JR・私鉄・地下鉄・モノレールなどが網の目のように張り巡らされ、年間輸送人員は世界一である。ダイヤが正確で、治安やマナーも良く、車内や駅が清潔であるなどの点では評価が高いものの、慢性的に満員電車に悩まされており、また不慣れな利用者には路線網や列車の系統・停車駅が複雑で分かりにくいなどの課題もある。日本国外からの観光客誘致を目指して2003年に始まったビジット・ジャパン・キャンペーンも手伝い、英語の車内アナウンスや、駅の標識のローマ字や番号での表記が増えている。一部の駅の表記にはローマ字の他に隣国で使用されている中国語・韓国語も併記されているものもある。
中心的なターミナル駅は東京駅である。JRの中長距離乗車券に適用される「東京都区内」および「東京山手線内」は、東京駅との営業キロを基に運賃を計算する特例である[注 1]。また、東京駅は所属する中央本線・総武本線・東海道本線・東北本線・京葉線・東海道新幹線・東北新幹線のすべての起点となっている[注 2]ことから、出発列車はすべて下り列車である[注 3]。
上野駅・品川駅は新幹線の停車駅でもある。新宿駅は一日平均乗降客数が350万人を超え、世界一である。また、新宿駅は長距離バスのターミナルになっている。その他、環状線の山手線主要ターミナル駅の池袋駅・渋谷駅なども乗降者が多く、この辺りは昼夜人波が途絶えることがない。 古代の南関東には京から東海道が延びていた。また武蔵国には上野国まで武蔵道が整備されていた。中世の混乱期にこうした道路網は荒廃したが、江戸時代になると東海道・日光街道・中山道・水戸街道・甲州街道などが整備された。 現在、東京都心から郊外に向かって道路・鉄路ともに環状・放射状に発達しているが、郊外に行くに従って整備は遅れている。代表的なものとして環状道路では環状七号線・国道16号、環状鉄路では山手線・大江戸線・武蔵野線+南武線がある。東京都心の外側の環状高速道路として、都心から15-20km圏内に東京外環自動車道と、都心から40-60km圏内に首都圏中央連絡自動車道などの整備が進むが、未完成である。 律令制の五畿七道では、関東地方の内、現在の栃木県と群馬県以外は東海道として区分された。このため、日本を交通網で区分する時に、関東の特に東京都以南を東海道として区分することもある。
交通史
東京都市圏の道路網
高速道路・環状道路 - 首都高速道路・東関東自動車道・京葉道路・常磐自動車道・東北自動車道・関越自動車道・中央自動車道・東名高速道路・第三京浜道路・東京湾アクアライン(東京湾横断道路)などがある。東京湾アクアラインは、神奈川県川崎市と千葉県木更津市とを結ぶものであり、海上パーキングエリアの海ほたる(木更津市)は観光スポットになっている。環状1号線 - 8号線、首都高速都心環状線(都内)、首都高速中央環状線(都内)、東京外環自動車道(1都2県)、首都圏中央連絡自動車道(1都4県)といった環状道路も整備が進みつつあり、東京大都市圏内や、東京と近隣県・全国を結ぶ役割を果たしている。
環状道路
東京都心10km圏内
環状1号線(内堀通)
環状2号線(外堀通)
環状3号線(外苑東通・言問通・三ツ目通)