風の谷のナウシカ
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コミックス全7巻の累計発行部数は1780万部を突破している[4][5]。海外でも8か国語で翻訳・出版されている。
あらすじ「風の谷のナウシカの登場人物」も参照
プロローグ
高度産業文明を崩壊させた「火の7日間」という最終戦争から千年後の地球。汚染された大地には異形の生態系である菌類の森「腐海」が徐々に拡がり、腐海には昆虫に似た蟲(むし)と呼ばれる巨大生物達が生息する。菌類は一欠片でも村に侵入を許せば、たちどころに汚染が広がり、菌類が放出する瘴気(しょうき)は、多量に吸い込めば一時も持たず死に至る。衰退した人類たちは瘴気と蟲に怯えながら、錆とセラミック片に覆われた荒廃した世界での暮らしを営んでいた。トルメキア土鬼(ドルク)という敵対する二大列強国が覇権を争っている中、腐海の辺境にあるトルメキアと盟約を結ぶ小国風の谷から、物語は始まる。風の谷の族長ジルは、腐海の毒に侵されて病床にあり、ジルの娘ナウシカが代理で国を治めていた。
序盤
ある日、ペジテ市を滅ぼしたトルメキアの第四皇女クシャナ及び親衛隊から逃れるため、ペジテの避難民を乗せたブリッグが、腐海に隠れ蟲を殺した為、蟲に襲われ風の谷に近い腐海の縁に墜落する。ブリッグに搭乗していた瀕死の王女ラステルは、救助に駆け付けたナウシカにとある石を託し、兄に渡して欲しいと懇願して事切れる。その石は、最終戦争で世界を滅ぼした巨神兵を蘇らせる鍵となる秘石であった。巨神兵を得ようとしたクシャナ達が、秘石の捜索の為に風の谷に飛来。検疫を受けないままの強行着陸をとがめたナウシカは、クシャナの部下と一騎討ちを演じる。ナウシカの師匠でもある旅の剣士ユパの仲裁で停戦し、クシャナ達は谷を去る。やがてトルメキアは土鬼との戦争の為、盟約を盾に辺境諸国に出征を強いる。夜明けと共にナウシカは父ジルに代わり、風の谷のガンシップに乗り、城オジと呼ばれる数名の老従者と共にクシャナ支隊へ合流する[6]。土鬼の地へ向けて腐海を南進するクシャナ支隊の空中艦隊を、ラステルの兄アスベルが操るペジテのガンシップが単機で奇襲し、多大な損害を与えるも装甲コルベットに撃墜される。乱戦の中で風の谷のバージのワイヤーが切れ、不時着水する。バージを回収する為に降下したナウシカは、地蟲(じむし)と翅蟲(はむし)に襲われるアスベルを、腐海下層部でメーヴェで救出するが、翅蟲達に追われ腐海の奥に逃げる途中、彼がメーヴェから落ち着地する。直後にナウシカは翅蟲達に襲われ、メーヴェから落ち瘴気マスクを失い、気絶し着地する。その後目覚めたナウシカは、腐海下層部の大気が清浄である事を発見する。そして、その地の砂とナウシカが以前ユパに見せられた腐海下層部の無毒の砂との共通点を見出し、腐海が汚染された大地を浄化している真実に気づく[7]
中盤
劣勢の土鬼軍は、腐海の植物を品種改良し、特殊な瘴気を出す生物兵器を、土鬼の町に駐留するトルメキア軍に対し使用した。この人工の森の瘴気は蟲を死に至らせる物であり、マスクを持たない軍を撃退する事に成功した。しかし、トルメキアに輸送中の菌類の苗が土鬼各所で一斉に突然変異を起こし生じた、重マスクでも浄化できない程の強毒の瘴気を出し、増殖力の大きな粘菌が暴走し始め、事態は収拾不能になる。かねてからこの粘菌の発生を予知していた蟲は、暴走する粘菌に向かって大量に集結した。蟲達が粘菌に自らを吸収させる事で粘菌はやがて通常の瘴気並に弱毒化し、暴走は収束していく。大量の蟲(特に王蟲(オーム))が移動する現象は物語中で「大海嘯(だいかいしょう)」と呼ばれており、移動する蟲の体に付着した胞子が蟲の死骸を介して拡がり、腐海をより拡大してしまう。結果、土鬼の主要な国土はほとんど滅亡するに至った。ナウシカが大海嘯を止めようと土鬼の地を1人で探索する内に、大海嘯が収束し、「森の人」と呼ばれる種族の1人、幽体離脱をしたセルムに導かれ、彼女は幽体離脱をし、腐海の植物群が浄化し、蟲達が守る、「青き清浄の地」を見る。その後、土鬼軍がペジテに駐留するクシャナ支隊の蟲使いから奪取し、土鬼で復活させ、トルメキアに輸送中の眠る巨神兵の胎児と土鬼で会ったナウシカは、覚醒した胎児の前でアスベルに託された秘石を掲げ、巨神兵の母となる。土鬼の聖都シュワにある「墓所」と呼ばれる施設は、内部に旧世界の科学技術を保存しており、皇帝達に技術を与える事で世界を動かしていた。墓所の技術で戦争利用の為、腐海植物を品種改良した他、巨神兵を復活させた事を知ったナウシカは、今起きている瘴気を使う戦争を止め、巨神兵の戦争利用を防ぐ為、「墓所」を永久に封印しようと巨神兵と共にシュワに向かう。
終盤
旅の途中ナウシカは、エフタル語で「無垢」を意味する「オーマ」と名づける。生まれたばかりの赤子のような幼児性と残虐性を持ち合わせていた巨神兵は、名を得るや急速に知能レベルを発達させ、旧世界におけるあらゆる利害を調停する為に人工的に作られた神、「裁定者」としての役割に目覚める[8]
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