飛島_(山形県)
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2017年には中国中部に生息するといわれるムナグロノゴマ亜種が日本で初めて観察された[10]御積島などとともにウミネコの繁殖地となっており、国の天然記念物指定を受けている。

地球温暖化に伴う栽培北限の北上を受けて山形県では2010年から飛島でスダチユズレモンなどの5種類の柑橘類の栽培適応性の調査を行っている[11]

交通飛島(勝浦港)のフェリーターミナルビル。
ここから定期船とびしまが発着する。

勝浦集落にある勝浦港と酒田市の酒田港の間で、酒田市定期航路事業所により貨客船である定期船「とびしま」が運航されている。所要時間は約1時間15分、運航頻度は1日1 - 3便(時季による)。フェリーではないため、容易に自家用車を運ぶことはできない(貨物扱いで運ぶことはできるが、最大2台かつ高額となる)。秋に「とびしま」の定期検査が行われる際には、貨物船と、羽幌沿海フェリー所有の旅客船「さんらいなぁ2」がそれぞれ傭船され、定期運航を維持している。なお、冬季は日本海が荒れるため、1週間以上連続して欠航し、文字通り絶海の孤島となることも多い。海上保安庁酒田海上保安部巡視船が渡海して物資を届けたこともある。

空路・空港はない。中村と法木の間には緊急時に使用される飛島ヘリポートがあり、急患搬送が行われる(下項「急患搬送」参照)。ヘリコプターの離着陸時には、安全確保のため周辺道路は封鎖される。

レンタカーやレンタバイクはない。酒田市の無料の観光用自転車60台が配置されている(貸出期間4月1日 - 10月31日)。島内は東側海岸線と島中央部の台地上に道路が走っており、大部分が平坦であることから、自転車での移動は容易である。

島内に無線方位信号所(レーマークビーコン)があったが、2008年4月10日に廃止された。

生活酒田市立飛島小・中学校。その右はとびしま総合センター

行政機関 - 中村に酒田市役所の出先機関「酒田市とびしま総合センター」がある。勝浦港には、旅客ターミナルとビジターセンターを兼ねた「とびしまマリンプラザ」がある[12]。とびしまマリンプラザ近傍に酒田市上下水道部が管理する「勝浦浄水場」がある。

消防 - 酒田地区広域行政組合消防本部の管轄ではあるが、島内に常備消防はないため、島民で組織される酒田市消防団第5分団が消防の役割を担っている。また、1910年3月に組織された「婦人火防組」は日本最初の女性消防団である(出漁などにより長期間男性が不在となるため、男性に代わって島を火災から守る役割だった)。

警察 - 勝浦に酒田警察署飛島駐在所があり、警察官が常駐している。

学校 - 中村に酒田市立飛島小中学校がある。Iターン者の移住により、小学校は2009年4月に9年振りに、中学校も2011年に再開したものの、2019年3月にただ一人の在校生の中学校卒業に伴い、再び休校状態となった[13]。島内中心部の高台にある小中学校グラウンドに、150人一週間分の食料備蓄を含む防災資機材庫や避難小屋が整備され、2015年10月から運用されている。

保育所 - 酒田市が運営する飛島へき地保育所が、酒田市とびしま総合センター内にある[14]

水道 - 島内9つのダムを水源とし、計画給水人口700人、計画1日最大給水量が315立方メートルの飛島簡易水道が整備されている。凝集沈でん、急速ろ過塩素消毒に加え、球状活性炭によりトリハロメタンを除去する高度浄水処理を導入したため、水質も向上した。貯水池の整備と浄水場の増槽により、渇水が当たり前だった時期に比べると供給量には余裕がある。しかし、少雨によりしばしば渇水に悩まされる(近年では2015年に渇水になっている[15])。

電気 - 勝浦に東北電力ネットワーク飛島火力発電所があり、ここで島の電気を賄っている。重油を燃料とした発電機4機、計750キロワットの発電能力がある。

医療機関 - 酒田市立飛島診療所があるが、医師は常駐していない(2017年6月末時点、看護師2名のみ)[16]。平時および急患発生時は酒田市立八幡病院の医師がテレビ電話による遠隔診療、オンシーズンは週1回、山形県・酒田市病院機構日本海総合病院および酒田市立八幡病院の医師が飛島を訪問しての診療が行われる。島内には山形県消防学校より寄贈された搬送車が1台配備されている。集団健診時には、とびしま総合センター内に酒田市飛島健診診療所が開設される。

急患搬送 - 基本的にドクターヘリ日本海総合病院に搬送される。山形県立中央病院から山形県ドクターヘリが出動するが、山形県ドクターヘリが出動できない場合は、協定により隣県ドクターヘリが出動するほか、山形県消防防災航空隊ヘリ「もがみ」、海上保安庁ヘリ(仙台航空基地新潟航空基地)、陸上自衛隊神町駐屯地第6飛行隊ヘリ、航空自衛隊航空救難団秋田救難隊ヘリが派遣されることもある。夜間・荒天などにより航空機が出動できない場合は、海上保安庁第二管区海上保安本部酒田海上保安部の巡視船艇が出動する。
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