4月25日[9]、「ガーディス・フォーク・シティ」で歌った際、「これはプロテストソングとかじゃなくて…ただ誰かの為だと言って話していることについて、言いたいことを曲にしただけです。誰かのね」と話している。まだこのときまでは歌詞が2番までしかなかった[10]。その後歌詞を追加したとみられ、手書きの歌詞原稿には、追加した3番と2番を入れ替えることが書かれている[11]。5月下旬にはトピカル・ソングを紹介する雑誌『ブロードサイド』誌第6号に、3番までの歌詞と楽譜が掲載されている( ⇒Broadside # 6, Late May 1962 (PDF))。
当初、ニューヨークのフォーク・アーティストの多くがこの歌を評価しなかった。「友よ、答えはおまえをやっつけること」などとパロディにして茶化されたが、「レコードにもなっていないのに、あんなにたくさんのパロディが生まれるほど強力な歌であれば、ぼくが感じていたよりずっと力のある歌だと思った」と述べている[12]。
6月、雑誌『シング・アウト!』誌10・11月号の特集(表紙はディラン)のため、ターナーとのインタビュー。「この曲について、私の口からあまり言うべきことはありません。ただ、その答えは風に舞っているということだけですよ。本や映画やテレビのショーや、議論の中には答えはない。そうなんですよ。風に舞っているんです。風の中に舞っているんです。ヒッピーたちがずい分やって来て、答えがどこにあるか私に言って聞かせましたが、私はそんなことは信じません。やっぱり答えは風に舞っているんです。風に吹かれてくるくる舞っている紙切れみたいに、いつかきっと降りて来るんです」[13]と述べている。7月2日、カナダ・モントリオール・ケベックの「フィンジャン・クラブ」で演奏。
7月9日、コロムビア・レコーディング・スタジオにて録音。7月30日、ウィットマーク社著作権登録。
イギリスに渡った1963年1月、BBCのテレビ・ドラマ『マッドハウス・オンキャッスル・ストリート』に出演したディランは、ボビーという役で劇中「風に吹かれて」を演奏した。3月、WBCのテレビ番組で演奏。4月12日ニューヨーク、タウン・ホールでソロ・コンサート。4月26日、シカゴのラジオ番組で演奏。
1963年5月、セカンド・アルバム『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』リリース。6月、マネージャーのアルバート・グロスマンが同じくマネージメントをしていたピーター・ポール&マリーのシングルがリリース、7月13日、ビルボードのポップ・チャートで2位を記録。7月26日、ニューポート・フォーク・フェスティヴァルに出演したディランは、聴衆から大喝采で迎えられ「風に吹かれて」をピータ・ポール&マリー、ピート・シーガーら出演者たちと合唱。直後、『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』は、一週間に1万枚も売れたと伝えられている[14]。7月30日、テレビ番組『ソング・オブ・フリーダム(自由の歌)』に出演して演奏。8月、ディラン・バージョンもシングル・カットされリリースされた。
ターナーの話では、この曲が黒人霊歌を歌うオデッタの「競売はたくさんだ(No More Auction Block)」の創造的な作り変えであると最初に指摘したのは、ピート・シーガーだという[15]。ディランは、オデッタのレコードから曲を覚えカバーも歌っており、アルバム『ブートレッグ・シリーズ第1?3集』(1991年)には、1962年10月、「ガスライト」でディランが「競売はたくさんだ」を歌った音源が収められている。 ピュリツァー賞受賞者のアンソニー・リュウイスは公民権運動の記録である著書『十年間の顔(Portrait of a Decade)』の冒頭に「風に吹かれて」の数行を引用した[16]。 他 他 「風に吹かれて」 セトル・ダウン 「風に吹かれて」は数多くのアーティストによってカヴァーされている。商業的に最も成功したものがピーター・ポール&マリーによるバージョンで、このシングルは『フリーホイーリン・ボブ・ディラン』がリリースされた3週間後の1963年6月にリリースされ、『ビルボード』誌の「ミドルロード・シングルズ」チャートで8月3日付から5週連続1位に、8月17日付「Hot 100」チャートで最高の2位を記録した[17][18][19][20][21][22]。
反響
収録アルバム
スタジオ録音
フリーホイーリン・ボブ・ディラン(1963年)
ライブ録音
ノー・ディレクション・ホーム:ザ・サウンドトラック(2005年)1963年4月12日 ニューヨーク、タウン・ホール
ニューポート・フォーク・フェスティヴァル1963?イヴニング・コンサート(オムニバス、1964年)1963年7月26日、ニューポート・フォーク・フェスティヴァル
バングラデシュ・コンサート(1971年)1971年8月1日 ニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン
偉大なる復活(1974年)1974年、ザ・バンドとの共演
ローリング・サンダー・レヴュー(2002年)1975年11月20日マサチューセッツ州ケンブリッジ、ハーヴァード・スクエア・シアター、ジョーン・バエズとのデュエット
Rare, Live & Classic (ジョーン・バエズ、1993年)1976年5月23日カリフォルニア州フォート・コリンズ、バエズとのデュエット
武道館(1979年)1978年東京、日本武道館
THINGS HAVE CHANGED?DYLAN ALIVE! VOL.3(2000年)2000年3月16日カリフォルニア州サンタ・クルーズ、Santa Cruz Civic Auditorium
カバー
海外
ピーター・ポール&マリー の シングル
初出アルバム『イン・ザ・ウィンド』
B面Flora
リリース 1963年6月
規格7" シングル
ジャンルフォーク
レーベルワーナー・ブラザース・レコード
作詞・作曲ボブ・ディラン
チャート最高順位
2位(ビルボード Hot 100)
1位(ミドルロード・シングルズ)
ピーター・ポール&マリー シングル 年表
(1963年)風に吹かれて
(1963年)くよくよするなよ
(1963年)
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