風邪
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非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) は、成人の風邪による痛みを改善しうる(エビデンスレベルA)[11]

充血除去薬抗ヒスタミン薬と充血除去薬の組み合わせ、および鼻腔内イプラトロピウムは、成人の風邪症状を改善しうる(エビデンスレベルB)[11]

アメリカ家庭医学会(英語版) (AAFP) ガイドラインは、成人の風邪に対し、以下の治療は効果を示さない (Not effective) としている[11]

成人の風邪に対して効果を示さない治療 (AAFP, 2012)body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper{margin-top:0.3em}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ul,body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper>ol{margin-top:0}body:not(.skin-minerva) .mw-parser-output .columns-list__wrapper--small-font{font-size:90%}

抗生物質

抗ヒスタミン薬の単剤療法

コデイン

エキナセア・アングスティフォリア

鼻腔内副腎皮質ホルモン

生理食塩水での鼻洗浄(通常の手段による)

ビタミンC

しかし、2020年11月、ハーバード大学付属のベスイスラエルディーコネスメディカルセンターの老年医学の副主任であるスザンヌサラモン博士によると。ビタミンC、亜鉛ロゼンジ、チキンスープが役立つかもしれないと示唆した。風邪の症状の発症を感じたら、毎日のビタミンC摂取量を1,000mgから2,000mgの範囲に増やすことで風邪の症状を大幅に軽減する可能性がある[48]
抗生物質の投与米国CDCの"Get Smart"キャンペーンポスター。抗生物質は風邪などのウイルス感染症には効かないことを警告している。

抗生物質(狭義の抗菌薬)は、抗細菌作用しか持たないため、風邪の約9割を占めるウイルス感染には効果がない。基本的に風邪は自然軽快し、抗生物質は副作用や耐性菌出現の原因となるためみだりに用いるべきでないとされる[49]。一方で、世界保健機関の2015年調査では、抗生物質を風邪やインフルエンザの治療に使用できると誤答した人は64%にのぼった[50]

ただし「風邪」と呼ばれる状態は、患者の思い込みを含めて多様な病態を含みうる概念であり、基礎疾患の有無や鑑別によっては抗生物質を投与すべき場面もある[49]

コクランシステマティック・レビューでは、普通感冒および化膿性鼻炎への抗生物質の投与に有意な効果はなく、有害作用のリスクが有意に高まることが報告されている(アメリカ家庭医学会によるエビデンス評価は最良A)[51][11]
抗ウイルス薬

抗ウイルス薬の処方は、風邪の原因ウイルスが多種に及ぶため現実的な効果はないが、いくつかの予備試験ではベネフィットが示されている[52][53]
解熱剤

発熱は一種の生体防御反応であり[54]、微生物の侵入による外因性・内因性発熱物質の産生により、深部体温が上昇すると免疫機能が亢進し、病原体に対する抵抗力が高くなることが示されている[55]。また発熱がウイルスの増殖を抑制するともいわれ、高熱の場合を除き解熱薬の安易な投与は控えるべきである[54]。解熱鎮痛剤の一種であるロキソプロフェンは有意ではないものの、炎症を押さえ、平均で風邪の治癒を1日遅らせる[56]

体温の上昇が極端に激しい場合、体力の消耗や脱水の危険回避のために医師が解熱鎮痛剤を使用することは正しい[54]。小児は体温調節中枢(視床下部)による体温調節機能の発達が未熟であり、高体温となりやすい。乳幼児の場合は、体温の上昇は熱性けいれんの危険性があるため、大人以上に注意を払う必要がある。しかし受診せずに解熱剤を使うことは厳禁で、小児科医にとって「熱さましは親の敵」と言われる[57]。小児に限らず、医師の関与なき解熱剤の使用は危険である[58][13]


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