その名の通り、お湯の代わりに水を張った風呂である。夏場、暑いときに入ることが多い。また、サウナに入った後に汗を引かせるために入ることもある。
江戸時代の農村では、風呂といえば、水風呂=桶の中での行水であったとされ、各地に残されている道中日記や本陣文書には「水風呂二つ」や「水風呂三個」といった記述がみられ、行水用の桶と推測される[17]。『大和名所図会
』(寛政3年)には桶の中にいる子供に母親が行水させる絵が見られる。住宅用浴槽は、洋式・和式・和洋折衷式の3種類に分類される。洋式は長さ1400 mm - 1600 mmで長く、深さ400 mm - 450 mmで浅い。和式は長さ800 mm - 1200 mmで短く、深さは450 mm - 650 mmと深い。これは入浴方法の違いによるもので、体を伸ばして洗う洋式と、肩まで湯につかる和式の違いの表れである。単純に浴槽を大きくすれば両用に耐えるが、必要な湯量が増えるため、中間的な大きさである和洋折衷式がよく使われる[18]。
浴槽が深い場合、入る際に足を高く上げなければならず危険である。浴槽の設置方法には埋め込み式・半埋め込み式・据え置き式がある。浴槽の設置方法もまたぐ高さを抑える半埋め込み式が最も安全である。
住宅の浴室は、床下からの害虫の侵入や湿気によるカビの繁殖を防ぐため、通常は床下空間が設けられるが、タイルを貼るような浴室は浴槽の埋め込みや耐水性のある床仕上げを行うため、直接地面に接して作られる。冬でも高温多湿の状態が維持される浴室回りは、カビや害虫(例えばシロアリ)の温床になりやすい。これらの害を食い止めるためには、日頃から点検を行うことや点検が可能な作りにしておくことが重要である。ユニットバスの場合、通常は地面から離れた状態で設置されるため、直接地面と接していないが、やはり高温多湿の状態が起こるため、同様の注意は必須である。入浴後は換気扇を回しておくのが望ましい[19]。
都市部では狭小地を有効利用するため、上階に浴室を設置することがある。木造住宅の場合、木材の伸縮によって防水層が破断することが十分考えられ、漏水には十分注意が必要である。
浴室関係では、へちま・バスチェア、湯・桶(ゆおけ)・足ふきマット・お風呂ブーツ・石けん類・シャンプー類・それらを置く台など、数多くの品目が使用される。
浴室は洗濯物を干す場所としても使われる。浴室乾燥機を設置・運転することで浴室内の空気を乾燥させ、悪天候や花粉の付着といった心配をすることなく洗濯物を乾かすことができる。熱源は電気もしくはガスが用いられ、性能やイニシャルコスト(初期費用)・ランニングコストといった面で一長一短である[20][21]。 列車で風呂設備が設けられているケースは少なく、『TRAIN SUITE 四季島』『TWILIGHT EXPRESS 瑞風』といった豪華な寝台列車に見られる程度である。過去に運行されていた列車では『夢空間』にも存在した。ちなみにシャワーや足湯といったレベルでは『サンライズ瀬戸』『サンライズ出雲』『とれいゆ つばさ(現在運行終了)』や、近畿日本鉄道の観光列車『つどい』などの例がある。
列車における風呂
関連項目/岩盤風呂
湯道
銭湯風呂
スーパー銭湯/健康ランド
混浴風呂/トルコ風呂
宇宙アポロ風呂
設備機器としての風呂
シャワー/給湯器/1418 - 日本におけるユニットバスの平面図上の縦横を表す、規格としてのサイズの一つ。
浴室床暖房
浴室
比喩、喩え
風呂吹き
起源
禊
同音異語
漆器に塗った漆(うるし)を乾燥させるために、専用の部屋や空間を蒸気で満たした施設。ムロ(室)ともいう
風炉。茶道において湯をわかす炉。もしくは冶金でるつぼを加熱する装置。