には、8月29日が「馬肉の日」として日本記念日協会に登録された[16]

馬肉輸入量推移[17](単位:トン

平成23年(2011年)6,942

平成24年(2012年)6,825

平成25年(2013年)6,828

平成26年(2014年)6,890

平成27年(2015年)7,719

平成28年(2016年)8,036

平成29年(2017年)8,401

平成30年(2018年)8,874



日本国内馬枝肉生産量推移[17](単位:トン)

平成23年(2011年)4,867

平成24年(2012年)4,896

平成25年(2013年)5,464

平成26年(2014年)5,379

平成27年(2015年)5,113

平成28年(2016年)3,670

平成29年(2017年)3,916

平成30年(2018年)3,850

日本国外への輸出量は平成10年(1998年)以降はゼロなので[17]、輸入量と国内生産量を合わせた数が馬肉の国内消費量となる。だいたい年間1万2千トン前後で推移している。

国内馬肉生産(平成26年畜産物流通統計より[17])枝肉生産量(トン)屠畜頭数
熊本県2,396.05,999
福島県1,154.52,893
青森県510.91,280
福岡県461.71,157
山梨県281.4705
秋田県136.0341
長野県115.3289
山形県95.0238
高知県57.9145
北海道54.3136
岐阜県48.8122
群馬県40.4101
岐阜県26.767
徳島県21.654
沖縄県21.554
長野県14.737
その他37.694
合計5,379.313,474

但し、馬の飼育数と馬肉の生産量は比例していない[18]
料理

馬刺し(ばさし) - 生の馬肉を食べる料理

おたぐり - 長野県伊那谷地方の馬のもつ煮

なんこ鍋 - 北海道東北地方の郷土料理

さいぼし - 馬肉を使用した日本のジャーキー

馬焼肉 - 馬肉を鉄板で焼いて食べる料理

馬肉ラーメン - 山形県長井市で食されている馬肉を使ったラーメン

アメリカ合衆国

馬肉食をタブー視する人も多いが、様々な国から移民を受け入れているアメリカでは、馬肉を好む人もいる。メキシコやカナダの処理場に馬を輸出し、馬肉を輸入する人々もいる。
イギリス

イギリスでは、食用馬肉の屠畜と消費は法律で禁じられていない。18世紀から19世紀にかけてはペットフード用の肉を扱う猫肉屋が馬肉も用いていた。複雑に入り組んだヨーロッパの食品流通経路により、イギリスの食卓にも長年、馬肉が使用されている。

英語で「馬を食べる」(eat a horse)といった場合、(丸々一頭食べられるほど)空腹であるという意味で、あくまで比喩表現である。「a」が付いているので「馬肉」という肉の種類を表すのではなく個体として「馬」を表すので「eat a chicken」と言っても同じである(を丸々一羽食べられるほど空腹)。
中国

中国2008年の統計で702.8百万匹を有し[19]、197,984トンを生産した、世界一の飼育、産出国であるが、中国国内で馬肉そのままを食材として調理する例は限られ、ほとんどが輸出用、ソーセージ肉団子などの加工食品用に利用されている。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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