野村総合研究所が2007年に行った携帯電話機メーカーのスイッチに関する調査では、「他人への推奨」が最も顧客ロイヤリティに関係しているという結論を導き出した[2]。 ロイヤリティを示す行動は購買行動の他にも、以下の3つの要件が挙げられる[1]。 分類要件 顧客満足度は、理論的には商品・サービスに対する期待値に対して、品質が一定レベルを満たしているときに感じるもので、満足度の高い顧客が継続購入を行う前提に基づいている。 しかし一方で、満足度が高いからといって、必ずしも継続購入するとは限らず、満足度と継続購入との間には、大きなハードルが存在するという指摘もある。だが、顧客ロイヤリティを重視する考え方では、提供する商品やサービスが明確に顧客の課題解決に役立つという前提があり、その結果として、自社の製品サービスが売れると考えるのが通例である[5]。 顧客ロイヤリティの調査方法の代表的なものとして、NPS(ネット・プロモーター・スコア、英語: Net Promoter Score)というロイヤリティ指標がある[6]。 NPSは、フレッド・ライクヘルド ネットプロモータースコアは、顧客ロイヤリティを判断するには、従来型の顧客満足度調査よりも優れた指標であると評価されている。 点数評価 複数の顧客に対して調査を行い、推奨者の割合から批判者の割合を引くことで得られる数値が「ネット・プロモーター・スコア (NPS)」と呼ばれ、-100% から 100% の間の数値で表される。 例えば、10人中6人が9点以上なら、推奨者は60%、6点以下が2人いれば批判者は20%なので、NPSは+40となる。NPS調査を行うことで、売り上げや成長率との相関関係がある顧客ロイヤリティを定量的に測ることが可能になり、企業経営から ソーシャルメディア施策の評価まで、数字が様々な形で活用されている。 顧客ロイヤリティ向上の取り組みとして2006年度に資生堂が行った、ビューティーコンサルタントによる顧客の応対満足度評価や、フォルクスワーゲンでの製品調査などが挙げられる[9]。 いずれの場合にも、顧客ロイヤリティを全ての企業活動の基盤であると捉え、製品開発や企業としての透明性の確保、あるいは中長期成長に向けた土台作りにおいて必要なものと認識されている。 派生された言葉として、顧客満足度、推奨者正味比率(NPS、ネット・プロモーター・スコア)などがある。
要件
1商品・サービスに対する次回の購買に対する意思
2友人・同僚に商品・サービスを推奨する可能性
3商品・サービスを(競合商品・サービスに)切り替えることへのためらい
調査方法
NPSを用いた顧客ロイヤリティの調査分析
10 - 9 推奨者(Promoter) - ロイヤリティが高い熱心な顧客。自らが継続購入客であるだけでなく、他者へ勧める『伝道師』の役割も担う。
8 - 7 中立者(Passive) - 満足はしているがそれ程熱狂的ではなく、競合他社になびきやすい。
6 - 0批判者(Detractor) - 劣悪な関係を強いられた不満客。放置しておくと悪評を広める恐れがある。
顧客ロイヤリティの効果
その他
導入例
モッズ・ヘア[10]
東京ヴェルディ[11]
ヤマダ電機[12] - 来店時にポイントが獲得可能なスロット
出典^ a b 【ブランド戦略】顧客ロイヤルティとは?顧客を引き付けるマーケティング手法
^ a b c ⇒日立ソリューションズ ベリンダ 顧客ロイヤリティと新マーケティング戦略|顧客ロイヤリティ管理が成長戦略の鍵となる|鍋野 敬一郎
^ 『ロイヤリティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略』P33
^ 『ロイヤリティリーダーに学ぶソーシャルメディア戦略』P34
^ NTTデータ経営研究所 顧客ロイヤリティとマネジメント 第1回 顧客ロイヤリティとマネジメント
^ NPS(ネットプロモータースコア)とは何か?
^ ⇒顧客ロイヤリティを知る究極の質問(フレッド・ライクヘルド) は、NPS(ネットプロモータースコア)を理解するための必読本です。
^ フレッド・ライクヘルド 『ネット・プロモーター経営〈顧客ロイヤリティ指標 NPS〉で「利益ある成長」を実現する』 プレジデント社、2013年、ISBN 4-8334-2033-3