顧客
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2016年現在、多くの組織で、内部顧客を満足させることは、製品が外部顧客のニーズを満たすための試金石となると考えている(Tansuhaj, Randall & McCullough 1991)[17]。内部顧客を管理する理論と実践に関する研究がさまざまなサービス部門の業界で継続されている[18][19]。ただし、本来なら「ステークホルダー」や「同僚」と呼ぶべき存在のことをジュラン流に「内部顧客」と呼ぶことを認める代わりに、もともと「顧客」と呼ばれ大切にされていた存在を「外部顧客」と呼んでしまうと、従来の顧客をかなり格下げして扱うという妙なことが起き[注釈 2]、さまざまな弊害が生じることになる。それで次のような議論が噴出することになった。  
「内部顧客」という用語の使用に反対する議論

ピーター・ドラッカーフィリップ・コトラーW.エドワーズデミングなどの、経営とマーケティングの分野の有名な著作者たちは、著書の中で「内部顧客」という用語は使用していない。彼らは、顧客を、社会の中で需要と供給の関係における重要な役割と見なしている。顧客の特徴として、顧客はサプライヤーと従属関係あるものではなく、すべての顧客は、交渉においてサプライヤーと同等の立場にあるとされる。また、ピーター・ドラッガーは「すべての顧客は、サービスや製品の提案を受け入れることも拒否することもできる。」と書いている[20]

この顧客の特徴に反して、会社の同僚間の関係には常に従属関係がある。会社の従業員は、会社のプロセスに従う義務があり、業務を実行するための部門/同僚を選択する権限がない。会社の従業員は、会社の組織構造と決められたプロセスを前提として既存の部門/同僚の中で振る舞う義務があるため、「内部顧客」の関係性は顧客とは違うとされる。

ITILシックスシグマの方法論の多くの著者は、「内部顧客」を、会社内の別部門の成果/アウトプットをインプットとして利用する会社内の部門と定義している。この定義は、顧客とサプライヤの関係よりも適切な説明である。 ピーター・ドラッガーは、組織内に顧客はいないと考えている。彼は「組織内にはコストセンターしかない。小切手が不渡りになっていない顧客が唯一のプロフィットセンターである。」と書いている[21]。ウィリアム・デミングは、彼の9番目のポイントで、マネージャーに「部門間の障壁を打ち破れ!各部門はひとつのチームとして働く必要がある。」とアドバイスしている[22]。これは、企業内では、サプライヤーと顧客の関係ではなく、チームワークが必要であることを意味している。ITILの方法論でも「組織内の2部門の関係は同僚という用語が正確である」と認めている[23]
クライアントという用語

「クライアント」の第一の意味は「one that is under the protection of another」つまり「他者の保護にもとにいる人」という意味であり、第二の意味として「a person who engages the professional advice or services of another」つまり「プロフェッショナルのアドバイスやサービスを利用する人」という意味がある[24]
「顧客」を好む業界、「クライアント」を好む業界?

@media screen{.mw-parser-output .fix-domain{border-bottom:dashed 1px}}原始的な社会では、知人同士の物々交換経済に依存していた。その後、商取引が発展するにつれて、恒久的な社会的欲求ではない一時的なニーズに依存する、永続的ではない人間関係が形成されるようになった。現代ではあまりこれらの区別は意識されないが、安定した繰り返しの関係性を持つ業界は顧客という単語を好み、短期的な関係性を持つ業界はクライアントという単語を好む傾向がある。[要出典]

顧客戦略等を研究する学術団体については、1951年4月21日、日本商業学会が慶應義塾大学教授向井鹿松を初代会長として設立された[25]
関連項目.mw-parser-output .side-box{margin:4px 0;box-sizing:border-box;border:1px solid #aaa;font-size:88%;line-height:1.25em;background-color:#f9f9f9;display:flow-root}.mw-parser-output .side-box-abovebelow,.mw-parser-output .side-box-text{padding:0.25em 0.9em}.mw-parser-output .side-box-image{padding:2px 0 2px 0.9em;text-align:center}.mw-parser-output .side-box-imageright{padding:2px 0.9em 2px 0;text-align:center}@media(min-width:500px){.mw-parser-output .side-box-flex{display:flex;align-items:center}.mw-parser-output .side-box-text{flex:1}}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .side-box{width:238px}.mw-parser-output .side-box-right{clear:right;float:right;margin-left:1em}.mw-parser-output .side-box-left{margin-right:1em}}ウィクショナリーに関連の辞書項目があります。顧客

顧客満足(顧客中心主義)

お客様は常に正しい(英語版) - 英語版「お客様は神様です。」

カスタマーハラスメント


顧客関係管理

サービスレベル契約

アーリーアダプター

(曖昧さ回避)

「顧客」で始まるページの一覧

「カスタマ」で始まるページの一覧

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 医療業界やコンサルティング業界や弁護士業界などを含む。
^ 大切な顧客のことを「外部顧客」などと呼ぶと、ほぼ「よそ者」「部外者」と言っていることになる。そしてこの「外部顧客」という用語を使っていると「我々と無関係な、どうでもいい奴ら」という感情すら生じることになる。実は、ジュランが採用した命名法が良くなかった。従来の顧客を従来通り「顧客」(あるいは「通常顧客」)と呼び、ステークホルダー内の顧客だけは、たとえば「ステークホルダー・カスタマー」と呼んで分類すれば、妙な副作用は生じなかった。

出典^ 顧客 とは - コトバンク
^ 顧客
^ 「お客さん?顧客?ビジネス上の正しい呼び分け方・使い分けの定義」
^ 需要家 とは - コトバンク
^ a b c d e f Reizenstein 2004, pp. 119.
^ Kendall 2007, pp. 3.
^ Tennant 2001, pp. 52.
^ a b c d e Frain 1999, p. 161.
^ Blythe 2008, pp. 18.
^ Kansal & Rao 2006, pp. 61.
^ a b Tennant 2001, pp. 52?53.
^ a b Kendall 2007, pp. 3, 9.
^ Tennant 2001, pp. 53.
^ a b Kelemen 2003, pp. 28.
^ Stracke 2006, p. 87.
^ Reeves & Bednar 2005, pp. 335.
^ Papasolomou-Doukakis 2001, pp. 71.
^ “Archived copy”. 2014年2月22日時点の ⇒オリジナルよりアーカイブ。2013年11月22日閲覧。
^ https://scholar.google.com/scholar?as_ylo=2009&q=internal+customer+service+industry&hl=en&as_sdt=1,16


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