風刺はコメディにおいて、頻繁に使用されつつあるように見える。多くの現代コメディ番組がある程度の風刺を用いており、コメディアニメも同様である。これらには『ザ・シンプソンズ』『ファーザー・オブ・ザ・プライド』『ファミリー・ガイ』『フューチュラマ』、更にオスカー賞を受賞した『ウォレスとグルミット/ペンギンに気をつけろ!』その他が含まれる。これらの作品はいずれも違ったタイプのコメディであるが、どれもある程度の風刺の上に成り立っている。その風刺の範囲は、『ザ・シンプソンズ』の社会時評から、『ファーザー・オブ・ザ・プライド』のジークフリード&ロイの人造ジャングルでの動物たちの生活にまで及ぶ。
著名な風刺作品の例
オウィディウス - 『恋愛術(恋の技法)Ars amatoria』
ペトロニウス(c. A.D. 27-66) - 『サテュリコン』
ユウェナリス(c. A.D. 55-140) - 『サトュラエ(風刺詩)』
ルキアノス(c. A.D. 160) - 『本当の話』『偽予言者アレクサンドロス』
Nigel of Canterbury - 『Speculum Stultorum (愚者のための鏡)』 12世紀の修道士と大学についての風刺を描写。
『De Nugis Curialibus (廷臣の冗談)』 12世紀のイングランド宮廷生活についての風刺を描写。
ジョナサン・スウィフト - 『桶物語』『ガリヴァー旅行記』『穏健なる提案』
アレクサンダー・ポープ - 『髪盗人』
ビル・ヒックス - 後年のヒックスは革新的な風刺家でありコメディアンであった。
ヴォルテール - 『カンディード』 楽天主義に対する風刺小説。
デジデリウス・エラスムス - 『痴愚神礼讃』 聖職者の腐敗への風刺を描写。
ジョージ・オーウェル - 『1984年』 最も基本的な風刺の文学形式でもあるディストピア小説。
ジョージ・オーウェル - 『動物農場』 ロシアスターリン主義への風刺小説。
ジュール・ヴェルヌ-『二十世紀のパリ』 行きすぎた機械文明への風刺を描写。
アナトール・フランス - 『ペンギンの島(英語版)』 ユートピア小説とされている。
オルダス・ハクスリー - 『すばらしい新世界』 ディストピア小説とされている。
マーク・トウェイン - 『ハドリバーグを堕落させた男』に代表される後期作品。
イヴァン・クルィロフ - 『寓話』ロシアの貴族社会を痛烈に批判した寓話集。
フラナリー・オコナー - 『賢い血(英語版)』 同時代の宗教者の姿勢に対する風刺を描写。
トーマス・ナスト - ニューヨーク市政界の大物ウィリアム・マーシー・トゥィード(英語版)に対する政治風刺漫画。
ヤロスラフ・ハシェク - 『兵士シュヴェイクの冒険』ハシェクの実体験にもとづき、第1次世界大戦当時のオーストリア=ハンガリー帝国や軍隊が抱える矛盾を描く。
スタンリー・キューブリック - 映画『博士の異常な愛情』『時計じかけのオレンジ』
ロバート・クラーク・ヤング(英語版) - 『One of the Guys』 論争の的となった小説。
ダリオ・フォ - 演劇を『あるアナーキストの事故死』
カート・ヴォネガット・ジュニア - 『猫のゆりかご』 SFモチーフを用いた政治風刺小説。
ドン・デリーロ - 『ホワイト・ノイズ』 現代社会と消費主義への風刺。
ヴィトルド・ゴンブローヴィッチ - 『フェルディドゥルケ(英語版)』 現代社会への風刺を描写
ジョーゼフ・ヘラー - 『キャッチ=22』 軍隊、戦争、消費主義、資本主義、共産主義に対する風刺小説。
チャック・パラニューク - 『ファイト・クラブ』 男性性、消費主義、ニヒリズムに対する風刺小説。