風呂
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FRP風呂

1958年伊奈製陶(現LIXIL)がFRPと循環釜を組み合わせた「ポリバス」を発売。浴槽は、高温にも耐えられ、保温性も良く[11]木桶風呂に代わるものとなった。以降、他社の参入やバランス釜の組み合わせにより、全国の団地や家庭に普及した。
ユニットバスユニットバス詳細は「ユニットバス」を参照

壁・天井・浴槽・床を工場で成型しておき、現場に搬入して組み立てる風呂。洗面台トイレと一体型となっているものもあるが、排泄に用いるトイレを風呂と一体化することを不衛生と見なす価値観が日本では主流である。そのため、西洋式のホテル以外では、低所得者向け住宅などへの設置がある程度であり、日本で流通しているユニットバスはそのほとんどが風呂トイレ分離型である。第二次世界大戦前のアメリカでは特許が取られたが、普及しなかった。日本では1960年代半ばにホテルを皮切りとして1970年代半ばより、集合住宅向けに大量かつ容易に組み立てられる浴室として普及した。最初に大量納入されたのは、1964年の東京オリンピックに向けて突貫工事が行われていた、東京のホテルニューオータニからの発注で作られた東洋陶器(現・TOTO)の製品である[12]。初期の製品は繊維強化プラスチック (FRP) 製の浴槽が主流であったが、素材の開発が進んだ1980年代以降ではポリエステル樹脂アクリル樹脂を用いた人工大理石浴槽や、保温性の高いステンレス浴槽を用いたものも出現した。
噴流式泡風呂ジャクージの一例

浴槽内に勢いのあるを出す風呂を「噴流式泡風呂」と言うが、一般には「ジェットバス」「ジャクージ」「ジャクジー」「ジャグジー(日本語の「蛇口」由来の誤読)」などと呼ばれる。浴槽内を照らす照明を備えるものもある。

「噴流式泡風呂」は、イタリア系アメリカ人のJacuzzi(イタリア語発音: [ja?kuttsi] ヤクッツィ、英語発音: [???ku?zi] ジャクーズィ)兄弟が起こした会社ジャクージ社(英語版)の3代目Roy Jacuzziが1968年に開発したWhirlpool tub(渦流浴桶)が初めてとされる。その後、各国でJacuzziが「噴流式泡風呂」全般を指す一般名詞となっていった。「浴槽#気泡浴槽」も参照
当該風呂の問題点

ノーリツ松下電工(現・パナソニック)、東陶機器(現・TOTO)、日立化成工業(現・ハウステック)、INAX(現・LIXIL)が製造・販売したジェット噴流装置を備えた浴槽で、入浴中に何らかのトラブル(事故)が発生した例が報告された。なかでも、INAXやノーリツが製造・販売したジェット噴流装置を備えた浴槽に至っては、前者が1992年に、後者が2000年に、それぞれ死亡事故を発生させてしまったという事例もある。[13][14][15][16]ノーリツ#沿革」および「浴槽#当該浴槽の問題点」も参照
水風呂

その名の通り、お湯の代わりに水を張った風呂である。夏場、暑いときに入ることが多い。また、サウナに入った後に汗を引かせるために入ることもある。

江戸時代の農村では、風呂といえば、水風呂=桶の中での行水であったとされ、各地に残されている道中日記や本陣文書には「水風呂二つ」や「水風呂三個」といった記述がみられ、行水用の桶と推測される[17]。『大和名所図会』(寛政3年)には桶の中にいる子供に母親が行水させる絵が見られる。
住宅の浴室

住宅用浴槽は、洋式・和式・和洋折衷式の3種類に分類される。洋式は長さ1400 mm - 1600 mmで長く、深さ400 mm - 450 mmで浅い。和式は長さ800 mm - 1200 mmで短く、深さは450 mm - 650 mmと深い。これは入浴方法の違いによるもので、体を伸ばして洗う洋式と、肩まで湯につかる和式の違いの表れである。単純に浴槽を大きくすれば両用に耐えるが、必要な湯量が増えるため、中間的な大きさである和洋折衷式がよく使われる[18]

浴槽が深い場合、入る際に足を高く上げなければならず危険である。浴槽の設置方法には埋め込み式・半埋め込み式・据え置き式がある。浴槽の設置方法もまたぐ高さを抑える半埋め込み式が最も安全である。

住宅の浴室は、床下からの害虫の侵入や湿気によるカビの繁殖を防ぐため、通常は床下空間が設けられるが、タイルを貼るような浴室は浴槽の埋め込みや耐水性のある床仕上げを行うため、直接地面に接して作られる。冬でも高温多湿の状態が維持される浴室回りは、カビや害虫(例えばシロアリ)の温床になりやすい。これらの害を食い止めるためには、日頃から点検を行うことや点検が可能な作りにしておくことが重要である。ユニットバスの場合、通常は地面から離れた状態で設置されるため、直接地面と接していないが、やはり高温多湿の状態が起こるため、同様の注意は必須である。入浴後は換気扇を回しておくのが望ましい[19]

都市部では狭小地を有効利用するため、上階に浴室を設置することがある。木造住宅の場合、木材の伸縮によって防水層が破断することが十分考えられ、漏水には十分注意が必要である。

浴室関係では、へちま・バスチェア、湯・桶(ゆおけ)・足ふきマット・お風呂ブーツ・石けん類・シャンプー類・それらを置く台など、数多くの品目が使用される。

浴室は洗濯物を干す場所としても使われる。浴室乾燥機を設置・運転することで浴室内の空気を乾燥させ、悪天候や花粉の付着といった心配をすることなく洗濯物を乾かすことができる。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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