「地理五訣」のうち「竜・穴・砂・水」は、みな五官で認識できる要素であり、ほとんどは何らかの形状を持つ要素である。このような要素を「巒頭」という。また、「向」は、方位に付された干支や易卦などの記号類型化された要素によって、その良し悪しを判断するものであり、五官で感受し得るものではない。このような理論による要素を「理気」という。
「巒頭」と言えば「竜・穴・砂・水」と、ほぼ同義に使われるが、建物や墓碑などの形状もまた「巒頭」であり、これを「本家巒頭」といい、「竜・穴・砂・水」を「外家巒頭」として区別する。
五術・六大課との関係」の五つを指す。また六大課とは、占術を方法論的に分類したもので、「三式」の太乙神数、奇門遁甲、六壬神課、「三典」の河洛易数、星平会海、宿曜演禽、の六つを指す。日本語ではなじみが少ない言葉だが、中国・台湾では日本で言う「占い」のことを「命・卜・相」と言い、一般的な語である。
五術の分類の中では、風水は人相、名相、印相などと同じく「相」に分類され、また「山」(山道)と関連するとも言われる。六大課の分類においては、六大課すべてにそれぞれの風水理論がある。しかし特に奇門遁甲と関係が深い。
風水六大課
太乙風水
三式の天式にあたり、天時を得る、つまりチャンスに強い方法である。
奇門風水
三式の地式にあたり、地利を得る、つまり所与条件に強い方法である。
六壬風水
三式の人式にあたり、人和を得る、つまり対人関係に強い方法である。
河洛風水
方位と形象を八卦に比定し易卦を得るため、周囲のすべが立卦できる方法。
星平風水
子平と七政を組合せ、間取りと設備の象意を詳しく見る事ができる方法。
演禽風水
宿曜二十八宿の方位角度により、坐山立向の吉凶象意が豊かな方法。
各々の特長は、もっぱら理気つまり建造物などの方位に関するものであり、風水地理五訣の「向」に属するものである。風水ではどの方法でも巒頭つまり「竜・穴・砂・水」の見方は殆んど同じであり、特に六大課では使う記号が異なるだけで、内容はどの方法でも全く同じである。
なかでも、奇門風水の巒頭の見方は、記号類型として非常によく整理されており、風水の巒頭は古代からの奇門遁甲に基づいて理論化されたのだろうと考えられている。一方で、台湾出身の風水師張耀文(張明澄)によれば、奇門遁甲の理論を風水に当て嵌めたのではなく、風水の巒頭から奇門遁甲が生まれた、と言う見方を取っている。そのため、「星平会海」などのように、「理気」については独自の理論を使うものの「巒頭」については、「奇門遁甲」の理論をそのまま使うものもあるという。 漢代から宋代にかけての儒易の系譜は、経典儒
宋易と風水
しかし、宋代から明代にかけて、儒易の系譜は、横渠学・朱子学・陽明学へと連なる、理学という学問体系を形成した。
まず、北宋時代に入ると、易卦を数理的に解釈する、象数易というものが誕生した。象数家の系譜は、円図・方図を作ったとされる陳摶(陳希夷)に始まり、?放・穆修・李之才(李挺之)、そして『皇極経世』を編んだ邵雍(邵康節)などの人脈を生んだ。
円図・方図は、現代に続く風水の系譜のなかで亜流となっている元合派、つまり三元派や三合派と呼ばれるグループの理論的な拠り所である。五術のなかでも、成立年代が古く、宋以前からある「三式」即ち、太乙神数、奇門遁甲、六壬神課などは、理気においても円図・方図を根拠とはしないことからも、元合派の成立は宋の象数易以後であると考えられる。方図坤剥比観豫晋萃否
謙艮蹇漸小過旅咸遯
師蒙坎渙解未済困訟
升蠱井巽恒鼎大過?